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メルセデス・ベンツが2026年 第2四半期の販売データを公開、EV販売が+50%の大逆転。中国苦戦なるも「欧米シフト」で起死回生を狙う

メルセデス・ベンツCLA シューティングブレーク(ブラック)のタイヤとホイール
Life in the FAST LANE.

| 世界で進む「ベンツ離れ」は本当か?データが証明する真実 |

ただしメルセデス・ベンツの「いま」はけして楽観できる状況ではない

「最近メルセデス・ベンツの勢いが落ちている」「EVシフトは失速した」そんな噂を耳にすることが増えているかと思います。

しかし、メルセデス・ベンツ・グループが発表した2026年第2四半期(Q2)の公式販売データは、ぼくらが見聞きする印象とは全く異なる「地殻変動」を証明するもので、総販売台数511,900台という数字の裏には、激化する中国のEV価格競争の波に揉まれつつも、欧米市場での圧倒的なブランド力と最新EV(電気自動車)ポートフォリオによって、見事な「大逆転の基盤」を築きつつある同社のリアルな戦略が見えてくるかのように思えます。

この記事の要点

  • グローバル総販売台数:2026年第2四半期(4〜6月)のメルセデス・ベンツ・グループ全体の総販売台数は511,900台を記録(前四半期比+2%)。
  • EV(BEV)が猛追:新型モデルの投入が起爆剤となり、グループ全体の電気自動車(BEV)販売台数は前年同期比で50%増と驚異的な伸びを記録。
  • 中国市場の失速と欧米の躍進:マクロ経済の悪化と価格競争が激化する中国(前年同期比-30%)で苦戦する一方、北米(+13%)や欧州(+4%)が全体を牽引。ドイツ国内のEV販売は2倍以上に。
  • バックオーダーは来年まで:欧州市場では、新型の電動GLC、電動CLA、電動GLB、および最高峰のSクラスの注文がすでに翌年まで埋まる好調ぶり。
メルセデス・ベンツCLAのステアリングホイール
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詳細:市場別・セグメント別の勝敗、そして次なる一手

メルセデスの現在の状況を正確に理解するためには、「中国」と「中国以外の世界(欧米)」を完全に切り離して見る必要があり・・・。

メルセデス・ベンツ乗用車(Cars)部門の動向

まず乗用車部門のQ2販売台数は417,800台(前年同期比-8%)。

一見するとマイナスではありますが、中身を見ると北米が前年同期比13%増、欧州が4%増(本国ドイツは6%増)と主要な先進国市場ではむしろシェアを拡大しています。

特に驚異的なのはEV(BEV)の普及スピードで、グローバルでのBEV販売は52,900台(51%増)に達し欧州市場に限定すると前年同期比87%増という爆発的な成長を遂げることに。

これによって欧州でのメルセデス・ベンツの販売におけるEVシェアは26%(約4台に1台)にまで跳ね上がり、5月から注文が始まった新型「電動Cクラス」の滑り出しも上々であることもあわせて報じられています。

商用バン(Vans)部門の健闘

商用車部門も94,100台(前年同期比+1%)と極めて堅調で、特に米国(28%増)をはじめとする北米市場が23%増と大躍進。

さらに電動バン(eVans)の販売台数は46%増の10,100台となり、物流の世界でもメルセデス・ベンツの電動化シフトが確実に受け入れられていることが証明されていて、今回の公式発表における主要な販売データを比較しやすい表と箇条書きにてまとめると以下の通り。

乗用車・バン部門 グローバル合算データ(Q2 / 前年同期比)

部門販売台数(Q2 2026)前年同期比(Q2 2025比)前四半期比(Q1 2026比)
グループ総販売台数511,900台減少(通期ベース調整)+2%
— うちEV(BEV)総数63,000台+50%+25%
乗用車(Cars)部門417,800台-8%0%
— うちEV(BEV)数52,900台+51%+19%
商用バン(Vans)部門94,100台+1%+17%
— うち電動バン(eVans)10,100台+46%+64%
メルセデス・ベンツCLA シューティングブレーク(ブラック)のフロント
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乗用車(Cars)部門:地域別・主要国別の詳細

  • 欧州市場:166,400台(前年同期比 +4% / 年初来 YTDでは+5%)
    • うちドイツ国内:56,000台(前年同期比 +6%)※EV販売は2倍以上に増加し、国内シェアの24%がEVに。
  • 北米市場:91,300台(前年同期比 +13%
    • うち米国国内:81,900台(前年同期比 +10%)※「GLE」「GLEクーペ」を擁する中核(Core)セグメントが21%増と大ヒット。
  • アジア市場:138,300台(主に中国市場のトレンドを反映)
    • うち中国国内:98,600台(前年同期比 -30%
    • 背景:激しい価格競争、マクロ経済の減速、新型車への移行期、および安易な値引きを避けるブランドコントロール(アクティブな販売調整)によるもの。ただし、1000万円超(100万元超)の超高級セグメントでは首位を維持。

