
Image:Lotus
| おそらくこのままエヴァイヤはフェードアウト |
| エヴァイヤの納車報告は皆無に近く、ロータスの歴史的に「なかったこと」になりそうだ |
「軽量化こそ正義」を象徴する英国のスポーツカーブランド、ロータス。
そのトップである馮慶峰(フェン・チンフェン)CEOが放った発言が自動車業界へと大きな波紋を広げていますが、ことの発端は同氏がメディアの取材に対し「スポーツカーの重量は1.8トン未満であるべきだ。それを超えるものは凡作、あるいは『野菜のようなクルマ(退屈な車)』に過ぎない」と一蹴したこと。
しかしここで奇妙な一幕が生じることとなり、現在ロータスが販売している主要な最新モデルのほとんどが、この「1.8トン」という基準を遥かに超えるヘビー級のEV(電気自動車)だからです。
よって「自社のラインナップを身内から否定するかのような」発言が物議をかもしているというわけですが、この発言の裏にはロータスが目指す「次世代の原点回帰戦略」も見え隠れしています。

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この記事の要約と背景
- CEOの衝撃発言:ロータスのCEO、馮慶峰氏が「1.8トンを超えるスポーツカーは凡作(平凡な車)」とメディアに明言
- 自社ラインナップへの矛盾:現在のロータスが誇るハイパーEV「エヴァイヤ」や電動SUV「エレトレ」はすべてこの基準を大幅にオーバーしている
- 電動化戦略の撤回と未来:ロータスは完全EV化の計画を事実上凍結。V8ツインターボを搭載した新型「エスプリ(Type 135)」をもって本来の強みである「軽量化」へと原点回帰する
なぜ自社製品を批判?ロータス現行ラインナップの「重すぎる」現実
ロータスといえば、創業者コーリン・チャプマンの思想である「簡素化、そして軽量化(Simplify, then add lightness)」をDNAとして持つブランドです。
しかし、近年のプレミアムEVシフトによって、その車重はかつてないほどに膨れ上がっており、CEOの語った「1.8トン未満」という基準と実際の現行ラインナップの重量(スペック)を比較してみましょう。
ロータス主要モデルの車重・スペック比較
| モデル名 | カテゴリ / パワートレイン | 車両重量 | CEOの基準(1.8トン)との比較 |
| エミーラ (Emira) | ミッドシップスポーツ / ガソリン | 約1,487 kg | クリア(唯一の基準内) |
| エヴァイヤ (Evija) | ハイパーEVスポーツ | 約1,887 kg | 87kgオーバー |
| エレトレ (Eletre) | フル電動ハイパーSUV | 約2,540 kg | 740kgオーバー |
| エメヤ (Emeya) | フル電動セダン(ハイパーGT) | 約2,550 kg | 750kgオーバー |
現在、ロータスで「1.8トン未満」をクリアできているのは(見ての通り)最後の純ガソリンエンジン車である「エミーラ」だけ。

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2,000馬力オーバーを誇る2.3億円超のハイパーEV「エヴァイヤ」でさえ基準を超えており、SUVのエレトレやセダンのエメヤにいたっては、基準を700kg以上も上回る巨漢となっています。
馮慶峰CEOはこういった事実に対し、「最高出力の数値など無意味だ」とも付け加えており、電動化によって大馬力を出すことは容易になったものの、その引き換えとしてバッテリー重量によってハンドリング(操縦安定性)が損なわれてしまっては「本物のスポーツカーとは呼べない」というわけですね。
伝説の「エリーゼ」から学ぶ、ロータス本来の強みと市場の動向
かつての名車「エリーゼ」は、オプション構成によっては車重が700kg強(1,600ポンド未満)という驚異的な軽さを誇っており、初期のテスラが初代「ロードスター」の開発において、このエリーゼのシャシーをベースに選んだのもバッテリーを積んでもなお1.3トン未満に抑えられるその圧倒的な軽さがあったから。

市場に目を向けると多くの自動車メーカーが「完全EV化」の急進的な計画をトーンダウンさせ始めていて、その理由は重いバッテリーによる重量増加はタイヤやサスペンションへの負担を増やし、スポーツカー特有の「軽快なひらひら感」を奪ってしまうため。
競合であるポルシェなどもハイブリッドの可能性を模索する中、ロータスもまた完全に電気だけで走るスポーツカー計画(コードネーム:Type 135)を一度白紙へと戻すこととなり、これによって事実上ロータスは「EV1本化」を諦めて原点への回帰を行うこととなるわけですね。
そして今、ロータスが水面下で進めているのが、伝説的な名前を受け継ぐ次世代スポーツカー「新型エスプリ」の開発で、このモデルは完全なEVではなく「V8ツインターボエンジン+ハイブリッドアシスト」が搭載される見込みとなっています。
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Announcing: Type 135.
— Lotus Cars (@lotuscars) May 12, 2026
V8. Hybrid. Supercar.
The countdown begins now. pic.twitter.com/ZDlVZw7TDx
ロータスが描く未来へのメッセージ
一見すると、自社のユーザーや製品に対する「失言」のようにも捉えられる馮慶峰CEOの発言。
しかしその真意は、SUVやGTセダンといった「ビジネス(収益)のためのクルマ」と、ブランドの魂である「真のスポーツカー」とを明確に切り離したことにあるのかもしれません。
加えて、「これからのロータスは初心に戻って軽量性を追求する」という意思表明であるとも受け取ることができ、今後のロータスに対する「決意の現れ」であるとも考えられます。

重いバッテリーの言い訳をせず、もう一度世界を驚かせる軽量スポーツカーを作るーー。
CEOがあえて自社製品の現状を「凡作」とまで表現したのは、過去の過ちを認め、ロータスが最も得意とする「軽量化の未来」へ本気で舵を切るという強い決意の裏返しであると考えてよく、ガソリンの鼓動と最先端の軽量技術が融合する「新型エスプリ」の登場に世界中のファンが期待を寄せている、というのがその現在地です。
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参照:CarNewsChina











