チャイナドリームがついに終焉を迎える。中国での販売と競争力が急激に低下してフォルクスワーゲンの状況がさらに悪化、「工場を3つ閉鎖し、数千人を削減」との報道

｜　この状況は（テスラ以外の）ほぼすべての自動車メーカーに共通しており、改善の目処が立っていない　｜

そしておそらく、どの予測よりも速く中国市場は「中国車によって独占」されてしまうだろう

さて、フォルクスワーゲンがドイツ国内含む工場3箇所を閉鎖し、数千人を解雇する可能性があるとの報道。

これはすでに報じられたニュースの「更新版」ということになりますが、先に報じられたものよりも規模が大きくなっており、この短期間の間に「さらに状況が悪くなっている」ことが伺えます。

本件に関し、今週中に追加での詳細が発表される予定だとされ、そしてこの大規模な解雇はヨーロッパ全体の労働者に影響を与える可能性があり（フォルクスワーゲンがこれを実施することが免罪符となって、サプライヤーやほか自動車メーカーもこれに追随する可能性がある）、かなり深刻な問題となるのかもしれません。

もはやフォルクスワーゲンには「工場閉鎖以外の選択肢はない」

フォルクスワーゲンが工場を閉鎖する理由としては「高コスト、販売の減少、中国との競争」が挙げられますが、これら危機を前にフォルクスワーゲンは削減が迫っていると（労働組合に対し）警告しており、フォルクスワーゲンの労働組合のトップ、ダニエラ・カヴァッロ氏は「経営陣はこれに対して絶対に真剣です。これは集団交渉の場での脅しではありません」語るなど、もはや労組としても”どうしようもない”段階に来ているもよう。

現時点では公開されている情報は多くはなく、しかしフォルクスワーゲン取締役会メンバー、グンナー・キリアン氏は「状況は深刻であり、競争力を回復するための包括的な措置がなければ、今後の重要な投資を行う余裕がない」と述べたと報じられています。

なお、これはフォルクスワーゲンブランド単体の問題ではなく、フォルクスワーゲンの抱えるいずれのブランドに付いても同様で、実際にアウディではブリュッセル工場が閉鎖候補に上がっていると報じられ、「アウディは、需要が大幅に減少したため、（その工場で生産する）Q8 e-tronの生産を早期に終了したい」という話も。

そしてこの工場のの運命は7月から不透明な状態が続いており、今月初めには、26の関心を持つ企業があったにもかかわらず、適切な買い手が見つからなかったとの報道も。

フォルクスワーゲンは過去数か月間、コスト削減のための基盤を固めるための様々な対策を講じており、今年9月にはCEOのオリバー・ブルーメ氏が「欧州の自動車産業は非常に要求の厳しい深刻な状況にある。新たな中国の競合が欧州市場に参入してきており、特にドイツは競争力においてさらに後れを取っている」とも述べたことも記憶に新しく、同士がCEOを兼ねるポルシェもまた、中国市場においては大きな販売減少を記録しています。

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