｜ 新型レクサスTXは北米の需要を考慮し、北米企画で生まれた「ファミリー」レクサス ｜
そのコンセプト、装備はなかなかにユニークなものとなっている
さて、レクサスが新型LBX、そしてフルモデルチェンジ版のGXに続き、ブランニューモデルの「TX」を発表。
このTXは「3列シート」を備えるSUVですが、トピックとしては「全てのシートがベスト」であり、3列目が狭かったり快適性が損なわれることが無いよう配慮がなされているということで、レクサスいわく「これまでのようにシート争奪戦が車内で起きない」というユニークなコンセプトを持っています。
ここでまずその概要を述べてみると以下の通り。
新型レクサスTXの概要
- 広々とした3列目のレッグルームと、3列目後方にはゆとりのある荷室スペース
- パワフルなV6エンジンと組み合わせたプラグインハイブリッド、F SPORT Performance専用の高性能2.4Lターボチャージャー付きハイブリッドの2つの電動パワートレインを用意
- レクサス・ドライビング・シグネチャーの強化により、スムーズで爽快なドライビングを実現
- レクサス車として初めてインディアナ州トヨタ自動車工場で組み立てを実施
- Lexus Safety System+ 3.0とLexus Interface Multimedia System（14インチタッチスクリーン）を標準装備
- 空力的なハンドリングと車両の安定性を優先した新デザイン「Lexus Unified Spindle」を採用
新型レクサスTXはこんなクルマ
この新型レクサスTXについて見てみると、そもそもの開発のきっかけは「3列シートSUVの需要が高まる中、多様化するお客様のニーズを満たすラグジュアリーなクルマを提供するため」。
そしてレクサスは「最高の座席を求めるのは人間です。そして、すべての席を最高の席にするのはレクサスだけです」と自信を見せており、さらに「これは、私たちのブランドにとって極めて重要な瞬間であり、乗員一人ひとりにエレガントで贅沢な異動体験を提供するものです。TXは、すべての列で快適性を優先し、電動化、テクノロジー、パフォーマンス、デザインに対する我々の揺るぎないコミットメントを体現しています」とも。
現在アメリカでは3列シートSUVの需要が急速に高まっており（そのためドイツの各ブランドもこれに対応中）、レクサスとしては「満席時でも快適で静かな車内空間や余裕ある走行性、広々としたラゲッジルームの提供」をTX開発時の要件として掲げたそうですが、さらにこのTXは、トヨタモーターマニュファクチャリングのインディアナ工場（TMMI）にて組み立てられる最初のレクサス車となり、それだけ現地では「快適に乗員全てが移動できる」という需要が高かった（そこまでしてもこのTXを導入したかった）ということがわかります。
スタイリングに関して見てみると、レクサスTXでは、「3列シートSUV」という独自のシルエットを追求しつつ、レクサスが現在持つデザイン言語を維持し、その上で目を引くユニークなデザイン要素を追加しています。
まず、デザイン過程においては空力性能に重点が置かれ、その結果として効率性と操縦安定性が向上しただけでなく、レクサス初期のデザイン言語を取り入れながらも新しいレクサス「ユニファイドスピンドル」の誕生へと繋げています。
このユニファイドスピンドルは、先日発表されたレクサスLBXはにも採用されたもので、ヘッドライトは、ボンネットの前縁の下を通る狭い開口部でつながっており、その下には低く設定されたグリルがシームレスなスピンドル形状を形成することに。
この流麗なフロントエンドは、空力的なハンドリングを向上させるために設計され、質量感と冷却性能の両方を提供する、と紹介されています。
新型レクサスTXに用意されるグレードは「スタンダード」「プレミアム」「ラグジュアリー」「F SPORT Performance」の4つで、スタンダード、プレミアム、ラグジュアリーに採用されるのは20インチホイールで、「500h F SPORT Performance」には、なんと専用デザインの22インチホイールが装着されることに。
