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| 「限定販売される」という話があったものの、まさかの「ワンオフ」 |
残念ながらこのクルマが市場に出ることはなさそうだ
自動車ファンの間で「ポルシェが“Flachbau(フラッハバウ)”の商標を特許庁へ申請した」と大きな話題を呼んでいましたが、その正体がついに解き明かされる瞬間がやってくることに。
それが今回紹介する「911 フラッハバウ RS(Flachbau RS)」ということになりますが、このクルマは熱狂的なポルシェ愛好家のオーダーにより、ポルシェのカスタマイズ最高峰部門である「ソンダーヴンシュ」と、ニュルブルクリンクの覇者「マンタイ・モータースポーツ」が約3年の歳月をかけて生み出した究極の固体であるとアナウンスされています。
ベースとなったのは、すでに極限まで軽量化とハイパワー化が図られていた「911 GT2 RS(タイプ991.2)」。クラシックなモータースポーツの伝統と最新の空力テクノロジーが見事に融合した、究極のワンオフモデルの全貌を紐解きます。

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この記事の要約
- ポルシェ公式ワンオフモデルの誕生: ポルシェのビスポーク部門「ソンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」と「マンタイ(Manthey)レーシング」との共同開発により、世界にたった1台の公道走行可能なコレクターズモデルが完成
- 伝説の「フラッハバウ(スラントノーズ)」復活: 1970〜80年代にレース界を席巻した伝説の耐久レーシングカー「935/78(通称:モビー・ディック)」をオマージュしたフラットなフロントマスクを採用
- GT2 RSをベースに31.6kgの追加軽量化: タイプ991.2の「911 GT2 RS ヴァイザッハ・パッケージ」をベースとし、音響素材やエアコン・オーディオ等の快適装備を廃して徹底的な軽量化を敢行
- 圧倒的なエアロダイナミクス性能: 「911 GT3 R rennsport」にインスパイアされたS字型マウントの巨大リアウィングを装備し、時速340km時にリア軸へ554kgもの強力なダウンフォースを発生

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伝説の「モビー・ディック」と「フラッハバウ」の歴史的背景
ポルシェにおいて「フラッハバウ(Flachbau=ドイツ語でフラットな構造、英語ではスラントノーズ)」は、特別な歴史を持っています。
- ル・マンを制した「935/78 モビー・ディック」:1970年代後半、ポルシェは930型911ターボをベースにしたレーシングカー「935」で世界の耐久レースを席巻。中でも1978年に登場した「935/78」は、長く引き伸ばされた白い空力ボディから「モビー・ディック(白鯨)」の愛称で恐れられ、圧倒的な速さを誇ったことで知られている
- 1980年代の公道モデル「931/930 フラッハバウ」:レースでの成功を受け、ポルシェは1980年代にリトラクタブルヘッドライトを備えたスラントノーズ仕様の911ターボを限定販売(1982〜1989年に948台を販売)。現在でもコレクターズアイテムとして非常に高い希少価値を誇る
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今回のプロジェクトでは、元スタイリング・ポルシェのデザイナーであるグラント・ラーソン氏(2018年の「ポルシェ935」現代復刻版を手掛けた人物)がデザインを担当。
「グランプリホワイト」のボディカラーにマットブラックや露出カーボンを配し、ボンネットには935/78のマルティニ・カラーを想起させるU字型のコントラストグラフィックが描かれています。

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徹底された空力開発と厳しい走行テスト
見た目だけのドレスアップカーとは異なり、この「フラッハバウ RS」はポルシェのモータースポーツ基準で完璧に機能するよう開発されており・・・。
- 階層型スリムLEDヘッドライト: 丸型ヘッドライトを廃し、高さ4cmに満たない極薄のロー/ハイビームと2cm未満のスリムなデイタイムランニングライトを縦に3段配置
- フロントフェンダーのルーバー: ホイールハウス内の空気圧を逃がし、フロントの接地性を高めるエアアウトレットを装備
- 特許取得の3段階調整式リアウィング: 911 GT3 R rennsportにインスパイアされたS字マウントのリアウィングは手動で3段階に調整可能。「ハイ・ダウンフォース」設定時には時速340kmで554kgのダウンフォースを発生させる

