
| まさかプレリュードを買う人がここまでいようとは |
ただし実際に走っているのは一回しか見たことがない
「シビック Type Rのエンジンを積むべきだった」「FFでハイブリッドのクーペなんて誰が買うのか」――発表当時、SNSや掲示板でクルマ好きからの厳しい声が相次いだホンダ「プレリュード」。
しかし日本国内では50代を中心に人気だといい、全米市場での売れ行きも「意外や」好調ということが明らかに。
実際のところ、2026年1月から7月までの全米販売台数において、純粋なFRスポーツカー、そしてより安価な選択肢であるスバルBRZを約300台に引き離し、見事な好スタートを切ったことが報じられています。
つまることろ、ネット上で叫ばれる「クルマ好きの理想」と、実際にディーラーで契約書にサインする「リアルな購入者の選択」に(フェラーリ ルーチェ同様)またしても大きなギャップが存在したということになりますが、最新の販売データを交え、その背景と理由について考えてみましょう。
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様々な批判にもかかわらず新型プレリュードはけっこう「売れて」いた。なお購入者のメインは「バブル期を青春とともに過ごした」50-60代
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この記事の要点(3行まとめ)
- プレリュードがBRZを逆転:2026年1〜7月の全米販売台数において、ホンダ プレリュード(2,077台)がスバルBRZ(1,785台)を約300台上回る結果に。
- 「ネットの声」と「実際の購買」の温度差:「Type Rエンジンじゃない」「ハイブリッドクーペなんて」というクルマ好きの批判を他所に”日常使いできる上質なクーペ”として現実の市場でヒット。
- 王者ロードスターとGR86の壁:依然としてマツダMX-5(ロードスター)が約6,000台と独走状態だが、実用性重視のクーペ市場でプレリュードが存在感を発揮。

2026年全米スポーツクーペ販売データ比較
アメリカ市場における主要スポーツモデルの販売状況(2026年1〜7月累計)を比較すると、プレリュードの位置づけが鮮明に見えてくるかのようで・・・。
| 車種 | 駆動方式 / パワートレイン | 米国ベース価格(諸費込) | 2026年7月単月 | 2026年1〜7月累計 |
| マツダ MX-5(ロードスター) | FR / 2.0L NAガソリン | 約$31,065〜 | 974台 | 5,984台 |
| ホンダ プレリュード | FF / 2.0L e:HEV(HV) | 約$43,195 | 354台 | 2,077台 |
| スバル BRZ | FR / 2.4L 水平対向NA | 約$37,055 | 233台 | 1,785台 |
| トヨタ GR86 | FR / 2.4L 水平対向NA | 約$34,195〜 | 未発表 | 4,007台(※6月時点) |
7月単月でも「それなりに」売れているところを見るに、意外にも「コンスタントに」デリバリーがなされていて、つまるところ「最初にドンと売れただけ」ではなかったということがわかりますね。
なぜピュアスポーツのBRZではなく、ハイブリッドのプレリュードが選ばれるのか?
性能やスペックの比較だけを見ると、スバルBRZのほうが「スポーツカーとしての理想」を満たしているように見え、そして「電動化が敬遠され、かつマニュアル・トランスミッションが好まれる」という直近のスポーツカー界隈の状況を見ても環境的には「プレリュードが不利」。
- スバル BRZの強み:軽量なFR(後輪駆動)レイアウト、低重心な水平対向エンジン、マニュアル・トランスミッション(MT)の設定、そして手頃な価格帯。
- ホンダ プレリュードのスペック:FF(前輪駆動)、ハイブリッド(e:HEV)、2ドアクーペスタイル、価格は約43,195ドルとBRZよりも高額設定。
ネット上の掲示板やSNSでは「手頃なFRでMTのBRZこそが至高」と絶賛される一方、実際の販売現場では高額かつハイブリッドなプレリュードが売れており、この現象の背景にはターゲット層の「現実的なライフスタイル」があるものと推測され・・・。

1. 「サーキットの速さ」より「毎日の快適性と上質感」
BRZやGR86を購入する層は、週末のワインディングやサーキット走行(トラックデイ)を意識するピュアな走り好きが多くを占めるものと思われ、その一方で新型プレリュードを選ぶ層は「毎日の買い物や通勤を、スタイリッシュでおしゃれなクルマで快適に楽しみたい」という実用志向のドライバーなのかもしれません。
よって過激な足回りやエンジンの咆哮よりも、ハイブリッドならではの静粛性、滑らかな加速、そして優れた燃費性能が日常の足として大きな魅力となっているのでしょうね。
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2. 80〜90年代から変わらない「プレリュード本来の顧客像」
かつて1980〜90年代に爆発的なヒットを記録した初代〜3代目プレリュードも決してサーキットで最速を目指すスパルタンなクルマではなく、しかし洗練されたデザインと快適なインテリアを備えた「デートカー」や「大人のおしゃれな通勤車」として、社会人や大人のドライバーから絶大な支持を集めていたという背景も。
今回の新型”ハイブリッド”プレリュードもまた、まさにその歴史的ルーツとターゲット層(上質なスモールクーペを求める層)にぴったりと合致しているというわけですね。
知っておくべき関連知識:スポーツカー市場における「声の大きさ」と「購買行動」の乖離
自動車業界では古くから「ネットで絶賛されるクルマほど売れず、ネットで叩かれる車ほど売れる」という不思議な現象(ノイズとシグナルの乖離)が知られています。
- 「ネットの声」の正体:情熱的な自動車ファン(エンスージアスト)は、「マニュアル(MT)」「純ガソリン車」「FR駆動」「軽量」を熱心に求め、SNSやコメント欄で強い声を発信する傾向がある。しかし、彼らが実際に新車をディーラーで購入する割合は市場全体から見ればごく一部にしか過ぎない(あるいは買う気がなく文句だけを言う人も少なくはない)
- 「サイレント・マジョリティ」の選択:実際に新車を現金やローンで購入する多くの一般ユーザーは、デザインの格好よさ、ブランドイメージ、燃費の良さ、オートマチックの扱いやすさ、先進の安全装備を重視する人々であり、そういった人々はネットで「発言する」よりは「意見の収集に徹する」傾向がある

今回のプレリュードとBRZの逆転劇は、自動車メーカーがいかに「ネット上の熱狂的な声」だけに惑わされず、実際の市場ニーズ(リアルな顧客層)を見極めてプロダクトを企画することがいかに重要かを示す「象徴的なケーススタディ」であると考えてよく、逆に「ネットの声を真に受けて」消費者の求めるままのクルマを発売すると「買う買う詐欺」にあって全然売れない、ということなのかもしれません。※実際にそういった例もある
結論
「Type Rのパワートレインを載せてほしい」「FRじゃなきゃダメだ」という熱狂的なファンの声に応えるのもスポーツカーの浪漫ではありますが、しかし、ホンダが新型プレリュードで提示した「時代に即したハイブリッド技術と日常を彩る美しいクーペスタイル」という答えは見事に現実の購買層の心を掴むことに成功しています。
圧倒的な販売台数を誇るマツダ・ロードスター(MX-5)の壁は依然として厚いものの、日常使いに寄り添ったプレミアム・ハイブリッドクーペとして、新型プレリュードは北米市場で着実に独自のポジションを築き始めているというのが現状であり、日本市場の動向も気になるところでもありますね。
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参照:CARSCOOPS











