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アストンマーティンがハイパーカー第二弾「ヴァルハラ」の最新画像を公開。当初とはずいぶん変わった姿になってしまったが、これが「アストンのあるべき姿」を示しているのかも

2023/12/22

アストンマーティンがハイパーカー第二弾「ヴァルハラ」の最新画像を公開。当初とはずいぶん変わった姿になってしまったが、これが「アストンのあるべき姿」を示しているのかも

| 紆余曲折はあったものの、現在のアストンマーティンは過去にないほど強固なストロングポイントを手に入れたと考えていいだろう |

まだまだ完全再生には時間がかかりそうだが、その進むべき方向は明確である

さて、アストンマーティンが「第二の(公道走行可能な)ミドシップハイパーカー」、ヴァルハラの新しいプロトタイプ画像を公開。

ヴァルハラは「ヴァルキリーの弟分」として企画され、ミドシップ化されるヴァンキッシュとともに「ミドシップ三兄弟」を構成するはずではあったものの、最近の報道では「ミドシップ版ヴァンキッシュの計画は凍結された」とのことなので、アストンマーティンが市販する「たった二車種のみのロードリーガルな」ミドシップスポーツのうちの一台ということになりそうです。

加えて、(新しい経営体制となった)アストンマーティンは、ヴァルキリーともども「これほどまでにお金のかかるプロジェクトはもう二度と陽の目を見ることはない」と断じており、よって同社の歴史の中において「(ヴァルキリー、ヴァルハラは)非常に珍しい」存在になると考えて良いのかもしれません。

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ヴァルハラの企画が持ち上がったのは2019年

なお、このヴァルハラにつき、AM-RB003というコードネームにて2019年に公表されたのがその発端となっていて、当初は150万ドル、500台限定という触れ込みでデビューしています。

しかしながらその後「注文が殺到したため」生産台数が999台に引き上げられていますが、これは(希少性を担保するため)生産台数を増加させなかったヴァルキリーの「代わり」に利益を稼ぐための手段であったのだと思われます(当時のアストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏はヴァルキリーに関し「限定数量があまりに少なすぎ、市場の反応を見る限りでは5倍くらい生産しても余裕で売れていただろう」とコメントしている)。

Astonmartin-Valhalla (4)

当初の予定だと、搭載されるエンジンにはヴァルキリーのV12に対して「V6ターボ+KERS」を採用し、そして実際にエンジンについてはほぼ完成状態のところまで開発が進んでいたものの、現在の(ローレンス・ストロール氏による)経営体制となった後にこのV6エンジン計画はキャンセルされ、かわりに(資本関係を強化した)メルセデスAMG製のフラットプレーンクランクV8ツインターボエンジンを搭載するという方向性へとシフトすることに(このエンジンに3モーターを組み合わせ、約1,000馬力を発生する予定)。

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このほか、新体制の下では「レッドブルとの提携解消」「ラゴンダ計画の凍結」「ミドシップ版ヴァンキッシュ」などいくつかのプロジェクトをキャンセルするものの、「サント・アサンの新工場」「ヴァルハラ」についてはもうストップできないところまで話が進んでいて、よってこれらは形を変えつつ継続されているというのが現在の状況です。

そして今回公開されたヴァルハラのプロトタイプを見るに、当初予定していたヴァルハラ(下の画像)とは大きくその姿が変わっていて、2019年から今までに起きた様々な変化、そしてその大きさを実感させられますが、今回始めてそのDRS含むアクティブエアロが公開されています。

ヴァルハラ

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アストンマーティンは「F1」により近く

なお、新体制下でのアストンマーティンには、市販車のみではなくモータースポーツにおいても大きな変化がもたらされており、その最たる例が「F1との接近」。

もともとローレンス・ストロール氏(当時はレーシング・ポイントを所有)がモータースポーツに深く関与していた人物ということもあり、アストンマーティンの事実上の経営者となった後、同氏はレーシングポイントをアストンマーティンのファクトリーチームへと変化させ、さらには「これまではメルセデスAMGのみが担当していた」セーフティカーとメディカルカーについても(メルセデスAMGの意向もあり)AMGと半々にて担当することとなっています。

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実際のところ、この「F1との接近」はアストンマーティンに大きな利益をもたらしており、よって今後もその距離をどんどん短縮する意向を示していますが、市販車においてもF1をイメージした特別仕様車を投入したり、カーコンフィギュレーター内の風景にF1のピットを再現してみたりといった手法を取り入れていて、さらには新型車の開発についてもF1を参考にすること、そして自社の強みのひとつを「F1」であると再定義するなどブランディングにも大きな変化が生じているわけですね。

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アストンマーティン「F1のペースカーに採用されてから売上が最大で8000万ドル(110億円)増えた。最初は効果があるか疑問だったが、今は実感できる」
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この「市販車に対するF1の影響」はさらに大きくなるものと見え、実際にこのヴァルハラについてもF1同様の思想と設備をもって開発されているといい、実際にF1ドライバー(フェルナンド・アロンソとランス・ストロール)がヴァルハラの開発に参加していることも明確にされています。

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つまり現在のアストンマーティンは「非常に明確で、排他性を持つ」強さを獲得し、それを十二分に活かした活動を行っていると考えてよく、そしてそれをもっとも色濃く反映したのがこのヴァルハラなのかもしれません。

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参照:Astonmartin

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