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ポルシェが中国での「販売30%減」を受け現地のディーラーを大幅削減すると発表。中国依存の反動は大きく「今後、中国は以前のように戻るとは期待できないでしょう」

ポルシェが中国での「販売30%減」を受け現地のディーラーを大幅削減すると発表。中国依存の反動は大きく「今後、中国は以前のように戻るとは期待できないでしょう」

| ポルシェは販売台数以上に「利益」面において中国に大きく依存していたため、非常に大きなダメージを受ける可能性がある |

更に大きな問題は「この状況が改善しないであろう」ということである

さて、ポルシェの中国における販売は今年9月までで約30%減少していますが、この減少によって中国は「ポルシェにとって最大の市場」から北米、そして欧州に次ぐ第三のマーケットへと後退しています。

そして「1位から3位」への転落がもたらしたポルシェに対する影響はけして小さなものではなく、そしてこの影響が「今後もずっと続くであろう」という見込みのもと、ポルシェがついに「販売減少に伴い、コスト削減を目指して中国のディーラー網を縮小する」と発表する事態にまで発展。

これは、第3四半期において全世界の利益が41%減少したとポルシェが明らかにした直後のことで、これによってポルシェはついに「中国に頼ることができなくなり」「今までのように北米や欧州を重視した戦略を再度採用する必要が生じた」わけですね。

ポルシェは中国にて苦戦中

なお、この傾向はポルシェのみならずメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンなど「中国に依存してきた」多くの自動車メーカーにとっても同様で、しかしポルシェに関して言えば第3四半期の中国での販売は29%減少し、今年の上半期でも販売台数が43,832台から29,551台に33%減少しています。

これは「中国市場が好調なので中国向けのデザインを採用する」「中国専用モデルを投入する(すでに718スパイダーのデチューン版など独自モデルを投入している)」としていた中国偏重政策を再考させるに十分な数字であり、そしてポルシェはこの減少の要因を”中国の厳しい経済状況と、中国人が中国車を好むようになったこと」と見積もることに。

「中国はポルシェだけでなく、欧州の自動車メーカーにとって非常に大きな挑戦です。今後は、中国が欧州のプレイヤーにとって以前のように戻るとは期待できなくなります。すべては、我々の柔軟性と回復力をさらに高めることに焦点が当てられます。中国市場を諦めるわけではありませんが、現実を直視する必要があります。」

ポリシェ 最高財務責任者 ルッツ・メシュケ

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さらにルッツ・メシュケ氏は、中国の経済問題が高級品への支出を制限していることを指摘し、ポルシェはこの状況が回復することを期待せず、”製品ラインアップ、予算、コストを見直す必要がある”と述べ、これが冒頭にて述べた「中国のディーラー網を大幅に縮小する」という決断につながるのですが、もちろん2025年の車両販売が今年と比べて停滞するという予測についも明らかにしており、その販売台数については年間30万台から25万台程度になるだろう、とも。

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ただし中国における(中国車の)新車ラッシュには目をみはるものがあり、さらにその価格競争力、加えて技術の先進性は欧州車の追随を許さず、よって現実は「ポルシェが思うよりも、もっと悪い方向へ」動く可能性も考えられます。

参考までに、ポルシェが中国市場に参入したのは「カイエンの発売とほぼ同時」であり、やはり中国で人気なのはカイエンやマカン、そしてパナメーラ。

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つまり中国市場にとってポルシェとは「スポーツカーメーカー」ではなく「高級でスポーティーなSUVやサルーンを作るドイツのブランド」として捉えられているといい、そしてこの地位は現在急速に「中国車」に置き換えられていて、昨今発売される中国車の装備、デザイン、価格を見るに(中国の自動車メーカーだけあって、中国人の好むデザインや装備に特化している)ポルシェがこれに対抗することは「不可能」だと思われます(そもそもポルシェは価格競争に参加しない)。

そしてこれはいずれの日米欧の自動車メーカーにとっても共通する課題でもあり、しかしこれら既存自動車メーカーが「中国市場にマッチしたクルマ」を投入したとしてもすべての問題を解決できるわけではなく(おそらく最大の要素である”価格競争性”はクリアできないだろう)、いずれは「中国市場を切り捨てるかどうか」という判断に迫られる日が来るのかもしれません。

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