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ポルシェがCO2を90%削減できるガソリン代替燃料生産工場を南米に建設、2022年から量産を開始。これによってガソリン車存続の道が開けるか

2021/09/13

ポルシェがCO2を90%削減できるガソリン代替燃料生産工場を南米に建設、2022年から量産を開始。これによってガソリン車存続の道が開けるか

| ただしこの代替燃料「eFUEL」製造には多大な電力を必要し、そのために発電を行うと結局CO2が増加するらしい |

ポルシェが一般にこの燃料を販売するのかどうかもナゾ

さて、ポルシェは先般より「ガソリン車を、電気自動車よりもクリーンにできる」代替燃料”eFUEL”の開発を進めていると発表していましたが、このたび実際にそのeFUELを製造するための工場を南米パタゴニア北部に建設し、操業を開始したとアナウンス。

このeFUELの普及には10年くらいかかると言われていただけに、イキナリ工場を建設し操業を開始したということには驚かされますが、このプロジェクトにはポルシェだけではなくシーメンス・エナジー社などいくつかの会社が関わっている、とのこと。

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ガソリン車のCO2排出を90%削減可能

ポルシェの発表によると、このパイロットプラントはチリのプンタス・アレナスの北側に建設され、2022年からeFuelの量産を開始し、同年には約13万リットル(34,342米ガロン)を生産する見込み。

さらに、2024年には約5,500万リットル(1,450万ガロン)、2026年には5億5,000万リットル(1億4,500万ガロン)の生産を予定しているといい、そしてこの燃料はガソリン車にそのまま使用できるうえ、CO2排出を90%抑えることができると述べています。

加えて工場そのものも風力エネルギーを利用するなど「クリーンエナジー」にて運営されており(ほぼエミッションフリー)、まずは風力エネルギーを利用して、水を水素と酸素に分解する電解槽を動かし、さらに水素は空気中のCO2と結合して合成メタノールとなり、eFuelに変換されるというプロセスをたどるようですね。

ポルシェ・マカン

ポルシェは自社のレーシングカーに2022年からeFUELを使用

ポルシェはこの燃料を、まず2022年からポルシェ・モービル1スーパーカップを走るレーシングカーの燃料として使用するそうですが、今後の販売計画については今のところ明かされていない状態です(ガソリンスタンドで販売するとなると、専用の設備が必要となるので実現性は低い)。

ただしポルシェの研究開発責任者であるミヒャエル・シュタイナー氏によれば、「ポルシェは当初、パイオニア精神に基づいて設立されました。再生可能燃料に関しても、自分たちがパイオニアであると考えており、開発を推進していきたいと考えています」とコメントしているので、この代替燃料については何らかの形で市販化されるのは間違いなさそう。

ポルシェがこの代替燃料を開発する真意については現時点では計りかねるというのが実情で、これの販売によって利益を得るのか、それとも「これまでに製造した全車の70%が現在も路上を走っている」自社のクルマを今後も存続させることが目的なのかはちょっと謎(おそらくはその両方だと思われる)。

さらにポルシェは電動化を強力に推し進める一方で「ガソリン車(新車)をできるだけ長く生き残らせたい」とも考えており、そのためのエクスキューズとして代替燃料が用いられることも考えられます。

ただしeFUELも万能ではない

ただしこのeFUELについても万能ではなく、今年5月に「Nature Climate Change」誌に掲載された論文では、水素やeFuelsの製造には大量の電力が必要であるため、(一般に)環境面ではリスクの高い技術であると主張。

この論文を発表した研究チームのメンバー、ロマン・サッキ氏はガーディアン紙に対して以下の通りコメントしており、ポルシェが量産時にも(ほぼ)ゼロエミッションを実現できるのか、もしできなければこの問題をどう解決するのかにも注目が集まります。

「私たちは現在、再生可能な電力100%には程遠い状態です。(欧州の)現在の電源構成で水素燃料を製造した場合、化石燃料を使用した場合と比較して、温室効果ガスの排出量は減少するどころか増加するでしょう」

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参照:Porsche

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