米では「もっとも維持費が安い」という調査結果が出されたテスラ・モデル3。今週はドイツにて「もっとも信頼性が低いクルマにて2冠を達成」という不本意な統計結果

｜　テスラのクルマは見方によってまったく評価が異なる　｜

ここまで評価が分かれるクルマも珍しいだろう

さて、株式しかり自動車しかり、その評価が分かれるのが「テスラ」ですが、車両に関し満足度が高いという調査結果がある一方、「品質が低い」というサーベイもあり、今回はドイツの第三者認証機関、TUV（テュフ）が「EVというくくりでは、テスラ モデル3が、信頼性調査において、2年連続で最下位にランクされた」と発表することに。※ライト、ブレーキ、サスペンションに問題が頻発していることが指摘されている

参考までに、米国コンシューマーレポートはつい先週、「テスラのEVはランニングコストにおいて、もっとも安価なクルマである」という調査結果を出しており、やはりテスラ車は大きく評価がわかれるようですね。※維持費が安いからといって故障しないというわけではないけれど

流石にドイツの認証機関だけあってその内容はちょっと厳しい

今回行われたTÜVのテストは、すべての車両がドイツの道路で使用されるために24ヶ月ごとに受けることが義務づけられている走行状態チェックだとされ、正式には「Hauptuntersuchung（車両主検査）」と呼ばれ、検査官はここでシャシー構造からブレーキ、ステアリング、サスペンション、ライトなど、多くの項目について状態や動作を確認します。

そして厳格なイメージがあるドイツらしく、TÜVの検査は非常に厳しく、なんと車両の5分の1が不合格となるのだそう。

ここでテスラ・モデル3は、（登録から）2〜3年および4〜5年の車両区分で他の車両よりも多くの不具合を記録し、特にライト、ブレーキ、サスペンション関連の問題が目立っています（TÜVによれば、EVはその重量やエネルギー回生によってブレーキに負担がかかるにもかかわらず、これらの部品が十分にメンテナンスされないことが多いとのこと）。

TÜV協会のジョアヒム・ビューラー代表は「モデル3の高走行距離車は、パフォーマンスの低さを隠すことはできません。ブレーキやアクスルに加えて、特に多くのライトの不具合が見られます。これはサービスやメンテナンスにおける欠陥を示しています」とコメントしており、逆に「既存の内燃機関搭載車をEVに転用した」電気自動車の信頼性が最も高いことについても触れ、たとえばフォルクスワーゲン E-ゴルフ、（先代）ミニクーパー SEなどは「EV専用設計車」に比較して信頼性が高い、とも指摘しています。

参考までに、登録から2～3年が経過した時点でのテスラ・モデル3の不具合発生率は14.2％、その次に不具合発生率が高いのはルノーZOEの8.9％なので、モデル3は「ずば抜けて」信頼性が低いことが（今回の調査結果にて）わかりますが、もっとも信頼性が高いクルマであるVW E-ゴルフだとこの数値は3.4％にとどまります。※このほか、低評価車だとダチア・ドッカーが6〜7年および8〜9年のカテゴリでワースト、。ダチア・ローガンは10〜11年、ルノー・トゥインゴは12〜13年の車齢にてワースト評価

もう一つ参考までに、「最も信頼性の高いクルマ」、そして全ての内燃機関、かつ4～13年にわたる全年数区分での評価は（これも意外なことに）ポルシェ911カレラがトップ評価を獲得しています。

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