| たしかにメルセデス・ベンツEQCは「登場したときから誰も話題にしていなかった」 |
それが「EVだからなのか」「デザインのせいなのか」は不明である
さて、メルセデス・ベンツは電気自動車ラインアップとして「EQ」シリーズを展開していますが、現在「EQA」「EQB」「EQC」「EQE / EQE SUV」「EQS / EQS SUV」という構成を持っています。
そして今回報じられているのが「EQCは1年前に生産が終了していたのに誰も気づかなかった」という事実であり、つまりはそれだけ売れていなかったということなのだと思われます。※メルセデス・ベンツ日本の公式サイトには一応掲載がなされている
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正直、誰も反応しないと思われるメルセデス・ベンツの新型EV、「EQC」登場
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もともとメルセデス・ベンツEQCは2023年5月に生産が終了する予定だったようだ
報道によれば、メルセデス・ベンツの国際EQ製品コミュニケーション担当、ヤン・ウェーバー氏が米国カーメディアに対し、正式に「EQCが2023年第2四半期に製造中止になった」という確認を行っており、それに先駆ける2022年7月にはビジネスインサイダーが「EQCは2023年5月に製造を終える」とも報じていたそうなので、今回の製造終了は”予定通り”ということになりそうです。
そして世界レベルにおいてEQCが「1年も前に生産が終了していたこと」に誰も気づかなかったという事実は驚きとしか言いようがなく、発表されなかった時にほとんど注目されなかったのと同様、その退場時にも誰にも気づかれなかったという悲運のクルマなのかもしれません。
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【動画】メルセデス・ベンツ初の量産EV、”EQC”を見てきた!思っていたよりもシャープでスタイリッシュだった
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新型EQCは新しいプラットフォームにてリニューアル
なお、いったんEQCの生産は終了したといえど、その名称は次世代モデルに引き継がれるとも報じられ、旧EQCが(EQAとEQB同様に)内燃機関プラットフォームを使用していたのとは異なり、新型EQCはEVメインに設計された「モジュラー メルセデス アーキテクチャ(MMA)」を使用し、Cクラスセダンのエレクトリックバージョンとして登場することとなるもよう。
よって、セダンとしてのEQCが投入され、このSUV版として「EQC SUV」が追加されることとなりそうですが、これはEQE / EQSと同じ手法でもあり、先代EQCとは異なるポジションに置かれることとなるのかも。
加えて、販売不振の「球根のような」デザインも廃止されると言われていて、これは先日フェイスリフトを受けたEQSのデザインが「ガソリン車に近くなった」ことからも理解でき、新型EQCは文字通りの「Cクラスの電動版」として位置づけられることも考えられます。
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メルセデス・ベンツEQSがフェイスリフトにてまさかの「ガソリン車風」へと先祖返り。やはり斬新すぎるルックスはアッパーセグメントの客層に受けなかったのか
Mercedes-Benz | 消費者に受け入れられず「先祖返り」「普通になった」例は珍しくはない | しかしチャレンジなくしては前に進めず、メルセデス・ベンツが当初のEQSで行った挑戦は称賛されるべ ...
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そしてこの手法は「数少ない、EVの販売を伸ばしている」自動車メーカーの一つでもあるBMWが採用している方針でもあり、メルセデス・ベンツも「遅ればせながら」これに倣うことになりそうですね。
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BMWはなぜ内燃機関とEVとでデザインを分けないのか?「デザインを分けることは、顧客の選択肢を狭めます。そもそもガソリンとディーゼルでも同じデザインですよね」
| こればっかりは各社の戦略に依存するものであり、どの手法が良い悪いという問題ではない | ただしBMWの言い分もよく理解はできる さて、BMWとメルセデス・ベンツ、アウディの3社は「ジャーマンスリー ...
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なお、メルセデス・ベンツは「EQ」という名称を廃止するとも伝えられていて、その理由は「将来的にメルセデス・ベンツのラインアップはすべてEVになるので、そこでEVを区別するための名称であるEQを用いるのはナンセンスである」ため。
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アウディは電動化時代でも「E-Tron」の名称を継続し、さらなる差別化としての文字列も検討中。一方メルセデス・ベンツは「EQ」を廃止
| アウディはもともと「スポーツバック」「クワトロ」「オールロード」など独自の呼称が好きなブランドでもある | アウディに限らずVWグループ各ブランドは機能や特徴に名称を付与することが多い さて、先日 ...
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ただし市場や消費者が「EVトランスフォーム」についてこれないという事実が判明した後、EVオンリーへの転換姿勢を翻して「ガソリン車を継続する」ともコメントしており、となると「EQという名称廃止」もこれに伴い変更があるのかもしれません。※同社はこれにあわせ、生産を終了する予定であったガソリン版Gクラスの生産終了を撤回している
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メルセデス・ベンツが「EV集中」戦略を転換し2030年以降もガソリン車を作り続けるとコメント。「2030年であっても、EV / PHEVの販売比率は50%にとどまるだろう」
| もはやEVの販売減速、ガソリン車の存続は誰の目にも明らかに | 今後さらに多くの自動車メーカーがメルセデス・ベンツ同様に「方針転換」を行うものと思われる さて、昨今は「EV離れ」「ハイブリッド / ...
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さらにもうひとつメルセデス・ベンツにとって”思い通りにゆかなかった”現実があり、それは「AMGの一部モデルでV8を廃止したこと」。
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4気筒にスイッチしたメルセデスAMG C63が「ほぼゼロに近いくらい」売れていないもよう。AMGは気筒数の現象に対する反応を見誤り、状況に対処するためV8復活とも
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もちろんメルセデス・ベンツはエミッションの観点から「そうした」わけですが、これが消費者からの総スカンを食らってしまったとも言われ、大排気量エンジンを残したBMWに大きく水を開けられてしまっているわけですね。
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BMWはあくまでも大排気量、マルチシリンダーにこだわる!「他社が3気筒や4気筒エンジンをハイパフォーマンスカーに積んでいるのは知っているが、それは我々Mのやりかたではない」
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| さらにメルセデス・ベンツはハイパフォーマンスモデルにおいてもV8を廃止し6気筒と4気筒に置き換えている | メルセデス・ベンツが採用した戦略が「世間から受け入れられなかった」と考えていいだろう さ ...
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メルセデス・ベンツEQSは1年落ちで中古価格が新車の半分、EQEでは半分以下に。そのほかアルファロメオなど「値下がりするクルマのランキング」を見てみよう
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