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かつて華やかな舞台に立った日産のコンセプトカーがジャンクヤードにて発見。日産はこれらを「価値なし」と判断し廃棄計画に従って粉砕するもよう。あまりに現実は過酷ナリ

かつて華やかな舞台に立った日産のコンセプトカーがジャンクヤードにて発見。日産はこれらを「価値なし」と判断し廃棄計画に従って粉砕するもよう。あまりに現実は過酷ナリ

| 日産は自社でミュージアムを保有しているが、そこにすら「収まる価値はない」と判断される |

日産は「売却」も「寄付」も考えておらず、選択肢は「破壊」のみ

さて、日産のコンセプトカーがジャンクヤードに放置され、「粉砕機にかけられるのを待っている状態」との報道。

これはFacebookグループ「Foreign Market Car Sightings」に一般ユーザーが投稿を行ったもので、ナッシュビル近郊にて撮影されたものだと報じられています。

そこでカーメディア、Driveが日産の広報に連絡を取ったところ、これらのクルマは「売却されるのではなく、潰されるために」その場所に移動させられたのだといい、日産のヘリテージコレクションに保管されていたものの、状態も悪くなり、もう維持できなくなったために破壊することにした、というショッキングな回答を受けたのだそう。

わざわざ破壊しなくても、必ず欲しい人がいるはずなのでオークションに出せばいいのではと考えたりしますが、もちろん日産はそれも考慮したようで、しかし「未発売のクルマなので販売や寄付はできず」、長期的な廃棄計画に従い処分する以外に道はないのだ、と説明されたようですね。

状態がいいのは「日産ベベル」

このコンセプトカーのうち、状態が良いのは「ベベル」のほうだといい、撮影者によると「もう一台のクエストよりもベベルの方が状態が良かった。窓は割れていないし、車輪は全部ついているし、内装もホコリ以外はきれいだった。クルマを詳しく調べることはできなかったが、タイヤの空気を入れ、洗車すれば、ベベルは新品同様になる」。

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さらにこの情報提供者であるデイトン・クーパー氏によると、スクラップヤードの従業員からも情報を聞き出すことができたといい、このスクラップヤードでは、コンセプトカーがよく潰されること、実は他にも2台のコンセプトカー(どこのメーカーのものか明らかではない)が廃棄を待っているという情報もキャッチ。

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なお、スクラップヤードと話をつけてこのクルマを引き取ることもできないそうで、というのも粉砕を依頼した日産が「ちゃんと破壊したかどうか、動画に記録して提出するよう」要求しているためで、つまりこれらのコンセプトカーが「破壊を免れる」ことはどうやってもできそうにない、というわけですね。

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タイヤはこのコンセプトカー専用、そしてホイールやブレーキキャリパーも特別仕様。

これらはもちろんショーのために製作されたもので、多くの場合は行動走行可能な強度や法的案件を満たしておらず、そのために自動車メーカーとしては「販売できない」のだと思われます。

たとえ「公道走行不可」として販売しても、購入者が実際に公道を走らせないとは限りませんし、オーナーの代が変わればさらにその約束は守られないかもしれません。

そしてひとたび事故が起きれば、自動車メーカーのエンブレムを装着している以上、そのメーカーは責任を免れることできず、よってリスクを考慮すると「破棄する以外の選択肢はない」のでしょうね。

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ちなみに「在りし日の」ベベル・コンセプト(2007年)はこんな感じ。

なかなかに未来的であり、面白いクルマであるように見えますね。

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クエスト・コンセプトの程度はたしかに良くなさそう

そしてもうひとつの「廃棄待ち」コンセプトカーは2002年の「クエスト」。

こちらはベベルに比較すると「市販車に近い」デザインを持っており、実際にそのデザインのいくつかは市販車に生かされているもよう。

ただし状態は良くはなく、一部のタイヤが取り外されています。

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インテリアは「現実的な」外観に比較してかなり先進的ですね。

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こちらは在りし日のクエスト・コンセプト。

これらは日産ヘリテージ・コレクションにて「維持できなくなった」車両であり、日産が自ら廃棄という道を選んだのは上述のとおりですが、その理由は「ヘリテージコレクションで展示するための要素に欠けている」というもので、つまりは現在保管している550台以上のコレクションの中に加わるだけの価値がないと判断されており、実際にここしばらくは同博物館の地下で長い時間を過ごしてきたとされ、その地下すらも追い出されたというのが眼前にある厳しい現実です。

コンセプトカーというと、一時は華やかな舞台に立ち、そのメーカーの「未来」として紹介されるものですが、その役目が終わればこうやって廃棄されることも珍しくはなく、しかし「展示の価値がある」コンセプトカーのみが「博物館に展示」といった「第二の人生」を歩むことが許されるのでしょうね(さほど法規や規制が厳しくなかった頃は、コレクターに売却されることも多かったようだ)。

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参照:Drive

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