| どうやらシンガー・ヴィークル・デザインは顧客のあらゆる要望に応えることができるようだ |
どんな小さな部分であってもその仕上げには手を抜かない
さて、シンガー・ヴィークル・デザインが現在加速させているのが「911DLS」の生産。
これはダイナミクス&ライトウェイト・スタディの略であり、どこまでポルシェ911のパフォーマンスを高めることができるのかという研究成果に基づいて作られるもの。
よって、これまでのメインであったクラシック路線の911レストモッドとはまったく性質が異なり、テクノロジーを駆使した設計、そしてそれを視覚化した内外装を持っています。
そこで今回公開されたのがそのシンガー・ポルシェ911DLSの最新作「クォーツ・コミッション」で、ここでその内容を見てみましょう。
シンガー・ポルシェ911DLS「クォーツ・コミッション」はこんなクルマ
このシンガー・ポルシェ911DLSに積まれるエンジンはウィリアムズ、そして長年ポルシェにてレース用エンジンの開発を手掛けてきたハンス・メツガー氏との共同開発による4リッター空冷フラットシックス。
見ての通りカーボンファイバーが多用されており、やはり他の911レストモッドシリーズとは一線を画しています(ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのプレートが装着されている)。
なお、エンジン単体、そして吸気システム(ラムエア効果を狙っている)はこういった形状を持ち・・・。
吸気は718ケイマンGT4RS同様にリアサイドウインドウ、つまり耳元から行います(つまりはとんでもない吸気サウンドを聞くことができる)。
カーブガラスは芸術品のような美しい仕上がりを持つことがわかりますね。
バルブには航空機グレードのチタンが使用され、もちろんギリギリまで軽量化。
摩擦を減らすため、バルブにはフィジカル・ヴェイパー・デポジション (PVD)と呼ばれるプロセスを使用しての(数ミクロン厚の)コーティングが施されます。
このシンガー・ポルシェ911 DLSのボディカラーは「ツイードグレー」、そして前後バンパーとボディサイドにはライトグレーのゴーストストライプ入り、そしてサイドにはパララックスホワイトにて「PORSCHE」文字。
フロントフード中央にはガソリン給油口があり、右リアフェンダーにはオイルキャップ。
これらとドアハンドル、そしてホイールのディスク部はシャンパンゴールド(マット)に彩られます。
ホイールはフックススタイルの軽量マグネシウム製、そしてセンターロック(ブレーキシステムはオーダーメイドのブレンボアルミキャリパーとCCM-Rカーボンセラミックディスク)。
タイヤはミシュラン パイロットスポーツカップ2。
こちらはフロントストラットですが、ほぼ完全に「作り直されている」と考えて良さそう。
同じくサスアーム、ハブ、ナックルにもオリジナル品が使用されています。
リアスポイラーはダックテール、そしてリアデッキの「PORSCHE」文字は立体そしてグロスブラック仕上げを持つようですね。
ちなみにルーフからリアウインドウにかけては「エアトンネル」が設けられます。
スポイラーに設けられたダクトには「Singer REIMAGINED」のバッジ。
なお、この車両ではグリル類にハニカムメッシュを用いています。
ヘッドライトべゼルやウインドウモールは「ブラック」。
シンガー・ポルシェ911 DLS クォーツ・コミッションはこんなインテリアを持っている
シンガー・ポルシェ911 DLS クォーツ・コミッションに採用されるインテリアカラーは「ホワイトペブルとスモークピラー」。
これまでに見られたどのシンガー製911にも見られないユニークな仕様を持っているように思われます。
軽量カーボンファイバーシートの表皮はホワイトペブル、シートセンターにはオーダーメイドの編み込み皮革を採用し、シャンパン仕上げのグロメットが装着済み。※シフトノブの後ろにあるのはドライブモードのセレクター
編み込みには2色の異なるレザーが使用され、ひとつは「バーナーで表面を炙った」ような仕上げを持つところが面白い、と思います。
「スモークピラー」はシートのパイピング、シフトノブ(中央にはメープル材がはめ込まれている)、ステアリングホイール、ダッシュボード、ドアインナーパネル、アームレスト、パーキングブレーキレバー等に使用。
このスモークピラーは「エイの革」のようなテクスチャを持っているもよう。
Aピラー内側にはツイーターが埋め込まれ、ドアインナーパネル含め各部にはシャンパンゴールドのトリムが採用されるなど、高級感の演出も見られます。
サイドシルには「QUARTZ」の文字。
リアコンパートメントにもスモークピラー、そしてロールバーにはブラックレザーが貼られます。
下部にはサブウーファーが埋め込まれ、シュロス製シートベルト、そしてパッチはインテリアカラーにマッチしたカラーリング。
タコメーターの文字盤は高級腕時計のような「アプライドインデックス」。
このあたり、実際に腕時計を作っているシンガー・ヴィークル・デザインならではの仕様だと言えるかもしれませんね。
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