| レストアにはそれなりのコストがかかりそうだが、アウディURクワトロ・ターボには費用を投じるだけの価値がある |
なぜガレージに放置され、そしてなぜ見つかったのか詳細は語られていない
さて、欧州を中心に様々な「納屋で発見された」「ずっと放置されていた」希少車を紹介するユーチューバー、”レイト・ブレーキ・ショー”。
今回はスコットランドのガレージにて30年近く放置されていたアウディUrクワトロ・ターボ(Ur-Quattro Turbo)を紹介しています。
アウディUrクワトロ・ターボは、ポルシェ創立者であるフェルディナント・ポルシェの孫、フェルディナント・ピエヒ氏がアウディにて設計したクルマであり、はじめて乗用車にフルタイム4WDを持ち込んだクルマであること、それによってアウディ=クワトロという認識を世に植え付けたクルマとしても知られていますね。
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発見されたアウディURクワトロの保存状態は思いのほか悪くなかった
そしてこちらがアウディURクワトロ・ターボの眠るガレージ。
扉を開けるとUr クワトロ・ターボが顔を出します。
もちろん不動ではありますが、なんとかガレージから引っ張り出すことに成功。
Ur クワトロ・ターボは1980年に発売され、WRC参戦後は「4WDしか勝てない」という状況を作ることになったクルマでもあり、さらにはその後のアウディの方向性を決定づけたと言っても過言ではなく、モータースポーツ史上、そして自動車史上においても「外すことはできないエポックメイキングなクルマ」でもありますね。
なお、この個体はヘッドライト形状から判断するに1983年以降の「シリーズ2」。
ちなみに正式な車名は「アウディ・クワトロ」ですが、この「クワトロ」は後に駆動方式としてほかモデルにも広く活用されることになったため、現代ではこのモデルだと特定できるよう「Ur クワトロ」もしくは「ビッグ・クワトロ」と一般に呼ばれます。
搭載されるエンジンは2.1リッター直列5気筒、出力は200馬力、ボデイサイズは全長4,404ミリ、全幅1,725ミリ、全高1,344ミリ。
ベースは当時のアウディ80(セダン)ですが、サスペンションやブレーキはこのUr クワトロ専用品が装着されており、トレッドの拡大にあわせて前後にブリスターフェンダーが与えられるなど、その外観も独自性あふれるものとなっています。
なお、このアウディUr クワトロ・ターボの走行距離は58,083kmで、走行距離自体はさほど多くはないものの、長期間放置されていたためにボディの数カ所にサビや腐食が見られ、しかしこういった「ガレージに長期保存された」クルマにありがちな、動物の糞害が見られないのは特筆すべき点ですね。
ちなみにメーカー不明ながらも社外品のボディキットが装着され、純正オプションのアルミホイールも装着済み。
サイドのフォーリングスは「純正」です。
ガレージで発見されたアウディUr クワトロ・ターボのインテリアは「程度上々」
なお、ずっと日の当たらないところに保管されていたためか、このアウディURクワトロ・ターボのインテリアはかなり良好な状態を保っており、ダッシュボードやドアインナーパネル、センターコンソール、そしてシートの程度は良好。
シートは当時主流だった「モケット」ですね。
このアウディUr クワトロ・ターボは近年再評価され価値を上げているクルマの一台であり、この個体は比較的良好なコンディションを持つことからも「欲しい」と思う人がたくさん出てきそう。
現在Car and Classic経由にてオークションへと出品されていますが、思わぬ高値がつく可能性もありそうです。
ガレージにて30年も眠っていたアウディURクワトロを紹介する動画はこちら
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