「7人乗りSUV」にFスポーツ、そして22インチホイールというのはミスマッチのように思えなくもないですが、もしかすると「7人乗りSUVしか選択できない環境にあり」しかしスポーツカーに憧れるパパに向けた選択肢なのかもしれません（調査によって、そういった要望がけっこうある、という結論に至ったのかも）。
リアにはおなじみのLEDライトバーが装着され、レクサスらしさを演出していますね。
なお、このTXに採用されるプラットフォームは「低重心で最適な重量配分を実現する」GA-K。
ただし3列シートSUVとしての性能と快適性を向上させるためにTXのボディ剛性を強化し、騒音、振動、ハーシュネスを最小限に抑えるための改良が施され、それによってレクサスらしい上質な乗り味、そしてスムーズなドライブフィールを実現しています。
具体的には、シャシーの主要骨格部品に溶接や接着剤を盛り込んで車両の接合強度や剛性を高めたほか、ステアリングシステムやリアセクションの強化も図っており、さらに、リマルチリンクサスペンションの採用や前後トラック（トレッド）の拡大など、タイヤと路面の一体感、正確なステアリング、確実なブレーキフィーリングなど、ドライバーにとって魅力的な体験を提供するための改良を加えています。
新型レクサスTXには3種類のパワートレインが用意され、レクサス初の3.5L V6プラグインハイブリッド、そして高性能2.4Lターボチャージャーハイブリッドという2つの電動ユニットに加え、レスポンスに優れる2.4L直列4気筒ターボエンジンという3種類。
なお、2.4LターボチャージャーハイブリッドはF SPORT Performance専用となるそうですが、DIRECT4とダイナミック・リア・ステアリング（DRS）を組み合わせ、応答性の高い操縦性と車両の安定性を高めている、とのこと。
ボディカラーについては、グレードにもよるものの、 クラウドバーストグレー、ウィンドチル・パール、キャビア、マタドールレッドマイカ、ナイトフォールマイカ、インコグニート、セレスティアルシルバーメタリックの7色が用意されています。
新型レクサスTXのインテリアはこうなっている
新型レクサスTXのインテリアでは、「ドライバーにフォーカスしたコックピットデザイン」と「12.3マルチインフォメーションディスプレイ」が大きな特徴として紹介され、そのほかの機能としては「デジタルラッチに触れるだけでドアを開けることができる」という便利な装備のほか、Apple CarPlayとAndroid Autoとの連携、14インチのマルチメディアタッチスクリーンディスプレイ、21スピーカーのマークレビンソン プレミアムサラウンドサウンドシステムが標準にて装着されるというので、内容としてはかなり豪華だと言えそうです。
そしてこのレクサスTXでは「すべての乗員が快適で便利な旅を体験できる」ということを重視しており、すべての列にユーティリティとユーザビリティが用意され、全列にアクセス可能な収納が設置されるほか、車内には7つの充電・通信ポートと3つの電源コンセントがあり、旅先でもスマートフォンやタブレットを利用することが可能です。
加えて、様々なサイズのカップやボトルを収納できるカップホルダーは取り外し可能だとされ、車外でも利用することができるようですね。
こういった様々な配慮は日本国内のクルマ（とくにコンパクトカーやミニバン）特有かと認識していましたが、今や世界中でも同様の快適性や利便性が重視されているのだということもわかり、そしてこれらはレクサスの得意分野であるとも考えられ、現地ではけっこう人気が出るのかも。
加えてレクサスは「目的地までの移動手段を提供するだけではありません。TXは、目的地までの移動手段を提供するだけでなく、旅そのものを楽しむために、静粛性の高いキャビンを実現しています。TXは、ドアやルーフのマスチックシールの高減衰化、リアカーゴとフロア下のサイレンサー素材の増加などにより、リアシートの騒音振動を和らげることができるようになっています」ともコメントしており、家族としては「一度乗ると、ほかの選択肢が目に入らなくなる」というたぐいのクルマなのかもしれません。
新型レクサスTXのプロモーション動画はこちら
参照：LEXUS