| BMWほどデザイン的に様々なチャレンジを行う自動車メーカーも珍しい |
流行にとらわれることなく、自ら流行を作ろうという意思、そして作った流行を上書きしようという信念が垣間見られる
さて、BMWが新型M5発表に向けての準備を進めており、インスタグラムそしてYouTubeへと公式ティーザー画像を公開。
これらの内容は微妙に異なるものの、それぞれで新型M5のフロント部のデザインを確認でき、そのデザインが新世代へと移行することを伺わせます。
動画を見る限りだと、キドニーグリルはM3やM4のような「バーチカル」ではなく横長、しかしグリルフレームがかなり肉厚となっており、ルーバーは近年のMモデル特有の「横方向」、そしてフロントバンパーは「ハの字」形状を持ち、両サイドがブラックのセンター部を覆い隠すようにデザインされていることがわかり、全体的には「5シリーズ」の性格を尊重したということなのか「さほど攻撃的ではない」ようにも見えますね。
BMWは「脱金太郎飴」をいちはやくジャーマンスリーのなかで成し遂げている
なお、BMWはかつて「金太郎飴」と言われるほど各シリーズ間で似通ったデザインを採用していたものの、最近では各シリーズ間でのデザイン的差別化を図っていて、これは(BMWのデザイナー、ドマゴイ・デュケック氏いわく)それぞれのシリーズにて顧客層を分けているため。
全体的に「2」という数字が与えられるモデルは革新的なデザインを取り入れ、3と5はより幅広い客層を狙ってやや普通に、そして4と7は「尖った」自己主張の強い意識高めな人を狙っているといい、さらに突っ込んで言うなれば「3と5は80%の人々に好かれるデザインを、4と7は80%に嫌われても20%の人々にだけ受ければいいデザインを」採用しているわけですね。
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ただ、「M」モデルに関しては少し事情が変わっていて、それは「パフォーマンス」という要素を加味する必要があるから。
よって「3」という数字がついたとしても、M3は「クーリングとエアロダイナミクスを考慮して」バーチカルキドニーを採用しているという事情も存在します。
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しかしながら「M」モデルでもお互いが侵食しないようにデザイン的な差別化が与えられ、M2はこれまた(今までのBMWにはない)斬新なキドニーグリルフレームレスというデザインを持っており、そして今回のM5についてはまたM2ともM3/M4とも異なるデザインを用いることでまた異なるポジションを獲得しようという意図も。
今回の新型M5において興味深いのは、カーボンファイバーの代わりにオシャレはシルバーが用いられていることで、これは「M」としては新しい要素だとも考えられ、そしてそれは「プラグインハイブリッドパワートレーンを採用する史上初のM5」であることを強調したいのかもしれません。
あるいは、「CS」がひとつのサブブランド化されたことにより、通常の「M」ではこれまで以上にマイルドな性質を与え、一方のCSにはスパルタンなキャラクターを付与することで、「Mモデルの間」でも差別化を行う戦略を採用してゆくのだとも考えられます。
なお、このパワートレーンはXMと同様だと目されますが、その出力はXMをやや(政治的な配慮からか)やや下回り、700馬力を少し超えるくらいになるのでは、ともウワサされています(それでも史上最強のM5である)。
現時点ではまだ新型M5の発表日など公開されていない状況ですが、BMWは先日の「新型(フェイスリフト版)M3/M4」においても新しい要素を取り入れているだけに、最新のM5にも大きな期待がかかりますね。
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参照:BMW