| 新型CR-VではAピラーの位置が大きく後退し、ボンネットの長さが強調される |
押し出しも強くなり、これまでの都市的イメージからワイルドに
さて、ホンダが2023年モデルとしてフルモデルチェンジ版、6代目となる新型CR-Vを公開。
タフでありつつも洗練されたデザインを持ち、さらに進化したハイブリッドパワートレーンや上質な走りの質感を備えるといい、早くも人気化しそうな予感です。
ちなみにホンダCR-Vは、米国だとトヨタRAV4と真向からぶつかるクルマであり、しかし先代CR-Vはややファミリー路線にシフトしてしまったためにRAV4の持つワイルドな雰囲気に押されて販売面で大きく差がつくことに。
そのためか今回のフルモデルチェンジでは挽回を図るべく、相当なコストが掛けられているように思います。
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デザインは「水平」ベルトラインに
なお、ホンダはちょっと前まではヘッドライトとグリルが連結して「ウイング」形状をなすデザインを世界共通にて採用していましたが、2019年あたりから仕様地ごとに大きくデザインを変更するという戦略を採用しており、さらにはモデルごとにも異なる個性が与えられています。
よって地域やモデルによって「ホンダの顔」が大きく異なるのが現在の状況ですが、新型CR-Vについてもやはり独自の顔つきが与えられているもよう。
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ただしそれでもホンダはどこかで「ホンダらしさを示す統一感」を出したいと考えているのか、今回のCR-Vでは新型シビック同様、「横から見たときに水平のライン」が採用されることに。
ちなみにホンダはウエッジシェイプが好きな会社だと捉えていて、1990年代後半からは特にその傾向が強くなったように思いますが、それまではけっこう「水平」なデザインを採用していたことでも知られます。
たとえば1981年のアコードはこんな感じで・・・。
1992年のインスパイアはこう。
1997年発売のシビック(タイプR)だとこんな感じでウエッジシェイプが強調され、この傾向は最近まで続くものの、新型シビックではまた「水平」へと戻ることとなっているわけですね。
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そしてこの新型CR-Vについて、ボディサイズ及びディメンションが結構変わっていて、まず全長は6.9センチ、全幅は1センチ、ホイールベースは4センチ拡大。
ただし見た目の上で大きな変化を演出しているのはAピラーの付け根が12センチ後ろに移動し、7センチ拡大され、ルーフが3.5センチ低くなったこと。
つまり「ロー&ワイド」となったほか、Aピラーの位置が下がったことでボンネットが長くなり、「箱バン」的シルエットから脱したということを意味します(ボンネットが短くなればなるほどファミリーカー、商用車っぽい印象が出る。よって各社ともシャークノーズの採用や、フロントバンパー上端をボンネットと連続させることによって可能な限りフロントを長く見せている)。
そのほか外観だとグリルが大きく、ヘッドライトの存在感が強く、テールランプが縦型になるなどの変更があり、「EX、EX-L」グレードだとグロスブラックのフロントグリルメッシュにクロームトリム(ホイールは18インチ)、「SportとSport Turing」だとさらにアグレッシブな前後バンパー、角型テールパイプ、リアスポイラー、グロスブラックグリル、Sportにはブラック仕上げの18インチ、Sport Turingには19インチのホイールが装着される、とアナウンスされています。
なお、オフィシャルフォトを見ても分かる通り、アウトドアイメージが(新型CR-Vでは)強調されており、これは北米市場にてスバルのワイルドさが評価され販売を伸ばしていることから、(ホンダだけではなくマツダ、その他のメーカーもこれに追随する)”スバル・エフェクト”とも呼ばれています。
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新型ホンダCR-Vのインテリアも大きくアップデート
そして新型CR-Vのインテリアも大きく変わり、11代目の現行シビックとよく似た構成に。
ダッシュボードはスッキリと水平に、エアコン吹き出し口はハニカムメッシュの奥に隠され、そして7インチサイズのデジタルメーターを採用するものの、何もかもをデジタルではなく、ボリュームなど「直感的に、素早く」調整する必要がある部分にはアナログスイッチを使用しています(一時ホンダも他社同様にフルデジタルへと移行しつつあったが、ボリューム等は再びアナログに戻している)。
このほかグレードによって7インチもしくは9インチのインフォテイメントディスプレイ、スマートフォン用ワイヤレス充電、12スピーカー構成を持つBoseプレミアムオーディオシステムが装備される、とのこと。
公開されたオフィシャルフォトを見るに、コントラストステッチ採用など高級感も感じられ、内外装ともに大きくグレードアップしたと言えるかもしれません。
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新型ホンダCR-Vは基本性能も強化
新型ホンダCR-Vではその基本性能も大きく向上しており、プラットフォームは強化型のグローバルアーキテクチャーが採用され、これによってねじれ剛性が15%向上したほか、マクファーソンストラット式フロントサスペンションと可変レシオステアリングの改良によって「より滑らかな乗り心地と安定性を実現し、フィーリングと精度を向上させた」とも。
パワートレーンは1.5リッター4気筒ターボ(190PS)、もしくは2リッター4気筒+ハイブリッド(204PS)という選択肢があり、駆動方式はいずれも4WDです。
もちろん、トラフィックジャムアシスト、交通標識認識機能付き低速ブレーキコントロール、低速追従型アダプティブクルーズコントロール、レーンキーピングアシスト、ブラインドスポットインフォメーションを含むホンダセンシングスイート(90度広角カメラと120度ミリ波レーダーが新たに搭載されている)も搭載され、安全性にも最大限の注意が払われているようですね。
フルモデルチェンジ版 新型ホンダCR-Vのプロモーション動画はこちら
参照:Honda