
Image:McLaren
| マクラーレンは自社がモータースポーツ、自動車製造にて培った技術をゴルフ分野へと「本気で反映」 |
F1のDNAがゴルフを変える。マクラーレン・ゴルフがついに始動
2026年4月、スーパーカーの雄「マクラーレン」が新ブランドとして「マクラーレン・ゴルフ(McLaren Golf)」の設立、そしてデビュー作となるアイアン「Series 1」および「Series 3」を世界同時発表することに。
マクラーレンはモータースポーツと自動車設計で培った数十年のエンジニアリング技術をゴルフ界に投入したといい、これは「ブランドライセンス商品」ではなく、自社のエンジニアとゴルフ専門チームが「制約がなければ、ゴルフギアはどう進化するか?」という問いに答えた、自社開発による(超)本気の高性能ギアであるとアナウンスされています。
-
-
いったいどこへ向かうんだ・・・。マクラーレンがゴルフ界へ参入。F1の超絶技術を注いだ「McLaren Golf」が4月に始動
Image:McLaren | 新資本となったマクラーレン、思わぬ方向へと興味を示すことに | たしかにその顧客との親和性は低くはないと思われるが サーキットの興奮が、ついにゴルフコースへ。 F1の覇 ...
続きを見る
記事の要約(この記事のポイント)
- 新製法の採用: ゴルフ界では極めて稀な「金属射出成形(MIM)」により極限の精密設計を実現
- Series 1(ツアーブレード): ジャスティン・ローズ監修。ハニカム構造を採用した「ミスに強いマッスルバック」
- Series 3(ディスタンス): カーボンファイバーとMIMフレームを融合。圧倒的な飛距離とコントロール性を両立
- 豪華アンバサダー: ジャスティン・ローズ、ミシェル・ウィー、イアン・ポールターが投資家兼プレーヤーとして参画
- 市場展開: 1本360ポンド(約8万円)〜。2026年4月30日より一部地域で発売

Image:McLaren
常識を打ち破る「MIM(金属射出成形)」プロセス
マクラーレン・ゴルフの最大の特徴は、MIM(Metal Injection Molding)という製造プロセス。
通常、高級アイアンは「鍛造(フォージド)」で作られるものの、MIMは複雑な内部構造や質量分布を1グラム単位でコントロールできるという自由度を持っており、これによって伝統的な製法では不可能だった「ブレードの見た目を持ちつつも、圧倒的な安定性」といった相反する性能の両立を可能にしたのだそう(正直、ぼくはゴルフに関しては門外漢なので、このあたりの困難さについては理解できていないが、ゴルフクラブのヘッド内での重量配分を緻密にコントロールしているようだ)。
「マクラーレン ゴルフ」製品の概要
Series 1(シリーズ1):モダン・ツアーブレード
上級者が求める打感と操作性を維持しつつ、F1マシンにも採用されるハニカム構造「マクラーレン・ストラクチャル・メッシュ」を背面に配置しており、余剰重量を周辺に配分することでマッスルバックの常識を超える慣性モーメント(MOI)を実現しています。

Image:McLaren
Series 3(シリーズ3):ハイテク・ディスタンスアイアン
「パワーハウス」と称されるこのモデルは、カーボンファイバー製の「ボンネット」を背面に装備。
振動を抑えつつ、MIMフレームによる高初速とミスへの強さを提供することが可能となったほか、ソールにはヒールカット設計が施され、どんなライからでも振り抜きの良さを約束する、とのこと。

Image:McLaren
基本スペック・価格表
| 項目 | Series 1 (Tour Blade) | Series 3 (Players Distance) |
| 主な特徴 | MIM製法、ハニカムメッシュ、タングステンウェイト内蔵 | カーボンファイバーボンネット、MIMフレーム、ヒールカットソール |
| 主な対象層 | ツアープロ、上級者、操作性重視 | スコアアップ、飛距離、寛容性重視 |
| 価格 (1本) | £360 GBP(約8万円) | £360 GBP(約8万円) |
| 発売日 | 2026年4月30日 | 2026年4月30日 |
| 契約プロ | ジャスティン・ローズ、ミシェル・ウィー、イアン・ポールター | - |
競合比較と市場でのポジショニング
1本360ポンド「という価格設定はタイトリストやテーラーメイドの標準モデルよりも高価であり、PXGのハイエンドラインや三浦技研といったプレミアムブランドに真っ向から勝負を挑む形になります。
特筆すべきは、ジャスティン・ローズが広告塔のみとしてではなく、2年前からプロトタイプのテストに関わっていること、さらには役員としてアドバイザーも務めていること。
F1の拠点であるウォーキング(英国)と、ゴルフ開発の聖地カールスバッド(米国)の二拠点体制というのも、マクラーレンに本気度を表す事象の一つだといえそうですね。

