｜ 元ジャガー / アストンマーティンのデザイナー、イアン・カラムが手掛ける新たな挑戦 ｜
シューティングブレーク――その流麗で実用的なボディスタイルは、自動車好きにとって最も魅力的な存在のひとつです。
しかし残念ながら、（その需要があまりにも小さいため）市場では極めて稀な存在にとどまっており、それでも一定の需要に向け各コーチビルダーがコレクター向けの生産を行っているというのが現状です。
そこで今回登場したのが「カラムデザイン」による”ヴァンキッシュ 25シューティングブレーク”なるコンセプトカーで、同デザイン事務所を主催するイアン・カラム氏によれば「受注があればすぐにでも生産が可能」。
ヴァンキッシュ 25シューティングブレーク：エクステリアの洗練と独自性
イアン・カラム氏は過去にアストンマーティン、フォード、ジャガー・ランドローバーで輝かしいデザイナーとしてのキャリアを築いていますが、現在、自身の独立デザイン会社「CALLUM Designs」を率いています。
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直近ではクラシックミニのレストモッドやジャガーEタイプの現代版リデザインなど、印象的な作品を発表してきたことも記憶に新しく、そして今回の題材は2001年型アストンマーティン・ヴァンキッシュ。
これを唯一無二のシューティングブレークへと再構築したクルマが「ヴァンキッシュ 25シューティングブレーク」というわけですね。
なお、この初代ヴァンキッシュ (2001年～2007年)はイアン・カラム氏自身がアストンマーティン在籍時にデザインしたもので、つまり同氏が「約25年後にリメイクした」自分の作品がこのクルマ。
オリジナルのヴァンキッシュは美しいデザインを持ちながら、やや「バグアイ」な印象もあり、DB9ほどのタイムレスさが感じられないといった評価もなされ、よってイアン・カラム氏はこれをベースとしてフロントバンパーに大型のセカンダリーグリルと新しいエアインテークを追加し、さらにフォグライトがあった位置を刷新し、新設計のヘッドライト（DRL付き）、よりアグレッシブなボンネットを与えています。
ルーフは工場出荷時のものに代えて、リアにかけて伸びるパノラミックガラスパネルを装備。
わずかに持ち上がったリアエンドとの組み合わせにて典型的なシューティングブレークのシルエットを形成していますが、ブラック＆シルバーの専用アルミホイール、スモーク仕様のテールランプ、再設計されたリアディフューザーが全体を引き締めることに。
パフォーマンスの強化
ボンネット下に収まるのは自然吸気6.0リッターV12エンジン、そしてこれをベースにカーボンファイバー製インテーク、改良されたカムシャフト、エンジンマッピングのアップデートなどが施され、最高出力はオリジナルより60馬力高い580psを発揮します。
シャシー面ではビルシュタイン製ダンパー、カーボンセラミックブレーキ、ワイドトレッド、強化スタビライザーを採用することでGTカーとしての快適性を保ちつつもハンドリング性能を一段と向上させているのだそう。
現時点ではあくまでデザインコンセプトに過ぎないものの、イアン・カラム氏は「依頼があれば喜んで製作する」とも語っており、希少性、パフォーマンス、ディテールのすべてが揃ったこの1台は「英国文化をこよなく愛する紳士」の興味を強く引き付けることとなるのかもしれません。
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