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ヒョンデの水素自動車「ツーソンFCEVが壊れた」オーナーが修理に持ち込む→修理見積もり額が1650万円だったとして話題に。そのコストの大部分は「燃料電池」

2023/08/15

ヒョンデの水素自動車「ツーソンFCEVが壊れた」オーナーが修理に持ち込む→修理見積もり額が1650万円だったとして話題に。そのコストの大部分は「燃料電池」

| 新技術を搭載した「試験販売車」は色々な意味でちょっと怖い |

さすがにヒョンデも「これはあんまり」として解決策を模索中

さて、EVの修理費用がガソリン車に比較して高額になりがちだとはよく報じられますが、今回はヒョンデの水素自動車「ツーソンFCEV(ix35)」の修理代金に103,764ユーロ(現在の為替レートにて1650万円)も請求されたという報道がなされています。※画像はツーソン後継モデルのネッソ

このツーソンのオーナーはドイツのバート・ホンブルク市に住む実業家、ティル・ウェストベルク氏だといい、2016年にトヨタ・プリウス(プラグインハイブリッド版)からの買い替えとしてこのツーソンFCEVを新車にて購入しています(当時の購入金額は50,200ユーロ(現在の為替レートにて797万円)。

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その後7年間、ヒョンデ・ツーソンFCEVは問題なく走行したが

そしてこのオーナーさんはその後7年の間に約84,000kmを走行したそうですが、「水素をチャージするのに114kmも走行してステーションに行かなければならなかったものの」、ティル・ウェストベルク氏はツーソンFCEVの鋭い加速、静かな走り、450~500kmという航続距離に非常に満足していたとも報じられています。

ただし7年を経過したのち、このツーソンFCEVは何の前触れもなく突如動かなくなり、始動しようとするたびに画面にエラーメッセージが表示されるようになったのだそう。

ティル・ウェストベルク氏はこのツーソンFCEVを修理しようとヒョンデに持ち込みますが、ほどなくして出てきた見積もりが驚愕の1650万円ということになり、これは797万円にて購入したクルマの修理費用としては「あまりに高すぎる金額」です。

なぜヒョンデ・ツーソンFCEVの修理費用はこんなに高いのか

そこで気になるのが「なぜ、このヒョンデ・ツーソンFCEVの修理コストがここまで高いのか」。

この修理費用である103,764ユーロの内訳を見ると、そのうち84,875ユーロぶんが「燃料電池」となっており、この極めて高額な費用は「ツーソンFCEVが高価な技術を採用した限定生産車であり、スペアパーツの入手が非常に限られていること」に起因しているのだそう。

この場合の「限定」については、希少性を煽るという意図ではなく、新しい技術を使用したクルマであるために「大量に販売するとなにかあったときに困るから販売を絞る(データを種畜できる最小の台数に制限する)」という理由からなのだと思われますが、そういった意味では「新技術を搭載した限定モデル(ホンダeやマツダMX-30 EVモデルなど)」の存在がちょっと怖くもなってきますね。

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そしてもちろん、この7年落ちのツーソンFCEVにここまでの大金を注ぎ込んで修理することはないと考えてよく、よって今回のツーソンFCEVはあえなく「廃車」になるのだと思われますが、この意味では「本来はエコカーであるのに、寿命が短いためにエコではなくなっている」というちょっとした矛盾を生じさせているということに。

ちなみにティル・ウェストベルク氏はこの見積もり、そして7年でツーソンFCEVが寿命を迎えたことについては満足しておらず、ヒョンデになんらかの対応を依頼しているとも報じられ、ヒョンデ側も「さすがにこの修理代金や内容は合理的ではない」として代替案を模索していることもあわせて報じられています。

なお、上述の通り、このツーソンFCEVの後継モデルが「ネッソ」であり、ネッソはツーソンFCEVとは異なる「(通常販売される)カタログモデル」。

つまりネッソはツーソンFCEVから収集したデータによって信頼性が高められているということになりそうですが、ネッソの場合は「10年、5,000時間」は問題なく稼働するように設計されており、燃料電池の価格も41,650ユーロに抑えられているのだそう(それでも非常に高価である)。

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参照:AutoBild

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