車種セグメント別のパフォーマンス

  • トップエンド(最高峰):58,100台(-10%)
    • モデルチェンジの過渡期ながらも、伝統の「Gクラス」がグローバルで3%増、欧州で25%増、本国ドイツにいたっては42%増と異次元の人気を維持。
  • コア(中核:C/Eクラス、GLC、GLE等):249,300台(-9%)
    • 「GLC」および「GLE」への需要が非常に高く、特に新型の電動GLCは下半期に向けて大量のバックオーダーを抱える。
  • エントリー(A/Bクラス、CLA等):110,400台(-4%)
    • 新型「CLA」や「GLB」が牽引。7月末には新型「電動GLA」の世界初公開と販売開始を控える。
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競合比較と市場での位置付け:中国独自の「超デジタル競争」への逆襲

現在、(メルセデス・ベンツに限らず)自動車業界の最大の焦点は「中国市場での生き残り」。

BYDやXiaomi(シャオミ)といった現地中国メーカーが圧倒的な低価格とスマートフォンさながらのデジタル空間を武器にシェアを急速に拡大しており、メルセデス・ベンツだけでなくBMWやアウディなどの欧州プレミアム勢も苦戦を強いられているというのが現在の状況です。

しかし、メルセデス・ベンツはただ手をこまねいているわけではなく、彼らは2026年後半、中国市場のゲームチェンジャーとなる「中国専用の次世代ローカライズモデル」を大量投入する計画を持っており、具体的には、中国ユーザーが最も重視する後席の広さを確保したロングホイールベース仕様の「電動GLC L」、新型「Sクラス」、そして「メルセデス・マイバッハ Sクラス」。

これらのモデルには現地の好みに完璧に合わせた最先端のインフォテインメントシステムに加え、「AI(人工知能)搭載のデジタルコックピット」および「業界最高峰のインテリジェント自動運転アシスト」が投入され、今後6〜12か月以内にほぼすべてのラインナップへと新しいUXが実装される予定であることについても言及されています。

2026年モデルのメルセデス・マイバッハ(リア)

Image:Mercedes-Benz

なお、今までの欧州の自動車メーカーは世界中で同じモデルを販売する「グローバル化」を進めてきましたが、このビジネスモデルが限界に達していることも明らかになっていて、そのためメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、アウディは「中国市場は中国専用モデルで戦う」計画へと転じているのもの既報の通り。

よって今回のメルセデス・ベンツの決算内容における「中国」の数字は「以前の計画」の結果であり、「中国と他地域とを分けて考える必要がある」と述べたのはこういった理由があるためです(中国市場での反撃は「これから」始まる)。

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メルセデス・ベンツが展開する「第3の場所:Mercedes-Benz Studios」とは?

メルセデス・ベンツは2026年Q2、ヨーロッパ、アジア、北米の主要都市の一等地に「Mercedes-Benz Studios(メルセデス・ベンツ・スタジオ)」と呼ばれる新しい体験型拠点を次々とオープンさせ、これは、従来の郊外型ディーラー(販売店)とは全く異なる役割を持っています。

なぜ今、都市型スタジオなのか?

  1. 「売る場所」から「没入(イマーシブ)空間」へ:デジタルネイティブ世代や、これまでディーラーに足を運ばなかった層に向け、ライフスタイルやアート、最先端技術を五感で体験できるイベントスペースとして機能する
  2. 購入検討プロセスのデジタル化に対応:いまやクルマはネットで情報を収集してオンラインで注文する時代であり、そのためこのスタジオは「実車を確認したい」「専門的なコンサルティングを受けたい」「最新EVの試乗をしてみたい」という、Webとリアルの中間に位置するファンの欲求を満たすための“究極のブランドサードプレイス”として設計されている

単に鉄の塊としてのクルマを売るのではなく、「メルセデス・ベンツのあるインテリジェントな暮らし」を体験として提案する。この販売ネットワークの再構築こそが、彼らがテスラや新興EVメーカーとの差別化を図るための隠れたコア戦略というわけですね。

メルセデス・ベンツCLA シューティングブレークのインテリア
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結論:下半期の「大攻勢」に向けて準備を進めるメルセデス・ベンツ

マクロ経済の停滞やアジア圏の消費マインドの冷え込みなど、逆風のなかでスタートした2026年ではありますが、メルセデス・ベンツ・グループの足腰は非常に強固です。

Mathias Geisen(マティアス・ガイセン)取締役、「ブランド史上最大のモデル投入計画が本格的に軌道に乗ってきた。新型EVへの需要は非常に強く、欧州での受注はすでに翌年にまで達している」と強い自信をのぞかせており、7月末に控える新型「電動GLA」の世界初公開、そして秋以降に控える中国市場向けAIコックピット車の大量投入など、2026年下半期はメルセデスにとって真の「大反撃」の季節となりますが、バックオーダー(受注残)が潤沢にあることから同社は「下半期の販売台数は、上半期を確実に上回る」と予測しており、その後の「中国市場での反撃」とあわせて考えると、同社の未来には「光が差してきた」というところなのかもしれません。

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参照:Mercedes-Benz

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