
| 創創業者の名を冠した、ブラバス歴史上最も特別な限定車「Bodo」 |
世界限定77台、価格は約1億7000万円
イタリア・コモ湖畔で開催された自動車イベント「FuoriConcorso(フオーリコンコルソ)2026」にて、世界的チューナー / マニュファクチャラーであるブラバス(BRABUS)が、同社の歴史を塗り替える最新作を発表することに。
このクルマはブラバスによる独自車種という位置づけで、「BRABUS Bodo(ブラバス・ボド)」と命名されており、2018年に他界したブラバスの創業者、ボド・ブッシュマン氏のビジョンを具現化したものだと説明されています。
この記事の要約
- 「ブラバス Bodo」の正体: 伝説の創業者ボド・ブッシュマンへのオマージュとして、世界限定77台のみが製造されるブラバス初の「フルカーボン・コーチビルド」ハイパーGT
- 圧倒的なV12パワー: アストンマーティン・ヴァンキッシュの骨格に、最高出力1,000馬力、最大トルク1,200Nmを絞り出す5.2L V12ツインターボを搭載
- 価格と希少価値: 価格は100万ユーロ(約1億6,800万円)から。電動化時代に逆行する「純ガソリンV12エンジン」を極限までチューンした”自動車史に刻まれる”コレクターズピース

もはやベースモデルの面影がないレベルのフルカーボンボディと漆黒の「ダークシアター」
このボドは同社が約20年間にわたり温めてきた念願のプロジェクトだといい、ベースとなったのは英国の上品なグランドツアラーである「アストンマーティン・ヴァンキッシュ」。
しかし、ブラバスの手によってその上品なGTは「1,000馬力を誇る凶暴なフルカーボンモンスターへ」と完全に生まれ変わっており、アストンマーティンの最新フラッグシップさえも「パワー不足で安価」に見せてしまうという仕上がりに。
なお、ブラバスといえば、メルセデス・ベンツをはじめ、ポルシェやロールス・ロイスのカスタムやチューンで知られますが、今回の「ボド」はそれらとは一線を画す「コーチビルド(独自の車体を仕立てる)」の領域へと踏み込んでいます。

1. 「Maybach 6」と「Mustang RTR」が融合したアグレッシブな造形
ブラバス・ボドエクステリアは、ベースとなったヴァンキッシュの面影を探すのが困難なほどドラスティックに変更されており、フロントマスクは、超高級コンセプトカー「ビジョン・メルセデス・マイバッハ 6」のような威厳ある大型グリル、そしてフォード・マスタングのチューナーとして知られる「RTR」のような戦闘的なラムエアインテークをミックスしたもので、独特かつ圧倒的な迫力を放ちます。
流麗なロングノーズ・ショートデッキのプロポーションはそのままに、ボディパネルはすべて高強度なカーボンファイバー製へと置き換えられていますが、リアセクションには縦にスタック(配置)された個性的な4本出しエキゾーストパイプ、さらには時速140km以上での急制動時にエアブレーキとして機能する可変ポップアップ式リアスポイラーが取り付けられ、これらがただものではないオーラを演出しています。※テールランプは・ヴァルキリーなどアストンマーティンが採用するモノリス風
2. ヴァンキッシュの面影を残す、贅を尽くした2+2キャビン
キャビンに目を移すと、2+2のシートレイアウトや基本的なガラスハウスの形状にアストンマーティンの遺伝子を感じることができ、しかしダッシュボードにはブラバス特製の丸型エアベントが新設され、カーボン&シャドウグレーのアクセント、そして中央に「B」ロゴが輝くステアリングホイールが装着されています。
人間工学に基づいてホールド性を極限まで高めたコンツアーシートのバックレストにはこのクルマのシルエットが美しい刺繍によって再現されているほか、ドアパネルには創業者ボド・ブッシュマンのサインが刻まれており、このクルマがほかのブラバスによるチューンドカーとは異なる「特別なモデル」であることを常にオーナーへと強く意識させるべく様々な”仕掛け”が用いられているようですね。
ブラバス BODO:概要
「ボド」の本質は現代の多くのハイパーカーが忘れかけている「純粋な大排気量マルチシリンダーのメカニカルな魅力」にあり、ボドにはモーターによるトルク補填(ハイブリッド)も、静かに街を走るEVモードも存在せず。
ただ純粋に、V12ツインターボがもたらす暴力的なパワーと、五感を震わせるエキゾーストノートだけが凝縮されています。
主要諸元・スペック表
| BRABUS Bodo(ブラバス・ボド) | (参考)アストンマーティン・ヴァンキッシュ | |
| ベース車両 / 骨格 | アルミニウム・モノコック(アストンマーティン製) | 同左 |
| ボディ素材 | フルカーボンファイバー(完全新設計) | アルミニウム / カーボン混合 |
| エンジン | 5.2L V型12気筒 ツインターボ | 5.2L V型12気筒 ツインターボ |
| 最高出力 | 1,000 PS / 735 kW | 835 PS / 614 kW |
| 最大トルク | 1,200 Nm | 1,000 Nm |
| トランスミッション | 8速オートマチック(リアトランスアクスル) | 8速オートマチック |
| 0-100 km/h 加速 | 3.0 秒 | 3.2 秒 |
| 0-300 km/h 加速 | 23.9 秒 | - |
| 最高速度 | 360 km/h(リミッター作動) | 345 km/h |
| 乾燥重量 | 1,774 kg(目標値) | 約 1,775 kg(乾燥) |
| 前後重量配分 | 50.2 : 49.8 | 51 : 49 |
| 全長×全幅×全高 | 5,062 × 2,027 × 1,305 mm | 4,855 × 2,044 × 1,290 mm |
| ホイール / タイヤ | 21インチ(専用Continental SportContact 7 Force) | 21インチ |
| ブレーキシステム | 前410mm / 後360mm カーボンセラミック | カーボンセラミック |
| 足まわり | KW共同開発ダブルウィッシュボーン/マルチリンク(25mmリフト付) | アダプティブダンピング付 |
| 生産台数 | 世界限定 77 台(ブラバス創業の1977年に由来) | カタログモデル |
| 現地価格 | 1,000,000 ユーロ〜(約1億6,800万円〜) | 5290万円 |
市場での位置付けと競合比較:ベース車を「安価」と言わしめるほどの超ハイエンドワールド
自動車のチューニングやカスタムにおいて、「ベース車両の価格を大幅に超えるコンプリートカー」を作ることはブラバスの得意技ではありますが、今回の「Bodo」はアストンマーティンの新型ヴァンキッシュ(日本国内価格で約5290万円〜)をベースにしながらも最終的な価格を100万ユーロ(約1億6,800万円〜、諸税・オプション別)という異次元の領域へ引き上げるもの。
これにより、「Bodo」は単なるチューニングカーの枠を飛び越えてハイパーカー市場へと直接殴り込みをかけることになります。
なぜアストンマーティン・ヴァンキッシュを圧倒できるのか?
