
| こちらはi3とは異なるガソリン版、しかしデザインは「ノイエクラッセ」と通じるテイストに |
シャシーコンセプトにはノイエクラッセの思想を反映
BMWの象徴でありコンパクト・スポーツセダンのベンチマークとして君臨し続けている「3シリーズ」。
その次世代モデル(G50型)がいよいよ最終開発フェーズへと突入したと公式に発表され、それにあわせて開発車両のオフィシャルフォトが公開されることに。
BMWグループは南フランスのミラマス(Miramas)にある試験場にて偽装が施されたプロトタイプによるハンドリングや乗り心地の最終チューニングを開始していますが、2026年3月にデザインが初公開されたEV版「BMW i3」と並行し、このガソリン・ディーゼル等の内燃機関(ICE)を搭載する新型3シリーズも着実に進化を遂げているというのが現在地。
ここでは伝統の走りの歓び(Sheer Driving Pleasure)がどのように昇華されたのか、最新の情報とともに見てゆきましょう。
-
-
BMWがついに「新型i3」発表。社運を賭けて開発した次世代プラットフォーム「ノイエ・クラッセ」採用第2弾、あらゆる面で「量子跳躍」を遂げる
Image:BMW | 「航続距離900km、469馬力。ノイエ・クラッセが3シリーズを再定義する | ついにBMWの「核心」となる3シリーズ次世代モデル、新型「BMW i3」ここに登場 BMWの象徴 ...
続きを見る
この記事の要約
- BMWが次世代「3シリーズ(G50型)」の内燃機関(ICE)モデルの最終走行テストを南仏ミラマスで実施
- 4気筒および6気筒エンジンに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた高効率なパワートレインラインアップを展開
- デザインには「ノイエ・クラッセ」言語を採用し、最上級モデル「M350 xDrive」には完全後輪駆動化する「Drift Moment」を新たに搭載

新型BMW 3シリーズ(G50)の概要
新型BMW 3シリーズは「マルチ・パワートレイン(オープン・テクノロジー)」戦略に基づき開発されており、完全電動の「BMW i3」とプラットフォームに関する考え方を共有しつつも「直列4気筒および直列6気筒の最新世代ツインパワーターボエンジン」を搭載するモデルが用意されることが明かされています。
すべての内燃機関モデルには48Vマイルドハイブリッドシステムが組み込まれることで高い環境性能とスムーズなパワーデリバリーを両立するといい、エクステリアやインテリアには新世代デザイン言語「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」が全面的に採用されるとともに最新のディスプレイ&操作システム「BMW Panoramic iDrive(BMW Operating System X)」によって直感的な操作が可能になる、と説明されています。※つまり内外装は電動版i3とほぼ同じということになりそう
特徴・スペック・デザイン
シャシーテクノロジーも大幅に磨き上げられ、前後重量配分はBMW伝統のほぼ50:50を維持しつつ従来型よりホイールベースを延長し、加えてトレッド幅も拡大されたことで走行安定性と運動性能が大幅に向上。
さらにフロントにはダブルジョイント・スプリングストラップ式、リアには5リンク式のサスペンションを採用することでロール制御を高める高圧ロード付きアンチロールバーを装備しています。

注目すべきはM Performanceモデルとして設定される最上級グレード「BMW M350 xDrive」で、3.0L 直列6気筒エンジンに48Vマイルドハイブリッドを統合し最高出力443PSを発揮。
さらに2027年からは「Drift Moment(ドリフト・モーメント)」と呼ばれる新機能が利用可能となり、中央ディスプレイから起動することで駆動力を100%リアに配分し、これによって純粋な後輪駆動スライド走行を楽しむことができる、とのこと(既存オーナーへはリモート・ソフトウェア・アップデートで提供予定)。※これは先日、特許申請が明確になった新しいドリフトモードなのかもしれない
-
-
BMWが「ドリフト開始を察知しリアを滑らせるサスペンション」特許を出願。アクティブサスを「逆」に作動させ意図的にトラクションを抜いて”きっかけ”づくり
Life in the FAST LANE. | 車高と荷重をアクティブ制御してテールスライドを自動アシスト | BMWは様々な方法にて「ドライバーを虜にする」手段を考える BMWは比較的早い段階でド ...
続きを見る
新型BMW 3シリーズ(M350 xDrive)主要スペック一覧
| 項目 | 詳細・スペック |
| モデル名 | BMW M350 xDrive |
| 生産開始時期 | 2026年後半予定 |
| エンジン | 3.0L 直列6気筒 BMWツインパワーターボ |
| ハイブリッドシステム | 48V マイルドハイブリッドテクノロジー |
| トランスミッション | 8速 Steptronic トランスミッション |
| 最高出力 | 326 kW / 443 hp(443 PS) |
| 最大トルク | 580 Nm(42.8 kgm) |
| 駆動方式 | BMW xDrive(インテリジェント四輪駆動) |
| 0-100km/h 加速 | 4.1秒 |
| 最高速度 | 250 km/h(リミッター作動) |
| 注目の独自機能 | Drift Moment(FR化ドリフトモード / 2027年提供開始) |

競合比較・市場での位置付け
プレミアム・コンパクトセダン市場において、BMW 3シリーズはメルセデス・ベンツ Cクラスやアウディ A4(次期A5)と常に熾烈なシェア争いを繰り広げてきたモデルではありますが、他社がEVシフトを急ぐ中、BMWはEV「i3」とICE(内燃機関)「3シリーズ」の双方を完璧な完成度で並行展開する戦略を採っています。
特に、ドライバー志向のサスペンション設計、そして「BMW Driving Stack」と呼ばれる統合型電子制御ソフトウェアの進化によって横方向の運動性(アジリティ)においてはライバルを一歩リードするスタンスを明確にしており、このあたりは「駆け抜ける歓び」が健在といったところでもありますね。
-
-
BMWのスローガン「駆け抜ける歓び」は55年も前から使用されていた!どのように変遷をたどり、どう決まったのかが明らかに
| BMWは公式サイトにて、なかなか面白いコンテンツを公開している | さて、BMWの公式ウエブサイトにて、ぼくが大好きなコンテンツが「BMW EXPLAINED」。これはBMW自身がその歴史を紐解く ...
続きを見る
補足情報・新しい気付き
今回の新型3シリーズ開発において重要な鍵を握っているのが車両制御コンピューター「BMW Driving Stack」の最適化。
EVモデルのBMW i3では「Heart of Joy」と呼ばれる次世代中央統合コンピューターが駆動系・足回りを一元管理しますが、ICEモデルの3シリーズにおいても専用に磨き上げられたDrive Stackが横運動管理や4WD(xDrive)制御を統合処理するといい、これによってエンジン車特有のダイレクト感とデジタル制御の緻密さが高度に融合し、これまで以上に精緻なハンドリングが実現されることとなるもよう。

また、EfficientDynamicsの一環としてアクティブ・エアフラップ・コントロールや「My Mode Efficient」、proactiveな運転アドバイスを行う「Efficiency Coach」なども搭載され、走りの楽しさだけでなく実用燃費の向上にも抜かりはないようです。
結論
南仏ミラマスでの最終テストに臨む新型BMW 3シリーズ(G50)は、電動化時代にあっても内燃機関の走りの魅力を諦めない「BMWの情熱が詰まった一台」。
ノイエクラッセ由来のエレガントかつスポーティなデザイン、パワフルな直6マイルドハイブリッド、そしてFR挙動を心ゆくまで楽しめる「Drift Moment」の採用など、まさにファンが期待する要素が凝縮されており、2026年後半とされる生産開始と正式発表に向けて世界中の自動車ファンから熱い視線が注がれている、というのが現在の状況です。
合わせて読みたい、BMW関連投稿
-
-
「ホットV」ターボエンジンを発明したのはBMW。その後メルセデス・ベンツ、フェラーリ、トヨタも採用するに至った現代エンジン最強の秘密に迫る
Image:BMW | さすがBMWは「エンジン製造会社」だけはある | この記事のポイント 「ホットV」とは、V型エンジンのバンク内にターボを配置する画期的な構造 BMWが2008年に「N63」エン ...
続きを見る
-
-
アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ:同じ「ジャーマンスリー」でも全く違う?それぞれのブランドが採用する思想、掲げる理念とは
| それぞれに異なる理念を持ち、だからこそそれぞれにファンが存在する | ドイツ3大ブランドを理解する3つの「核心」 ドイツ御三家、いわゆるジャーマンスリーといえば「メルセデス・ベンツ」「アウディ」「 ...
続きを見る
-
-
世界を変えた革新ブランド|アウディの歴史と「クワトロが切り拓いた未来」、メルセデス・ベンツとBMWとの「違い」とは
| アウディは「技術オリエンテッド」かつ「質実剛健」な自動車メーカーである | そして意外と「世界初」「独自技術」も多かった この記事の要約 アウディは「4つのリング」に100年以上の歴史を刻むドイツ ...
続きを見る
参照:BMW











