>ポルシェ(Porsche)

ポルシェがついに欧州以外での生産をマレーシアで開始!現地生産カイエンは輸入版よりも450万円安く販売され、オプションも満載というお買い得仕様に

ポルシェ

| ポルシェがなぜマレーシアを生産地として選んだのかはわからないが、今後の展開には期待したい |

一部の国は関税が非常に高額であり販売のチャンスが失われている場合も

さて、ポルシェがついに欧州以外での生産、つまりマレーシアでの生産を開始。

これはもちろん欧州を除けば初のポルシェ工場ということになり、マレーシアはケダ州、同国の貿易・物流会社であるSime Darby Berhadの組立工場内に設置されている、とのこと。

なお、ポルシェがマレーシアでクルマを組み立てる理由はただひとつ「関税回避」で、というのもマレーシアでは輸入車に対して高額な関税(カイエンだと105%)を課しており、しかし国内で生産すると輸入車ではなくなるので関税がかからず、そのぶん安価に販売ができる、ということになるわけですね。

なぜマレーシアにポルシェ工場?

そこでちょっと気になるのが「なぜマレーシアなのか」。

マレーシアは現在大きく成長しているといえど、人口3300万人ほどにとどまり、平均年収も200万円以下だと言われるので、国単位で見た購買力としては「高くない」と思われます。

であれば韓国のほうがよほどメリットがある(やはり関税が高額で、しかしプレミアムブランドの購買意欲が高い)ように思われるのですが、マレーシアを選んだ理由について詳細は明かされておらず、しかしポルシェのことなので、なんらかの意図があるものと思われます(これからアジアの生産拠点を拡大したり、マレーシアから近隣諸国に輸出を行うなど)。

メルセデス・ベンツ
韓国の消費は虚勢と虚構に満ちている?人口比で日本の3.4倍売れるベンツ、大人気のスーパーカーは「見栄」のために購入されていた

| たしかに一部の国ではそういった傾向があるようだ | さて、デイリー新潮にて、「韓国では、無理して高級車やスーパーカーを購入する”貧困者”が多い」という記事。なにやら「高級車やスーパーカー」と「貧困 ...

続きを見る

ちなみに現在ポルシェにとって最大のマーケットは「中国」ではありますが、過去にポルシェは中国での生産を検討したものの、中国人が欲しがるのは「ドイツ産のポルシェ」であるということがわかり、中国への工場建設について見送ることになったようですね。

ポルシェ・マカン(天保山/ナナガン)
ポルシェの最大市場は今や中国。「中国に工場を作るか」の問いに対して「NO。人々が求めるのはドイツ製だ」。ただしこのまま中国優位が続けば「中国で生産せざるを得ない」とも

| 利益を確保することを考慮すれば、中国生産は免れることができない | さて、先日マレーシアに工場を建設すると報じられたポルシェ。今回はポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏が「我々は”メイド・イン・ジ ...

続きを見る

工場で働く人々はすべてマレーシア人

ポルシェによれば、この新しい工場の電力はソーラーパネルによって補われ、雨水利用技術で廃水を減らしているといい、この工場のスタッフはすべてマレーシア人で、もちろんポルシェのトレーニングを受けた人材なのだそう。

現在はカイエンの生産設備をそのまま流用したCKD(コンプリート・ノック・ダウン)での生産となりますが、ポルシェの生産・物流担当役員を務めるアルブレヒト・ライモルト氏によれば、「マレーシアの新しい組立工場は、特定の市場ニーズを満たし、ポルシェがヨーロッパで確立した生産拠点ネットワークと並行して運営されています。この工場は、ポルシェのスポーツカーを組み立てる際にポルシェが定めた包括的な品質基準を満たすものです」とのことで、現時点ではカイエン以外のモデルの組み立てについては言及されていないものの、将来的な「含み」を持っているのは間違いなさそうです。

はたしてポルシェは、カイエンをマレーシアで組み立てることにより、その価格を大幅に引き下げることができたといい、欧州から輸入されたモデルが665,000リンギットであるのに対し、マレーシア製のカイエンは550,000マレーシアリンギットなので、実に15万5000リンギット(日本円で450万円!)も安くなっているわけですね。

マレーシアにて生産されるポルシェ・カイエンは、V6ガソリンターボ(最高出力335ps、最大トルク450Nm3.0L )のみに限定され、このエンジンに組み合わされるのは、8速ティプトロニックSオートマチックトランスミッション、駆動輪はもちろん4輪(スペックに変更はない)。

ポルシェ

さらにはこれまで(欧州生産のカイエンでは)オプションだった装備も現地生産カイエンでは標準装備されており、たとえば21インチRSスパイダーホイール、Boseサラウンドサウンドシステム、メモリー機能付き14ウェイパワーアジャスタブルコンフォートシート、フロント、リア、サラウンドビューつきパークアシストシステムなど。

もちろんポルシェダイナミックライトシステム、LEDテールライト、12インチインフォテイメントディスプレイ、スポーツステアリングホイール、4ゾーンオートエアコンといった元来の標準装備も維持されており、現地生産カイエンは「安く」なったものの逆に装備が充実していて、現地の人からするとマレーシアでの生産は「非常にありがたい」という歓迎すべき事象なのだと思われます。

ただ、本国生産のように、多彩なオプションを選択すること、パーソナリゼーションプログラム「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」の利用などはできないと思われ、しかし専用デザインのフロントバンパー、ホイールアーチエクステンション、スポーツエグゾーストシステム、ダーク仕上げテールランプ、LEDドアプロジェクター、車体色同色キーフォブなどのスポーツデザインスタイリングパッケージを58,000リンギットで追加できる、とのこと。

マレーシアにて製造されたポルシェ・カイエンを紹介する動画はこちら

あわせて読みたい、ポルシェ関連投稿

ポルシェ
ポルシェがVWに対し131億円の違約金?VWの工場で生産する予定だった旗艦EVをキャンセルし、自社工場で生産することにしたためトラブルに

| ポルシェはそれだけのお金を「捨てて」でも、自分たちの思う通りのクルマを作りたい | そこまでしてできてくるフラッグシップEVには期待 さて、現在ポルシェはフォルクスワーゲングループに属し、一見する ...

続きを見る

ポルシェがCO2を90%削減できるガソリン代替燃料生産工場を南米に建設、2022年から量産を開始。これによってガソリン車存続の道が開けるか
ポルシェがCO2を90%削減できるガソリン代替燃料生産工場を南米に建設、2022年から量産を開始。これによってガソリン車存続の道が開けるか

| ただしこの代替燃料「eFUEL」製造には多大な電力を必要し、そのために発電を行うと結局CO2が増加するらしい | ポルシェが一般にこの燃料を販売するのかどうかもナゾ さて、ポルシェは先般より「ガソ ...

続きを見る

ポルシェ・パナメーラGTS
ポルシェが中国に研究開発施設を開設!さらにマレーシアに組立工場を設立し、ついに「東南アジアでの生産」がはじまる

| ポルシェは自社のDNAを守りつつ、しかし多様化への方向を探っているようだ | ただし、さすがにマレーシアでの生産開始にはショックを覚えざるをえない さて、ポルシェは、アジアでの存在感を高めるために ...

続きを見る

参照:WapCar

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , ,