｜ ここまで「ホワイトの」ポルシェばかりを集めるにはさぞ苦労したことだろう ｜
なぜここまで収集したコレクションを手放すのか、その理由については明かされていない
さて、先日は「すべて内外装がオレンジにカスタムされたアストンマーティン8台」がオークションに登場するとお伝えしましたが、今回はホワイトのポルシェばかりが56台競売に登場するという驚くべき案件が登場しています。
これらは一人のオーナーによって所有されており「ザ・ホワイトコレクション」と命名されていますが、テキサスにて開催されるオークションに出品されるとのことなので、その近くに所蔵されているものと思われます（少しづつ競売にて処分されているようで、オーナーが高齢なのかもしれない）。
なお、一部例外はあるものの、ホワイトの他に見られるカラーはインテリアのブラックやブルーにタン、RSモデルで特徴的なレッドのアクセントやホイールなど。
しかしいずれも「ボディカラーがホワイト（もしくはそれに近い色）にペイントされている」というところが共通しています。※基本的に再ペイントではなく、オリジナルカラーがホワイトの個体を集めている
-
-
内外装オレンジにカスタムされたアストンマーティンが8台も一気に競売へと出品。すべて同じ仕様を持ち新車コンディション、わずか2年の間に納車される
｜ やはり世の中には想像を遥かに超えたコレクターが存在する ｜ この他にも所有しているクルマがオレンジなのかどうか気になって仕方がない さて、世の中には様々なカーコレクターがおり、「そのブランドのヘリ ...
続きを見る
「ザ・ホワイトコレクション」から出品されるポルシェの一部を見てみよう
そこでこの「ザ・ホワイトコレクション」経由にて売りに出される56台のポルシェから一部をピックアップして見てみたいと思いますが、ポルシェ製トラクターのほかにもポルシェの記念グッズも多数出品されており、非常に見応えのある内容に。
1963年 ポルシェ 356 B カレラ 2 2000 GS クーペ（ロイター製）
この1963年式356 Bカレラ2 GSクーペは生産わずか278台のうちの1台で、1962年後半に製造され、ロサンゼルスのポルシェディーラー、コンペティション・モーターズから現地のオーナーへと販売されています。
アイボリーにブルーという趣味の良いカラーで仕上げられ、カリフォルニア在住のオーナーがしばらく所有した後、ニュージャージーのコレクターへと売却されたとのこと。
2015年にこのホワイトコレクションへと加入しており、予想落札価格は最高で750,000ドル（現在の為替レートで約1億1700万円）。
-
-
ポルシェがル・マン初優勝を記録した356が発見され、ふたたびル・マンを訪れる。かつては歴史の表舞台から消え、すでにどこかで廃車になったものと思われていたが
｜ この個体はルーフをカットされレッドにペイントされるなどして「別の車両」として路上を走っていたが ｜ 偶然イベントにてマニアの目に止まり、検証と復元作業が開始される さて、ポルシェはル・マン24時間 ...
続きを見る
1973年 ポルシェ 911 カレラ RS 2.7 ライトウェイト
すべての911モデルの中でもっともコレクターが欲しがるというのが1973年型911カレラRS 2.7、通称ナナサンカレラ。
しかもこの個体は人気の高いライトウェイト仕様（生産わずか200台）、そしてこのモデルは希少な米国仕様車で、マッチングナンバーのタイプ911/83マグネシウムクランクケースエンジンと5速トランスミッションを保持しています（つまりオリジナル性が非常に高い）。
車両には当時の注文書が残っており、それによると、ヒーター付きリアウィンドウ、3点式シートベルトが装着されるほか、200ポンド（90KG）の軽量化が施されるスポーツパッケージが指定されています。
なお、もともとはホワイトであったものの、どこかの段階で他のオーナーがブルーにペイントしてしまい、しかし現在は工場出荷時の状態に戻されているのだそう。。
予想落札価格は最高で200万ドル（現在の為替レートで約3億円）というエスティメイトが出されています。
-
-
ポルシェが911カレラRS 2.7（ナナサンカレラ）50周年を記念しRSモデルを振り返る！ワルター・ロールによる熱いトークはちょっとした見ものだ【動画】
｜ この「最初の」RSモデルであるナナサンカレラはのちのポルシェの方向性、そしてイメージをある意味で決定づけたと言っていい ｜ こういったモデルの歴史を振り返ると、過去の「資産」がいかに自動車メーカー ...
続きを見る
1993年 ポルシェ911カレラRSR 3.8
この1993年式911カレラRSR 3.8（964）はまさに”ユニコーン”であり（めったにお目にかかれないシロモノのたとえ）、おそらく全コレクションの中でも最もエクスクルーシブな1台。
911カレラRSRはポルシェ・モータースポーツによって製造され、51台が生産されたレース仕様車の最後の1台であり、公道走行可能なスペック "シュトラッセン・バージョン "モデル2台のうちの1台という、特別中の特別な1台です。
ポルシェのVIPが新車でオーダーし、1996年に英国で納車されたという経歴を持ちますが、カンカンレッドとグランプリホワイトで縁取られたフルレザーインテリア、ツインイグニッションの "ル・マン "3.8リッターエンジン、パッセンジャーシート、ゴールドブレーキキャリパー、ロッキングリアディファレンシャルといったオプションが装着されており、2015年に現在のオーナーが取得しコレクションに加えた、とのこと。
予想落札価格は250万ドル（約3億7300万円）だと算出されているものの、「2台しか存在しないクルマのうちの1台」ということを鑑みるに、もっと高い価格で売れるかもしれません。
-
-
ポルシェが「RSモデル50周年」にあわせ自社ミュージアムにて特別展示「スピリット・オブ・カレラRS」を開始。レーシングモデルや貴重なプロトタイプも
｜ 当のポルシェもまさか50年前にはここまでRSモデルが人気を博すとは考えていなかっただろう ｜ 今となってはある意味でポルシェの「顔」でもある さて、ポルシェは911 GT3 RSの最新モデルを発表 ...
続きを見る
1994年 ポルシェ911ターボS X85「フラットノーズ」
911カレラRSR 3.8同様にレアなのがこの911ターボS 'X85'（964）。
この個体には希少な「フラットノーズ」オプションが装着され、そのオプション価格はなんと60,000ドル（約900万円）。
電動スライディング・サンルーフ、ヒーター付きレザーシート、ベロアフロアマットに加え、ダッシュボード、パーキングブレーキ、シフトレバーにはライトルートウッドによるインレイが施されるなど、ポルシェ独自のエクスクルーシブな装備も多数見られます。
インテリアはカシミアベージュ、ボディカラーはグランプリホワイト、ホイールはポリッシュ仕上げの18インチRSカップ。
予想落札価格は最高で200万ドル（約3億円）。
-
-
存在するのはわずか37台！964世代のポルシェ911ターボS「フラットノーズ」が競売に。なおスピードイエローの個体は世界にこの一台だけ
｜ フラットノーズのオプション価格は車両本体価格の60％にも達したという ｜ 現代の911においても「フラットノーズを復活させて欲しい」と思うのはボクだけではないはずだ さて、ポルシェ911の歴史の中 ...
続きを見る
1997年 ポルシェ 911 GT2
この1997年型911 GT2（993）もまた当コレクションの中でも特別に希少なポルシェであり、この個体は日本向けに出荷された17台（世界では194台）のうちの1台。
993世代の911 GT2は、ポルシェがGT2カテゴリの要件を満たすためのホモロゲーション・スペシャルとして製作されており、911史上最高の1台とも考えられています。
430馬力を発生するターボチャージャー付き3.6リッターエンジンを搭載し、トランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ。
この個体にはオプションとしてパワーステアリング、エアコン、ラジオが装備され、日常性を獲得しているのも特筆すべき点です。
ディカラーはグレイシャー・ホワイト（青白い白）で、2009年に日本からドイツへと輸出され、その後イタリアに渡っていますが、2016年にホワイト・コレクションが入手し、レストアを施しています。
予想落札価格は最高で220万ドル（約3億2800万円）。
2015年 ポルシェ918スパイダー「ヴァイザッハ・パッケージ」
このポルシェ918スパイダーには、ヴァイザッハ・パッケージに加え、ポルシェのパーソナリゼーション部門であるエクスクルーシブ・マヌファクトゥアによる96,000ドルぶんのオプションが装着されており、そして驚くべきは走行わずか12マイル（19キロ）ということ。
なお、この個体はホワイトコレクションが新車で購入したもので、外装はペイント・トゥ・サンプル（カスタムカラー）のグランプリホワイト、内装がレザー・トゥ・サンプルのヨッティングブルー。
オプションのヴァイザッハ・パフォーマンス・パッケージには、センターロック・ホイールナット付きマグネシウム・ホイール、カーボンファイバー製パーツなどが含まれます。
そのほかはカスタム仕様のマット・カーボンファイバー・インテリア、インテリアのいたるところに貼り込まれたヨッティングブルーブルーレザーが印象的ですが、シートベルトのカラーも特注のヨッティングブルー。
あまりに多数の、そして高度なカスタムを施したため、ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥアがこのオーナーに対し「これらオプションの内容は公開しないでください。我々ポルシェは、このオプションを何度も再現するだけの能力がないため、この個体の他に提供したくないのです」と記したメールも添付されるのだそう。
予想落札価格は最高で300万ドル（約4億5000万円）という超高額エスティメイトが出ています。
その他にはこんな「ホワイト」のポルシェもオークションに供される
上の5台に加え、ホワイト・コレクションには、ヴァイザッハ・パッケージを装備した2019年式911GT2 RS、2016年式991 R、2010年の911スポーツ・クラシック（これはホワイトではなく薄いグレー、2011年式911スピードスター、1978年式911 SCマティーニ・チャンピオンシップ・エディション、1977年式924マティーニ・チャンピオンシップ・エディション（ホワイトコレクションに収まるポルシェは911だけではない）、1965年式356 C 1600 SCクーペ、そしてメモラビリア（グッズ）としては918スパイダーにインスパイアされたラウンジチェア、スキー、そり、スケートボード、ディーラーサンプルキット、、ディーラーのディスプレイボードや看板、自転車、書籍、印刷物、ポスター、ブリーフケース、ゴルフクラブ、ラケット、テディベアなど、ポルシェにまつわる様々なものが同時に出品されることとなっています。
あわせて読みたい、ポルシェ関連投稿
-
-
ポルシェが「未公開コンセプト」一挙公開！タイカンは当初、918スパイダーの4ドア版として考えられていた
｜ ポルシェ960ツーリスモは偶然から生み出され、「タイカン」となった ｜ さて、ポルシェが次々発表している「市販されなかったコンセプトカーたち」。これまでにも様々なコンセプトカーが公開されていますが ...
続きを見る
-
-
【動画】「もしポルシェが993をそのまま進化させたら」という設定の911レストモッド、"400R"。なんとマクラーレンP1、ポルシェ918スパイダーに比肩するタイムを記録する
｜ いかに軽量といえどこのタイムはにわかには信じがたい ｜ 空冷ポルシェのレストモッドというとジンガー・ビークル・デザインがよく知られるところですが、2017年に発表され、2019年にデリバリーが開始 ...
続きを見る
-
-
存在するのはわずか6台、ザガートがカスタムしたポルシェ・カレラGT「カレラGTZ」が競売に。改装にかかったコストは外装だけで6000万円オーバー
｜ ザガート・ポルシェ・カレラGTZの6台のうち1台はプロトタイプ、ユーザーに渡ったのは5台のみ ｜ このカレラGTZは唯一ザガートによってカスタムされた内装を持つ個体 さて、この数年でもっとも価値を ...
続きを見る
参照：RM Sotheby's