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反テスラ、反イーロン・マスク抗議活動が全米にて拡散し過激化。テスラの株価はピークから45%も下落し、活動家「彼を破産させることはできないが、富と権力を奪う」

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| イーロン・マスクは自身の資産を担保に融資を受けているため、株価下落は破産に直結する可能性も |

現時点では「すべての方向が悪い方へ」進んでいるが

さて、ここ最近クローズアップされているのが「アンチテスラ」行動のエスカレート。

これはテスラCEO、イーロン・マスクCEOの「過激な言動」に対するリアクションで、テスラの不買運動にはじまり、テスラ車やテスラオーナーへの攻撃といった活動へと移行した後、それらが収まる気配がないというのが現在の状況です。

そしてこれは当然ながらテスラの株価にも影響を与え、昨年末にドナルド・トランプ氏が「次期大統領当選ほぼ確実」となった2024年12月17日のピークから、現時点ではなんと45%の下落を見せているわけですね。※トランプ政権時代に得た利益の大部分を失いかけている

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投資家の多くは「不安」を感じている

「株価ピーク」であった12月17日、テスラの時価総額は1.5兆ドルに達し、当時のトヨタの6.5倍の価値を持っていたものの、この価値は「自動運転の実現」に担保されているというのが通説で(テスラの株価のうち75%は自動運転に対する期待だと言われる)、しかしそれは未だに実現しておらず(2016年以降、毎年”今年こそは自動運転を実現する”と宣言しているにもかかわらず)、投資家の間で不安が広がっているというのもまた事実。

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そして現在の「反イーロン・マスクCEOキャンペーン」に目を移してみると、北米においては「ナチス式敬礼」よりも「政治的行動」によるものが多いとされています。

もともとイーロン・マスクCEOが求めていたのは、政府への影響力を手に入れ、規制当局(安全性や環境を重視する官庁)を排除し、大衆の熱狂的な支持を得ることであったと言われていますが、しかし退役軍人の違法解雇や極右団体との親密な関係、さらには経済を低迷させる発言や行動により、本来の意図とは裏腹に、多くの人々の反感を買う結果となってしまったという現実も(米国民としては、イーロン・マスクCEOは選挙によって選ばれた政治家ではなく、お金でドナルド・トランプ大統領に接近し権力を得たと捉えられており、そしてそういった人物が政治の中心にいることに対して強い嫌悪感が示されている)。

にもかかわらず、イーロン・マスク氏は謝罪することなく、事態を好転させるための具体的な行動も取らず、代わりに共和党の常套手段である「陰謀論」を展開し始めたというのが最新の状況ですが、アメリカでは「都合の悪いことは全て”ユダヤ系の億万長者・ジョージ・ソロスの仕業”という陰謀論をでっちあげる風潮」があるもよう。

そしてもちろん、多くのアメリカ人はこういった陰謀論を信じるはずもなく、しかし陰謀論を展開するまでに「イーロン・マスクCEOが追い詰められている」という見方もあるようですね。

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上述の通り、反テスラ、反イーロン・マスクCEOデモはどんどん拡大・過激化していて、最初は小規模な反テスラ抗議活動だったものが、今や全米各地で大規模デモへと発展しており、現在では全米の主要都市(ニューヨーク、ポートランド、シャーロット、セントルイス、ツーソンなど)に広がっているとも報じられていますが、今後懸念されるのは(陰謀論ではないものの)「右派活動家がデモに紛れ込み、意図的に暴力行為を誘発するケース」。

これまでの歴史を見ても、ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に対しては右翼グループが潜入し、暴動を誘発する事例が複数確認されていて、今回の反テスラデモでも同様の手法がとられる可能性があり、デモ参加者に対して「挑発に乗らないように」と警戒を呼びかける声も増えている、と報じられます。

ただ、こういった「過激なデモ」がクローズアップされるようになると、一般の人達は(芸術作品にオレンジジュースをかける過激な環境活動家に対するのと同じように)「やりすぎ」と感じてデモに対して反感を持ったり興味を失ったりするようになるので、ある意味では「暴力的・攻撃的」側面が直なるというのは”抗議活動が最終局面を迎えている”と捉えることも可能です。

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今回のデモによってテスラの株価がどこまで下がるのかは想像もつきませんが、株価が下落すればするほど、イーロン・マスク氏の個人資産も目減りして、さらに同氏は個人資産を担保にして融資を受けているため、株価下落はイーロン・マスク氏の財政基盤に直接的な影響を与えます。

つまりマスク氏にとって、株価の下落は自己破産に直結しかねない危機であり、実際に活動家からは「イーロン・マスクを完全に破産させることは難しいかもしれないが、彼の富と権力を大幅に奪うことは可能だ」という声も聞かれており、今後の動向には注視したいところでもありますね。

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