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【試乗:日産キックス】日産「復活の狼煙」となる一台。ここまでの完成度とデザイン性、「こだわり」を誇るのであればもはや輸入車を購入する意味を見いだせない

日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜リア
Life in the FAST LANE.

| これまで輸入車の魅力といえば「デザイン」「質感の高さ」ではあったが |

日産はグローバル化を経て欧州の自動車メーカーと対等に戦えるだけの実力を身に着けている

さて、ぼくにとって久々の「日産車の試乗」となった新型キックス。

結論から言えば「この金額でこのパフォーマンスとデザイン性、あわせて経済性を持ち合わせるのであれば、もう欧州車を購入する理由はない」。

なお、日産に限らず近年の国産車は非常に高い競争力を身に着けており、中には輸入車を凌駕する魅力を持つモデルも少なくはなく、さらに輸入車よりも優れるリセールバリューを誇るモデルも多数存在します。

それが近年「ぼくが国産車を購入する」理由でもありますが、そういった認識をさらに「確固たるもの」にするかのような存在がこの日産キックスです(たった数年、日産車から離れている間に「ここまで日産車は進歩していたのか」と驚かされた)。

日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜フロント
Life in the FAST LANE.
日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜フロント
新型日産キックスを見てきた。画像よりも実車のほうが格段に「質感とデザイン性が高く」、ここまでお金のかかった日産車を久々に見たような気がする

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新型日産キックス:従来モデルからの主な変更点

2026年6月に発売された新型キックスは「日本仕様としては初のフルモデルチェンジとなるモデル」であり、最大の特徴は第3世代e-POWERの採用とe-4ORCE(電動4WD)が(キックスとして)初めて設定されたこと。

1. 第3世代 e-POWER

新型キックス最大の進化が新開発の第3世代e-POWERの搭載で・・・。

  • エンジン:1.2L 3気筒
  • 駆動:100%エレクトリックモーター駆動(シリーズハイブリッド)
  • 発電効率を大幅に向上
  • 高速走行時の燃費改善
  • エンジン音や振動を低減
  • 加速フィールもより滑らか

従来型より静粛性と燃費性能が大きく改善され、「電気自動車に近い走り」がさらに進化しています。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜シート
Life in the FAST LANE.

とくに「静粛性」は特筆すべきレベルにあり、これまでのe-POWERだとエンジンのオンオフ、そしてエンジンのあげる唸りが「それとわかった」ものですが、新型キックスでは「ほぼわからない」レベルにあり、そうと言われなければこのクルマのパワートレイン構造については「全く想像すらできない」ほど。

なお、アクセルペダルに対する反応はこれまでのe-POWER同様に「ガソリン車的な雰囲気をある程度残す」というもので(これはノスタルジーというよりはガソリン車からの乗り換え組に違和感を与えないためだと思われる)、しかし「踏めば瞬時に反応する」リニアさを持っています(非常に気持ちがよくキビキビした挙動である)。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜全景
Life in the FAST LANE.

そして「静粛性」について補足しておくと、ロードノイズが車内へとほぼ侵入せず、これは制振や遮音がしっかりしているということに加え、「各部の振動が抑えられている」ということをも意味します(ノイズとはつまるところ振動でもある)。

実際のところ、試乗中に隣を走るクルマのロードノイズがサイドウインドウ越しに入ってくるのが気になるほどで、つまり「自分のクルマが発するロードノイズはフロアやタイヤハウスから車内に侵入しない」ということになりますね(これでサイドウインドウが二重ガラスだったりすると、車内は静寂そのものなのかもしれない)。

2. e-4ORCEを初採用

4WDモデルには日産の電動4WDシステムe-4ORCEを採用しており、そのメリットは以下の通り。

  • 雪道・雨天での高い安定性
  • コーナリング性能向上
  • 前後モーターによる優れたトラクション
  • 加減速時の姿勢変化を抑え、乗り心地も改善
日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜グレードバッジ
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アリアやエクストレイルで高評価を得ているシステムがキックスにも搭載されたということになり、これはトラクション制御に貢献するだけではなく、「ハンドリング」「加速」「減速」における姿勢制御にも大きく関わっていて、これは以前に日産が公式としてYouTubeへと公開した、「e-4ORCEを搭載した台車にラーメンどんぶりを乗せて走ってもラーメンスープがまったくこぼれない」という動画がその性質をよく表しているように思います(まさに新型キックスはこんな感じで姿勢がまったく乱れない)。

加えてサスペンションの動きも素晴らしく、ストロークはかなり短いように思えるものの、突き上げ感や揺り戻しはまったくなく、正直なところ「驚くべきレベルにある」という印象。※スタンダードな欧州車のレベルを超えており、それらがアナログで旧世代の乗り物に思えるほどである

なお、試乗したグレードは最上位の「G(e-4ORCE)」なので19インチホイールそして225幅という比較的重いタイヤ / ホイールを装着しているものの、にもかかわらずこれだけうまくコントロールしているということは、車体の剛性がかなり高いということなのだと考えられます。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜ステアリングホイール
Life in the FAST LANE.

3. デザイン刷新

外観は従来型から大きく変わり、以下の要素によって都会的で力強い印象になっていますが、「前から見ても」「後ろから見ても」非常に斬新かつインパクトがあり、周囲のクルマの乗員に対してはそうとうな存在感を示すことになりそうですね(試乗中でもけっこう注目を浴びたことが印象的である)。

  • 新世代グリル&デイタイムランニングランプ
  • シャープなLEDヘッドライト
  • ワイド感のあるフロントマスク
  • 新デザインのLEDリアランプ
  • 新しいアルミホイール
日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜フロント
Life in the FAST LANE.