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開発チームはデジタル上の空気体力学(CFD)解析や風洞実験だけに留まらず3台のテスト車輌を製作しており、ハイドロパルス試験機での耐振テストやニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)での50ラップに及ぶ過酷な走行テストを含む、実走15,000km相当のエンドゥランステストをクリアして公道走行認可を取得した、と説明しています。
つまるところ、このクルマの開発には凄まじいコストがかかっており、そしてこれをオーダーしたオーナーはそのコストを「吸収できる」人物ということになりそうですね。

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フラッハバウ RS:車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴
1. スパルタンを極めたレーシングインテリア
室内は「公道走れるレーシングカー」そのもので、ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)のインフォテインメントシステムやオーディオ機器、さらには遮音材やフロアカーペットまでも撤去。

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むき出しのワイヤーハーネス(配線)やグランプリホワイトに塗られた金属パネルが露出したままとなっており、軽量カーボンバケットシートのヘッドレストには「Flachbau RS」の刺繍とニュルブルクリンクのコースレイアウトが刻まれています。
車載用の三角表示板や牽引フックは専用の「エマージェンシーボックス」に収められ、サーキット走行時にはボックスごと取り外してさらなる軽量化を図ることが可能だといいますが、この仕様を持ちながらも「公道走行が可能」ということには驚かされますね。※935オマージュは公道走行ができず、よってこのフラッハバウ RSの価値が際立つことになる
ちなみにシフトノブは当時のモビーディックにも採用されていた「製造バルサ材(とにかく軽い)」をオマージュした仕様です(近年のお約束でもある)。

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2. ポルシェ 911 フラッハバウ RS スペック一覧
ポルシェ 911 フラッハバウ RS (2026 Factory One-Off) 主要スペック
| 項目 | 911 フラッハバウ RS(Flachbau RS) | ベース車両:911 GT2 RS(991.2 ヴァイザッハPKG) |
| 生産台数 | 世界限定 1台(ファクトリー・ワンオフ) | 世界限定モデル(台数非公開) |
| エンジン | 3.8L 水平対向6気筒 ツインターボ | 3.8L 水平対向6気筒 ツインターボ |
| 最高出力 | 700 PS (515 kW) | 700 PS (515 kW) |
| 駆動方式 / トランスミッション | RR / 7速PDK | RR / 7速PDK |
| 車両重量変化 | ベース車からさらに -31.6 kg の軽量化 | 1,470 kg (ヴァイザッハPKG装着時) |
| 最高速度 | 340 km/h | 340 km/h |
| リアダウンフォース | 554 kg(@ 340 km/h、ハイダウンフォース時) | 標準GT2 RS比で大幅強化(マンタイKIT以上) |
| フロントマスク | フラッハバウ(スラントノーズ)+3段スリムLED | 伝統の丸型ヘッドライト |
| リアウィング | S字マウント型 3段階可変式リアウィング | 固定式大型リアウィング |
| ボディカラー | グランプリホワイト(Grand Prix White) | 各種カタログカラー / Paint to Sample |

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結論
「ポルシェ 911 フラッハバウ RS」は、一人の熱狂的なコレクターの夢と、ポルシェおよびマンタイレーシングのエンジニアたちの技術力・歴史への敬意が奇跡的な高次元で融合して生まれた至高の1台。
「(もともと軽量な)ベース車よりも31.6kg軽い」という一見ささやかな数値の裏には、公道走行の安全基準や排ガス・安全規制を一切妥協することなく、モータースポーツのエアロダイナミクスを極限まで追求したポルシェのプライドが込められており、ヘリテージを大切にしながらも未来へ進化し続けるポルシェのモノづくり精神は、世界の自動車ファンに深い感動とインスピレーションを与えてくれます。
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【記事の理解を深める関連情報・補足】
- パートナーとして不可欠な「マンタイ(Manthey)レーシング」とは?:ニュルブルクリンクに拠点を置く「マンタイ・レーシング」は、ニュル24時間レースで7度の総合優勝、ル・マン24時間で6度のクラス優勝を誇る、世界最高峰のポルシェ・レーシングチーム。ポルシェが株式の過半数を保有しており、市販GTモデル向けのパフォーマンスパーツ「マンタイ・キット」の開発でも知られています。
- ポルシェの「ソンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」プログラム:ドイツ語で「特別な願い」を意味するソンダーヴンシュは、1970年代後半のカスタム時代から続くポルシェ公式の個別仕立て・ワンオフ製作プログラム。顧客のいかなる要望(デザインの変更から一から設計するワンオフ車輌の製作まで)も、法規制をクリアした上でポルシェクオリティとして具現化します。
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