Image:McLaren
なぜ今、スーパーカーブランドがゴルフなのか?
近年、ランボルギーニやフェラーリといったスーパーカーのオーナー層とハイエンドなスポーツギアを求める層が急速に重なっているといい、実際にランボルギーニは様々なスポーツギアに自社の得意分野(主にカーボン)を反映させた製品を発売済み(一方、フェラーリはライセンスビジネスに注力する一方、ハイエンドスポーツ用品を発売していない)。
今回の「マクラーレン・ゴルフ」ローンチは、F1マイアミGPの開催時期に合わせるという戦略的なもので(とくにアメリカはゴルフ好きの富裕層が多い)、マクラーレンは単に「クルマを売る」だけでなく、「マクラーレンというエンジニアリング・ライフスタイル」を拡張しようとしていることもわかります。
-
-
ランボルギーニがバボラとのコラボにて「パデル」に使用するラケット第二弾を発表。その素材はランボルギーニのスーパーカーと同じグレードのカーボンファイバー
Image:Lamborghini | さらにそのカラーはランボルギーニを象徴する「グリーンとブラック」 | ランボルギーニは様々なスポーツへと触手を伸ばす さて、ランボルギーニが近年急速に人気が高ま ...
続きを見る
結論
マクラーレン・ゴルフの参入は、伝統を重んじるゴルフ業界に「究極のエンジニアリング」という新しい風を吹き込むもの。
「Series 1」「Series 3」は、その美しいルックスだけでなく、最先端素材と製造プロセスによって「道具でスコアを買う」以上の価値をプレイヤーに提供することになりそうですが、その一方で「これまでゴルフと接点がなかった」マクラーレンがこの業界に参入したとして、いかにモータースポーツでの実績があったとしても「すぐにゴルフプレイヤーからの信用を得る」ことは難しいのかもしれません。

Image:McLaren
そこで重要となるのが、ジャスティン・ローズが今週の試合から実戦投入するSeries 1とともに「ツアーでどのような結果を出すのか」で、これによってゴルフ界の勢力図が塗り替えられる可能性も考えられ、マクラーレン・ゴルフの動向には注視してゆきたいと思います。
あわせて読みたい、マクラーレン関連投稿
-
-
マクラーレンMSOが創造する「芸術品」としてのスーパーカー。そのカスタマイズの実態、ワンオフモデルを制作する理由とは【動画】
| マクラーレンはいち早くスーパーカー業界に「ワンオフ」という概念を取り入れたメーカーである | 想像力の限界に挑む、マクラーレンの秘密部門「MSO」 マクラーレンを所有することはそれだけで特別な体験 ...
続きを見る
-
-
マクラーレンが新デザイン責任者としてフォードの「伝説」、ケマル・クーリック氏を獲得。今後のマクラーレンは「大きくデザインが変わる」?
| マクラーレンは経営体制を一新し、車種構成とデザインを大きく買える可能性 | これだけ大きく体勢を変更したということは、つまるところ積極的な変革だと思われる マクラーレン・オートモーティブが2026 ...
続きを見る
-
-
プーマとマクラーレンが「史上初コラボ」シリーズを発表。さらにプーマはワイルド・スピードとのコラボパーカーやTシャツ、スニーカーも発表
Image:PUMA | 「プーマ×マクラーレン レーシング」シリーズはけっこう売れそうである | ワイルド・スピードとのコラボシリーズはおそらく「即完売」であろう さて、F1へと初参戦するアウディは ...
続きを見る
参照:Mclaren