参考までに新型キックスのボディサイズは以下のとおりで、現代の水準からすると「まだコンパクト」と言って良い部類かもしれません。

項目数値
全長4,365 mm
全幅1,800 mm
全高(2WD)1,620 mm
全高(4WD e-4ORCE)1,630 mm
ホイールベース2,655 mm
最低地上高200 mm
最小回転半径5.3 m
日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜リア
Life in the FAST LANE.

4. インテリア

室内も全面的に刷新され、あらゆる面において先代よりも「2ランクくらい」アップしたという印象。

  • フルデジタルメーター
  • 大型センターディスプレイ
  • NissanConnect
  • ワイヤレスApple CarPlay
  • ワイヤレスAndroid Auto
  • USB Type-C
  • Zero Gravityシート
日産キックス(ホワイト)のインテリア〜シート
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試乗して気づいたのは(内装の質感の高さに加え)メーターやインフォテイメントシステムの表示のわかりやすさ(グラフィカル)、タッチ式スイッチと物理ボタンとの棲み分けがよくできていること、そして瞬時に、かつ頻繁に操作しなければならないところは「物理ボタン」を採用し、かつ「操作しやすい位置」にあること。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜スイッチ
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さらにいえば、右ハンドルであっても左ハンドルでも操作しやすい位置(つまりセンター)に物理スイッチが設けられ、「日本に入ってきた欧州車」のように」なぜそんなところにこのスイッチが・・・」ということもなく、ここはグローバルモデルとして非常によく考えられた設計を持っている、と唸らされる部分です。

そしてもうひとつ触れておきたいのはウインカーレバーのタッチの良さで、非常に上品なクリック感と節度をもってレバーを操作することができ、日産がここにそうとうなコストを割いたこともわかります。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜デジタルメーター
Life in the FAST LANE.

そのほか、内装の質感(樹脂パーツ、レザー、ファブリック部分などすべてにおいて)、仕上げのレベルは非常に高く、ありきたりな表現ではありますが「クラスを超えた」という印象。

そしてファブリック部分は「見るからに先進的」で、多くの自動車メーカーが「レザーよりも高級感がある素材を探そうとするものの一向に見つからない」中、日産は「レザーよりも高品質に見える」素材と加工を見つけて採用したというのがぼくの感じたところであり、人それぞれではあると思いますが、ぼくとしては「レザーよりもこのファブリックを選びたい」とも思うほど。

日産キックス(ホワイト)のインテリア〜シート
Life in the FAST LANE.

そして特筆すべきは運転席からの「視界」であり、新型ジュークはぼくが運転したことがあるクルマの中でも「もっともダッシュボードが低く見晴らしがいいクルマ」。

フロントがゴツめなので前が見にくそうに思えるものの、まったくそんなことはなく、非常に開けた素晴らしい視界を持っています(一方、フロントフェンダーが盛り上がっており、ポルシェのような感じで車両感覚を掴みやすい)。

日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜フロント
Life in the FAST LANE.

参考までに、日産はけっこう前から「視界」にはこだわっていて、モデルによっては三角窓を設けたり、斜め前の視界を確保するため「内装パネルが視界を塞がないよう」Aピラーの内張りをスリムにしたり(セレナではこの傾向が顕著であり、左右でピラー内張の形状を変えているほど)といった努力も見られます。

そしてこの新型キックスでは「ドアミラーがドアスキンにマウントされ」、室内から見るとAピラーとドアミラーとの間に空間があるために「ドアミラーが斜め前方の視界を塞ぐ範囲が最小限で」、そのため左折時の巻き込み確認が非常に行いやすくなっています。

小さな部分ではありますが、毎日乗ることを考えるならば、これは非常に重要な部分かもしれません。

日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜ドアミラー
Life in the FAST LANE.

5. 安全装備

以下のような最新の運転支援機能を搭載などが用意され、早い話が「全部入り」。

これについては最高レベルのものが備わっていると考えてよいかと思います。

  • ProPILOT
  • 360°セーフティアシスト
  • 緊急ブレーキ
  • 車線維持支援
  • ブラインドスポットモニター
  • アダプティブクルーズコントロール
日産キックス(ホワイト)のインテリア〜センターコンソール
Life in the FAST LANE.

総評

新型キックスは従来型からの「正常進化」というよりは「上位移行」を果たしたともいうべきモデルです。

もともと先代のキックスは南米向け、さらには「現地の若者を対象とした、求めやすいクルマ」として企画され投入されていますが、その後ほか市場からの要望もあって北米、東南アジア、そして日本にも投入されたという経緯を持つ一台。

つまりはもともと「限られた市場とターゲットに向けて」作られたクルマであったわけですが、一方の新型キックスは(先代の世界的成功を受け)当初からグローバルモデルとして企画されており、さらには「世界戦略車」としての役割を課せられているため、日産は新型キックスに対して「かなりのコストをかけて競争力を向上させた」であろうことが視覚や触覚から、そして実際に運転した印象からも伝わってくるかのよう。

日産キックス(ホワイト)のエクステリア〜リア
Life in the FAST LANE.

そのぶん価格はやや高価(299万円〜423万円)になってしまったものの、それでもこの価格で「このデザイン、この装備、この素材、このこだわり」を持つクルマはほかに類を見ず、さらには「e-POWER」「e-4ORCE」という排他性を考慮するならば、この新型キックスは非常に強力な選択肢ということに。

ただ、唯一の弱点があるとするならば、先代キックスの「安価で若者向け」というイメージで、しかし新型キックスは「名前以外は」先代との共通性はなく、よって時間が経てば先代によるセグメンテーションも影を潜め、新型キックスのイメージに徐々に寄せられてゆくのかもしれません。

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