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| 1003馬力の怪物が刻んだ歴史的ラップタイムの裏側とは |
ニュルブルクリンクのラップタイムは「新しい領域」に
シャオミ(Xiaomi)がまた「スマートフォンメーカーが作ったクルマ」という枠組みを完全に超越した瞬間を世に示すことに。
今回は同社のハイパフォーマンスEV『YU7 GT』が世界有数の超難関コースであるドイツのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)にて、ドライバーの介入を一切行わない「完全自動運転」でのラップタイム記録を世界で初めて記録(樹立)したと発表し、既存自動車メーカーに先駆ける偉業を達成しています。
かつてはマシンはもちろん、人間の限界をも試す聖地であったニュルブルクリンクではありますが、そこに自社開発の最新自動運転ソフトウェア搭載車両を持ち込んで1000馬力オーバー、かつSUVの重心が高い巨体を電子制御だけで完全にコントロールしたシャオミの技術力が世界中の自動車関係者に大きな衝撃を与えている、というわけですね。
ここでは、この歴史的なアタックで記録された正確なタイム、それを支えたモンスター級のパワートレイン、そして最新の市場での売れ行きまでを見てみましょう。
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シャオミが新型エレクトリックSUV「YU7 GT」を正式発表。990馬力に「ニュル最速(SUV)」、さらには800万円という価格をもってポルシェやテスラを脅かす存在に
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この記事の要点
- 無人運転でニュルを走破: シャオミ(Xiaomi)のハイパフォーマンスEV「YU7 GT」が世界で初めてニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)を完全自動運転(ドライバーレス)で周回する快挙を達成
- 1000馬力超の圧倒的スペック: 自社開発の「Super Motor V8s EVO」を搭載し、最高出力1,003馬力、0-100km/h加速2.92秒をマーク。897Vの超高電圧シリコンカーバイド(SiC)プラットフォームによる異次元の熱管理を誇る
- AIと人間のタイム差: 自動運転アルゴリズムによる公式タイムは「10分29秒483」。安全マージンを最優先したプログラミングのため、人間がドライブしたベストタイムより3分7秒遅いものの、量産ソフトウェアの基準点として極めて大きな一歩に
- 市場でのポジショニングと販売動向: 価格は38万9,900元(約57,596米ドル)から。2025年末のピーク時から直近の2026年5月(8,736台)にかけては需要が一段落しているが、中国国内のプレミアムEV市場で強固な存在感を示している

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AIが過酷なグリーンヘルを攻略、人間とのタイム差に見る「安全マージン」
シャオミが挑んだ今回のテストでは、(人間の)ドライバーあるいは乗員を一切乗せない状態で行われており、複雑にうねる高速コーナーや激しい高低差で知られる“グリーンヘル(緑の地獄)”と称されるニュルを見事に走り抜け、記録した公式自動運転タイムは「10分29秒483」です(しかも動画を見るに雨天であったようなので、晴天であればもっと良いタイムを記録できたであろう)。
このタイムは人間のプロドライバーが同車を操って記録したタイムよりも「3分7秒」遅い結果となっていて、参考までに開発初期に人間の手によって運転され計測されたタイムは7分34秒931という驚異的なものであり、つまり搭載される自動運転システムが「より進化を遂げれば」これに近いタイム(あるいはこれを超えるタイム)を記録することができるようになるのかもしれません。
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参考までに、3分以上の差がついた理由について、シャオミエンジニアは「AIの安全パラメーターと、人間が限界域で行う境界線テスト(限界攻め)の差」であると説明しており、つまりソフトウェアはサーキットという極限状態でも、車両をクラッシュさせず確実に生還させるための「安全マージン」を極めて厳格に保持して走行していた、ということに。
これは、将来的な市販車の自動運転ソフトウェアの安全性を証明する強固なベースライン(基準点)となるもので、得られた検証データはいずれ市販車にもフィードバックがなされるものと思われます。
シャオミ YU7 GT:車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴、競合比較 or 市場でのポジショニング
シャオミ『YU7 GT』はただの「実験車」ではなく、すでに中国市場でデリバリーが始まっている市販モデルで、その驚異的なパフォーマンスと市場での立ち位置をまとめてみると以下の通り。
パワートレインと熱管理のイノベーション
このモデル最大の強みは超高負荷が連続するサーキット走行に耐えうる「電気アーキテクチャ」と「熱管理(クーリング)」にあり・・・。
- 897V シリコンカーバイド(SiC)プラットフォーム:一般的な400Vシステムを遥かに凌ぐ超高電圧システムを採用。これにより電気の変換効率を高め、発熱を大幅に抑制
- Super Motor V8s EVO:シャオミ独自の高効率・高出力モーター。超高速域での急激なステアリング操作や加減速の際にも、システム全体の熱を急速に逃がす構造を構築している
- 先進のバッテリー冷却レイアウト:101.7 kWhの三元系リチウムバッテリーパックを搭載。急激な放電時に発生するセルの温度上昇を抑え、電流密度を均一に保つことが可能。これが、自動運転アルゴリズムが要求する「長時間のピークパワー維持」を可能にしている

