
| 「最終型」セリカに近いような印象を受けるが |
ただしラリーカーは大幅にボディ形状が変更されているはずである
モータースポーツファンやクルマ好きの間でいま大きな話題を呼んでいるのが「トヨタが開発を進める2027年WRC(世界ラリー選手権)向けの新型プロトタイプ車両」。
これまでWRCの絶対王者として君臨してきた「GRヤリス Rally1」の後継として、スペインのタラゴナでテスト走行を行っている姿が目撃され、これが「新型セリカを示唆しているのでは」とウワサになっているというわけですね。
今回のスパイショットでは、従来の(ヤリスが持つ)コンパクトハッチバック形状から流麗な2ドアクーペへとボディタイプが一変しており、「セリカ(Celica)」の名称が復活するのではないかと大きな期待が寄せられていて、ここでは、捉えられたプロトタイプの詳細なデザインや市販版モデルに期待されるスペック、そしてモータースポーツ界における位置付けについて考えてみたいと思います。
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この記事の要約
- トヨタTOYOTA GAZOO Racingが2027年WRC参戦に向けた2ドアクーペ型プロトタイプをスペインでテスト走行中
- アグレッシブなエアロパーツやハンマーヘッド風のフロントマスクを備え、伝説の名車「セリカ」の復活を強く予感させるスタイリング
- 市販型(公道仕様)は新開発の2.0L直列4気筒ターボエンジンとGR-FOUR(4WD)を搭載し、高い走行性能を備えて登場する見込み
トヨタ2027年WRCプロトタイプの概要
トヨタTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2027年シーズンからの新しいWRCレギュレーション導入に合わせて新世代のラリーカーを開発していますが、ポルトガルでの初期テストに続き、今回のスペイン・タラゴナでのテストでは”より完成度の高まった”意匠を纏ったテストカーが姿を現すことに。
元WRCチャンピオンのオット・タナック選手がステアリングを握ったと報じられるこのプロトタイプは、GAZOO Racing伝統の赤・黒・灰・白のダズル迷彩でカモフラージュされており、そのシルエットは明らかにワイド&ローな2ドアクーペスタイルを描いていることからも、かつてWRCで数々のタイトルを獲得した「セリカ GT-FOUR」の伝説を継承する後継マシンとして世界中から熱い視線が注がれている、というわけですね。
デザインの特徴・スペック情報
今回捉えられたプロトタイプは、過酷なラリー競技を勝ち抜くための過激なエアロダイナミクスと迫力のスタイリングが特徴で・・・
- フロントデザイン:現行コーナリングモデルや欧州仕様車に通じるハンマーヘッド形状の鋭いヘッドライトを採用。「かなり低い」ボンネット上部には大型のフードスクープやダクトが配置され、フロントバンパーにも巨大な冷却用インテークを備える
- サイド&リアデザイン:大きく張り出したワイドフェンダーと厚みのあるサイドスカート、リアクォーターウィンドウ下に設置されたエアインテークが力強さを強調。リアはファストバックスタイルで、大型の固定式リアウィングと中央1本出しのエキゾーストパイプが組み合わされている
ただ、リアサイドウインドウが大きいこと、そしてフロントドアが短いことから「4ドア」の可能性も捨てきれず、トヨタからの発表があるまでは「なんとも」事実を掴みづらいといったところだと思います(セリカ以外の4ドアかもしれないし、セリカが4ドアになって復活するのかもしれないし、GRカローラなのかもしれない)。
プロトタイプのボディ形状には違和感が残る
参考までに、一般的に「2ドアクーペ」というと、こういった感じでリアサイドウインドウはかなりコンパクトに抑えられています(重心の最適化、ルーフの傾斜、軽量化など様々な意味がある)。

一方で4ドアだとこう。
今回のスパイフォトを見るに、どちらかというと「2ドアよりも4ドア」に近く(ただしセダンあるいはクーペ形状)、そしてこのラリーカーは「勝つため」に作られているはずで、そしてGazoo Racingはそれを市販車にフィードバックするはずでもあり、重心が高くなってしまうルーフ構造や、(市販車では)重量増加を招く大きなガラスを採用することには違和感を感じていて(勝つことを考慮するならば、もっとルーフ後部を下げるべきで、リアサイドガラスも縮小すべきである)、その違和感を解消する答えが「4ドア化」であるとも考えています。

なお、ラリー専用マシンと市販予定モデル(GRセリカ)では構造やパワートレインがそれぞれ異なるものとなり、現在予想されているスペックの概要は以下の通り。
| 項目 | WRCプロトタイプ(競技用) | 市販想定モデル(GRセリカ) |
| ボディ形状 | 2ドアクーペ(パイプフレーム構造) | 2ドアクーペ(TNGAプラットフォーム) |
| パワートレイン | 1.6L 直列3気筒ターボエンジン | 新開発 2.0L 直列4気筒ターボエンジン |
| 駆動方式 | 四輪駆動(AWD) | 4WD(GR-FOURシステム) |
| 想定最高出力 | レギュレーション規定に準拠 | 400PSオーバー(予想) |
| 主な特徴 | 共通パイプフレーム・専用エアロ | 高剛性ボディ・先進安全装備 |
競合比較・市場での位置付け
モータースポーツの現場において、WRC2027年レギュレーションでは車両コストの削減や共通パイプフレームシャーシの採用など大きな転換期を迎えることとなり、トヨタはいち早くこの新規定に合わせた専用クーペボディのプロトタイプを投入することで、ライバル陣営に対して技術的・開発速度的に大きなアドバンテージを確保しようとしています。
一方、市販車市場における「GRセリカ」の立ち位置に目を向けると、近年希少となりつつある「スポーツクーペ×本格四輪駆動」というパッケージングが最大の強みとなり、ホンダが復活させた「プレリュード」がFFハイブリッドを採用しエレガントな走りを追求するのに対し、GRセリカはラリー直系の「2.0Lターボ+4WD」というハイパフォーマンス路線を歩むと見られていて、この「モータースポーツのDNAをそのまま公道へ落とし込む」という手法はGRヤリスやGRカローラで成功を収めた、トヨタが得意とするアプローチでもありますね。
補足情報
今回のWRCプロトタイプと市販モデルの関係において注目すべきは、「モータースポーツ起点のクルマづくり」が一段と深化している点。
— PABLO GONZALEZ (@PABLOGGPRIEGUE) September 30, 2026
2027年からのWRC新規定では、市販車の骨格に縛られない自由度の高いボディメイクが可能となり、これにより、トヨタは競技で勝つための最適な空力特性や重量配分を備えたクーペスタイルを追求できるようになったというのがいま現在。
そして、このラリーカー開発で得られた知見やデザインのエッセンスが、将来的に市販版GRセリカへとフィードバックされる良好なサイクルが生まれています。
WRCマシンの正式発表は近い将来に行われると期待され、また市販モデルに関しても、早ければ2027年前半から半ばにかけてコンセプトモデルやプロトタイプがお披露目される可能性が囁かれているようですね。
— PABLO GONZALEZ (@PABLOGGPRIEGUE) September 30, 2026
結論
トヨタがテストを進める2027年WRCプロトタイプは、同社が誇るモータースポーツへの情熱とファンが待ち望んだ「セリカ」復活への大きな一歩を感じさせるもの。
過激なエアロを身にまとった2ドアクーペのラリーマシンは競技シーンに新たな旋風を巻き起こすに違いなく、競技車両の正式デビューはもちろんのこと、新開発2.0Lターボエンジンを搭載して登場することが期待される市販版「GRセリカ」の続報にも期待がかかります。
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