ベースのヴァンキッシュであっても835馬力を誇る現役最強クラスのV12GTではあるものの、「Bodo」はそこに160馬力以上の上乗せを行い、大台の「1,000馬力(1,000PS)」に到達させるという偉業を達成しています。
-
-
新型アストンマーティン ヴァンキッシュに試乗。その高額さ、希少さ、なによりも前代未聞のパワフルな車に乗るという緊張感すら吹き飛ばす「楽しさ」を与えてくれる【動画】
| ここまで高額なクルマ、そしてパワフルなクルマを運転する機会はそうそうあるものではない | そんな緊張感、恐ろしさも吹き飛んでしまうほどのフレンドリーさ、そして楽しさを持っている さて、新型アストン ...
続きを見る
さらにはただ馬力を上げただけでなく、外装を全面フルカーボン化し、KWと共同開発したサーキット直系のサスペンションシステムや、専用にコンパウンドが調合されたコンチネンタル製「SportContact 7 Force」タイヤを装備するなど、快適な長距離ツアラーとしての素性を残しつつ、中身は完全に「時速360km/hで巡航できるロードゴーイングミサイル」へと変貌を遂げています。
なお、オーナーの所有欲を満たす演出として、内装と同じ最高級レザーで仕立てられたウィークエンダーバッグ(旅行鞄)が付属するほか、ラゲッジルームには車両の真正性や所有権、仕様を証明・記録する「ブロックチェーン技術を活用したデジタル・プロダクト・パスポート」が搭載されているといい、これによって「将来的な資産価値の担保」まで完璧に計算されているのだそう。
電動化時代への強烈なアンチテーゼ。これぞブラバスの真骨頂
「ブラバス・ボド」は「速くて高い」だけのクルマではなく、現在の自動車業界が急速に進める「ハイブリッド化」「ダウンサイジング」「静音化」というトレンドに対する、ブラバスからの強烈な、そして最も贅沢なアンチテーゼ(反論)です。
創業者ボド・ブッシュマンが愛した「過剰なほどのパワー」「内燃機関の咆哮」、そして「邪悪なまでの漆黒の存在感(ダークシアター)」。
そのすべてが、彼の名前を冠したこの77台に宿っています。
100万ユーロを超える価格は一般的には天文学的ですが、フェラーリやアストンマーティンの既存のラインナップに飽き足らない世界のトップコレクターたちにとって、「他人が絶対に持っていない、ブロックチェーンで証明(保証)された1,000馬力の純V12フルカーボンGT」という価値は”むしろ”バーゲンプレイスに映るかもしれません。
自動車史の一つの章が終焉を迎えつつある今だからこそ、この血の通った内燃機関の怪物は、後世に語り継がれる伝説の1台となるものと思われます。
合わせて読みたい、ブラバス関連投稿
-
-
【魔改造】ブラバスがランボルギーニ・ウルスSEの内外装を「フルミント」へ。888馬力のパワーと「1億円」プライスが放つ圧倒的存在感
Image:Brabus | ここしばらく大きな話題がなかったブラバスではあるが | 記事のポイント(要約) ブラバス初のランボルギーニ: メルセデス専門の巨匠が、ついにウルスSE(PHEV)をベース ...
続きを見る
-
-
究極の「モノカラー」。ブラバスが電動バイク「アーバンE」を発表、ガジェットとラグジュアリーが融合した「未来のアーバンモビリティ」へ
| ブラバスはクルマのみではなく「ヨット」「住宅」そして「バイク」にも力を入れている | アーバンEは「モノカラー」を採用するといった今までにない新機軸を打ち出した メルセデス・ベンツはじめ高級車のチ ...
続きを見る
-
-
800馬力の衝撃。ブラバスによるメルセデス・ベンツGクラスのオープン版「800 カブリオ」に「XL」登場。超富裕層に向けた50台のみの限定モデル【動画】
| メルセデス・ベンツの至宝を「地上最強のオープンカー」に変貌させる究極の調律 | 500以上の新開発のコンポーネントと非常に複雑なソフトップシステムを組み合わせる メルセデス・ベンツのチューニングに ...
続きを見る
参照:Brabus











