マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)の責任者によると、マクラーレンP1購入者の90%近くがMSOを利用してカスタムしている、とのこと。
なおマクラーレン全体で見ると26%のユーザーがMSOを通じてカスタムしているとのことで、これはマクラーレンが予想した「10%」よりも当然ずっと多く、マクラーレンに大きな利益をもたらしているようです。
現在はランボルギーニが「アド・ペルソナム」、ポルシェが「エクスクルーシブ」、BMWが「インディビジュアル」、フェラーリが「テーラーメード・プログラム」、アストンマーティンでは「Q」等々、様々なカスタムをメーカーが提供しているわけですが、まだまだメーカーによってプロモーションの差などあり浸透具合がマチマチのようですね。
マクラーレンの場合は、カスタムされたP1を頻繁に公開しており、そのために「こんなこともできるのか」という気づきをユーザーに与えているのだと思われます。
他メーカーにおいてはさほどカスタム例を公開する機会は多くなく、グッドウッドやペブルビーチで多少公開する程度。
おそらくは今後スーパーカーの販売台数というのも頭打ちになってくると思われ、そうなるとSUVに手を出すか、もしくはカスタムで利益をあげるか、ということになるのかもしれません。
ただカスタムのほうが設備投資が小さく、収益率は高そうですね。
なおポルシェにおいて、マカン購入者は平均で車両本体価格の30%に相当する価格のオプションを選択しているとのことで、これもポルシェの利益を押し上げているひとつの理由なのかもしれません(ポルシェのオプションは非常に高価)。
マクラーレンはMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)をひとつの大きなビジネスと位置づけていますが、これを利用するユーザーはどんどん拡大しているように思います。
P1に至ってはじつに90%もの購入者がMSOでカスタムを行っているとのことですが(全体では26%)、マクラーレンはカスタム例を個別に公開しており、そこで購入者も「こんなカスタムができるのか」と気付いてMSOを利用するようになっているのかもしれませんね。
今回紹介するのは675LTですが、フロントフェンダーのダクト、ルーフのシュノーケルなどは先日紹介したメキシコ・ブルーの個体と同様。
650ル・マン等を見て「購入者:あのパーツを付けることができないか」「マクラーレン:できますよ(金次第ですが)」という流れなのでしょうね。
ボディカラーはマットグレーで、フロント、サイド、リアのエッジ部分に縁取りのようなオレンジのラインが入ります。
ラインの幅は一定ではなく強弱がつけられ、躍動感があります。
こういったカスタム、もしくは個人がオーダーしたものでなくともマクラーレンがカスタム参考例として示したものや限定車を見た人が「更に注文時にそれ以上のカスタム→またそれを見た人が(以下略)」という感じでマクラーレンの思惑通り、MSQ利用率と一人あたり金額は増加しているのだと推測します。
関連投稿:マクラーレンMSO史上最大規模のカスタム、「650S プロジェクトKilo」
マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)がMSOが手がけた中で最も大掛かりという「650Sプロジェクト・キロ」を公開。
これは外装パネル等をカーボンに置き換えるもので、ルーフ、リアディフューザー、シル・パネル、リアスポイラー、rンジンフード、エンジンベイ、ドアミラー、インストルメント・クラスター(シフトライト装着)等がカーボンファイバー製に。
かつ、オイルフィラーキャップ等もアルミに置き換わった上でオレンジのマクラーレンロゴとボディカラー同色になったり、ドアシルもボディ同色塗装、さらには24金メッキが使用された遮熱板(金は熱の伝導効率が高く放熱性が高い。マクラーレンF1にも使用されていた)の採用など、相当に手の込んだ装備までも。
なお、ニュージーランドの国鳥であるキウイのマークが入り、マクラーレン創業者であるブルース・マクラーレンに敬意を表しているようです。
マクラーレンP1でも外装カーボンのオプションがありましたが(あれはまさにフルカーボン)、その価格を考えると、軽くマクラーレン650Sの車両本体価格を超えていそうなカスタムですね。
マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)でカスタムされた650S、そしてP1。
650Sはカーボンパーツ盛りだくさんでカスタム感が強いですね。
MSOロゴ入りのカーボン制裁ドステップ、各種バッジなどがさらにスペシャル感を高めていると思います。