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2021年、ジャガーが開発を進め、しかし生産直前で計画が白紙撤回されたEVの画像が時を経てリーク。「これはキャンセルされて正解だった」と話題に

2021年、ジャガーが開発を進め、しかし生産直前で計画が白紙撤回されたEVの画像が時を経てリーク。「これはキャンセルされて正解だった」と話題に

Image:Richard Seddon(X)

| たしかにこの「見慣れた姿」のまま電動化したとしても人気を博すことは難しかったであろう |

茨の道を自ら選んだジャガーには敬意を表したい

さて、昨日ジャガーは「ブランドのリブート第一号」となるEVのティーザー画像を公開していますが、今回は「ピュアエレクトリック版ジャガー」のプロトタイプの画像がリーク。

ただしこの画像は「キャンセルされたバージョン」だといい、ネット上では「これはキャンセルして正解だったな・・・」という声であふれることに。

いったいなぜこういった状況となったのか、ざっとここに至るまでの経緯をまとめてみたいと思います。

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なぜジャガーはこのクルマをキャンセルしたのか

このプロトタイプについては2019年あたりまで時計の針を戻す必要があり、当時からジャガー、そしてランドローバーは「電動化」を強く意識していたのですが、その理由は「インテリ層にアピールするため」であったと言われます。

英国では知識層を中心として環境に対する関心が強く、よってジャガー・ランドローバー、そしてベントレーなどは「電動化」、さらには内装素材の「非レザー化」を進めることによってこれら知識層(”富裕層”と置き換えてもいい)を取り込むことを狙っており、そのためドイツのライバルに先駆け電動化を進めていたわけですね。

よってジャガーは当時、「ラインアップをEV化する」計画を進めていて、そこで開発されていたのがこのプロトタイプということになりますが、このクルマは実車でありながらも「他のジャガーや競合車のパーツを組み合わせて作られた合成画像のように」見え、当時ジャガーがターゲットとして設定していたテスラ・モデルS、そして当時のジャガーのラインアップ(Fタイプやi-Pace)から拝借したディティールにて構成されているといった印象。

これを見るに、「このまま発売されても、消費者はそこに購入する理由を見出すことが難しかったであろう」というレベルの”普通の”クルマであり、2021年、当時のCEOであるティエリー・ボレロ氏は「(生産準備が整っていたと言われる)当時の電動化計画を全て破棄し白紙に戻す」ことを決定します。

その理由は定かではないものの、おそらくは「現在の延長線上のラインアップ、このデザインでは戦えない」と判断したのだと思われ、よってジャガーブランドそのものを完全にゼロから再出発させるという勇気ある決断を下したのだと捉えていますが、その結果として、「新しいジャガー」はそれまでのような「メルセデス・ベンツ、BMWは、アウディ」との競合車ではなく、「ポルシェやベントレー」と戦えるレベルのパフォーマンスそしてラグジュアリーさ、そして先進性に加え革新性を備えているとされ、独自のデザインや価値を備える排他的なブランドになると目されています。

Jaguar-Electric (2)

Image:Jaguar

そしてジャガーが公開したティーザー画像を見るに、たしかに「堂々とした威厳のある」プロポーションを持っているように見え、さらには「リアウインドウが存在しない」というウワサもあり、「見るからに」ほかのブランドとは異なる新しいルックスを持つに至るのかもしれません。

まだまだこの新型車の発表までは時間があるものの、今回の「リーク」によって、ジャガーが以前の計画を廃止したことが「正解であった」のではと(現時点でも)判断してよく、いっそう新型、そして新世代ジャガーの発表に期待がかかりますね。

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参照:Richard Seddon(X)

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