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主要スペック・価格一覧
| 項目 | スペック・詳細 |
| 最高出力 | 738 kW(1,003馬力) |
| 0-100 km/h 加速 | 2.92秒 |
| 最高速度 | 300 km/h(リミッター作動) |
| 航続距離(CLTC) | 705 km(満充電時) |
| 超急速充電性能 | 15分間の充電で最大570 km走行分のエネルギーを補給 |
| エントリー価格(YU7) | 389,900元(約420万円) |
| 最上級フル装備価格 | 429,900元(約890万円) |
市場でのポジショニングと販売コンストラクション
YU7全体の価格帯としては、中国国内における「プレミアム(上級)電動SUV・クロスオーバー」のセグメントに位置していて、販売ボリュームを見ると2025年12月に39,089台、2026年1月に37,869台という驚異的なロケットスタートを記録。
直近の2026年5月では8,736台(前月比11.5%減)と需要の落ち着きを見せていますが、依然として高価格帯のハイパフォーマンスEVとしては市場で強い存在感を放っていることもわかります。
「自動運転×サーキット」が市販車の安全性を爆発的に進化させる理由
多くの人は「なぜ公道を走る市販車の自動運転のために、わざわざサーキットでタイムアタックをするのか?」と疑問に思うかもしれません。
あるいは「単なる曲芸に過ぎない」とも。
しかしここに、AI時代における自動車開発の「新しい目的」があり・・・。
1. サーキットは「ミリ秒単位の極限状態」を学習する最高の実験場
公道での自動運転は信号や歩行者、他車の手前で「いかに安全に止まるか、避けるか」が主目的です。

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しかし、サーキット、特にニュルブルクリンクは時速200km以上でのコーナリング、タイヤのグリップ限界(摩擦力)、急激な荷重移動が連続する世界でもあって、ここで無人ラップを成功させるということはAIの車両制御アルゴリズムが「タイヤが滑り出す寸前の挙動」や「車体がスピンしかけたときのミリ秒単位のリカバリー」を完璧に計算できている証明にほかならず、ここで得られたデータは「さらに車両制御の精度を高めるため」にも使用されることに。
そしてこの限界域の制御データが市販車にフィードバックされれば、雨の高速道路でのスリップ回避や、緊急時の危険回避性能が飛躍的に高まるというわけですね。
2. 「シャオミ」というテック巨人が自動車の常識を書き換える
(トヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツ、BMWなどの)伝統的な自動車メーカーは「走る・曲がる・止まる」という機械工学から出発し、後付けでソフトウェアを組み込んできましたが、しかしシャオミのようなIT・テック企業は、最初から「強大なコンピューティングパワーとAI」を中心にクルマを設計していて、つまりは最初から「無人で走るクルマ」「滑らないクルマ」をソフトウエアから設計し、その後に機械工学を組み込むという「逆の」手法を採用しています。
加えて、今回の15分で570km回復する充電システムやモーターの熱管理構造にしても、スマートフォンの超急速充電やCPU冷却で培ったサーマルマネジメント技術の応用とも言えるもので、「クルマを動くスマートフォン(巨大なデバイス)として捉える」アプローチが、伝統的なメーカーの何倍ものスピードでの技術革新を可能としているわけですね(機械工学の進化速度ではなく、ソフトウエア業界の進化速度がシャオミはじめ新興EVメーカーの強みである)。

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結論
シャオミ「YU7 GT」がニュルブルクリンクで達成した世界初の無人自動運転ラップは、単なるプロモーションの枠を超え、次世代モビリティの可能性を決定づける歴史的なマイルストーンともいうべきもの。
人間がドライブする圧倒的な速さ(7分台)にはまだ及びませんが、「1003馬力という暴力をコンピューターが完全に手なずけて難コースを走りきった」という事実はシャオミのハードウェアと自動運転アルゴリズムが極めて高い次元に達しているという証拠です。
直近の販売台数こそ落ち着きを見せているものの、こうしたモータースポーツの聖地での過酷な挑戦とデータ蓄積が今後のシャオミ製EVの信頼性とブランド価値をさらに高めていくことは間違いなく、テック発のハイパフォーマンスEVが今後どのような進化を遂げていくのか、その動向から目が離せないといったところでもありますね。
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