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ポルシェ 911 GT1 RS:「進化した911の究極形」として公道最強のスーパーカーがレンダリングにて登場。実際に発売を検討中

ポルシェ 911 GT1 RS:「進化した911の究極形」として公道最強のスーパーカーがレンダリングにて登場。実際に発売を検討中

| 何度となくポルシェ自身が「GT1」を復活させるという話が聞かれていたが |

近年のポルシェは過去にヘリテージを求める傾向があり、もしかすると本当に「復活」があるかもしれない

さて、レンダリングアーティスト、EMRE HUSMENが「ポルシェ911 GT1 RS」なる作品を公開。

これはもちろん「伝説の911 GT1」を現代に蘇らせたクルマではありますが、以下のような特徴を持つと説明されています。

  1. ル・マンの伝説を受け継ぐ新たな911、進化の最終形
  2. GT3スペックのリアウィングとカーボンファイバー製ボディ
  3. ポルシェ 911ターボ(992.2)をベースにした未来のスーパーカー
  4. 911 GT1 RSの実現に向けたプロジェクトを計画中
ポルシェはときどき「とんでもない」ハイパーカーを市販しようと考える自動車メーカーである。過去には様々なコンセプトにてこんなハイパーカーが企画されていた
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ポルシェ911 GT1とは?

そこでまずはポルシェ911GT1について説明しておくと、これは1990年代にGTレースカテゴリー、特にル・マン24時間レースで勝利を目指してポルシェが開発した「非常に特殊なレーシングカー」。

そのホモロゲーション取得のために公道走行可能なストリートバージョンも少量生産されたことでも知られます。

ポルシェ911 GT1の開発経緯

1990年代半ば、ル・マン24時間レースのGT1クラスでは、市販車をベースとしたレーシングカーが求められていましたが、実際にはマクラーレンF1 GTRなどのように「ほぼレーシングカー」として設計された車両が公道走行可能なモデルを少量生産することでホモロゲーションを満たすという傾向が強まっており、ポルシェはこれに対応するため、当時の911(993型)をベースにしつつも、実質的には完全にレーシングカーとして設計された911 GT1を開発。

特に、当時の911のリアエンジンレイアウトではなく、効率的なミッドシップレイアウトを採用することで、より高いパフォーマンスを目指したわけですね。

Porsche-911-GT1-1998

Image:Porsche

ポルシェ911 GT1の特徴

  • ミッドシップエンジンレイアウト: モデル名に「911」を冠するものの、従来の911のリアエンジンではなく、エンジンを車体中央に搭載するミッドシップレイアウトを採用。これにより、重量配分の最適化と空力性能の向上が図られることに
  • 水冷水平対向6気筒ツインターボエンジン: レーシングバージョンでは約600PS(後期型では550PS程度)を発揮する、3.2リッター(または3.16リッター、3.22リッター)の水冷水平対向6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。公道バージョンでも544PSと非常に高出力
  • 専用設計のシャシー: 911のフロントセクションと共通の部分はあるものの、リアセクションはスペースフレーム化され、後期型ではフルカーボンモノコックシャシーを採用するなど、完全にレーシングカーとして設計されている
  • プッシュロッド式サスペンション: フォーミュラカーのようなプッシュロッド式のサスペンションを採用し、卓越した走行性能と安定性を実現
  • レギュレーションに合わせた進化:
    • 1996年型: 丸型ヘッドライトが特徴。ル・マン24時間レースでデビューし、いきなり2位、3位に入賞。
    • 1997年型 (GT1 Evo): ボクスターや996型911のような涙形のヘッドライトに変更され、スペースフレームの剛性改善やシーケンシャルミッションの導入など、トラブル対策と性能向上が図らており、この年に公道バージョンが市販
    • 1998年型 (GT1-98): マクラーレンF1やメルセデス・ベンツCLK-GTRといった強敵に対抗するため、完全に新設計されたフルカーボンモノコックシャシーを持つ車両へと進化
1997,+911+GT1

Image:Porsche

ポルシェ911 GT1のレース成績と現在

ポルシェ911 GT1は、その開発目的の通りGTレースで輝かしい成績を収めており、ポルシェ911 GT1は、単なる911の派生モデルではなく、ル・マンでの勝利という明確な目標のためにポルシェの技術を結集して生み出された”異色のスーパーマシン”。

その希少性から、公道バージョンも含め、現在では非常に価値の高いコレクターズアイテムとなっています。

  • 1996年: ル・マン24時間レースで総合2位・3位を獲得し、デビュー戦で大きな注目を集める
  • 1998年: ル・マン24時間レースで総合優勝を果たし、これはポルシェにとって、911 GT1シリーズの集大成ともいえる勝利だと見られている。また、同年のFIA GT選手権などでも活躍

ポルシェ911 GT1 RSとは

そこで今回公開された「911GT1 RS」を見てみると、992.2世代の911ターボをベースとした究極の公道対応スーパーカー。

サーキットでも通用する性能を持ちながら公道でも安全に走行できるよう設計され、まさに「道を走る最強の捕食者」と呼ぶにふさわしい存在となっています。

Porsche-911-GT1 (1)

そのためには、ル・マンで名を馳せた911 GT1のDNAを引き継ぎ、”さらなる進化”が追求されていますが、従来の911とは一線を画す「極限の性能」を追求するためにあらゆる面で再設計が行われ、特に注目すべきはそのエアロダイナミクス。

GT3スペックの巨大なリアウィングに加えフルカーボンファイバー製のボディキットが与えられ、軽量化と強度、ダウンフォースとのバランスを完璧に追求しています。

Porsche-911-GT1 (2)

なお、興味深いのはこの「ポルシェ911 GT1 RS」がデジタル上の産物にとどまらず「実現する」可能性が存在すること。

現在このクルマの実現に向けては開発に入っているといい、「ビジョンを共有できるパートナーと投資家の協力」によって、このポルシェ911の最終進化型が公道を走ることが可能になる、とアナウンスされています。

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参照:EMRE HUSMEN(Behance), Porsche

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  • この記事を書いた人

JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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