
| メルセデス・ベンツ首脳陣が明かしたファン重視の未来図とは |
G580の失敗にも屈せず「次世代Gクラス」でもEV版を投入するようだ
本格ラグジュアリー・オフローダーの絶対的王者として確固たる地位を築いているメルセデス・ベンツ「Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)」。
シュトゥットガルトで開催されたイベントのメディアラウンドテーブルにおいて、Gクラスおよびマイバッハ部門も統括するメルセデスAMG CEOのステファン・ヴェックバッハ(Stefan Weckbach)氏と、メルセデス・ベンツグループCEOのオラ・ケレニウス(Ola Källenius)氏が今後のプロダクト戦略について重大な発言を行った、と報じられています。
ここでは次世代Gクラスの開発方針をはじめ、既存ファンの心を惹きつけて止まない「V8エンジン」や「V12エンジン」の未来、そしてEV時代におけるAMGの走りの哲学について見てみましょう。
この記事の要約
- メルセデス・ベンツおよびメルセデスAMGの最高幹部陣が、次世代型「Gクラス」の開発に着手していることを公式に認める
- 4気筒ハイブリッドを採用した現行C63に対する市場の反響を教訓とし、顧客が熱望するV8エンジンの重視ラインアップへの回帰、さらにはV12エンジンに関する示唆を行う
- 電動化領域においてもアキシャルフラックスモーターを「EV版のV8」と位置づけ、内燃機関・EV双方でブランドの魂と伝統を守り抜く姿勢を強調

メルセデス・ベンツ次世代Gクラス&大排気量エンジンの概要
まずヴェックバッハCEOは「我々は現在、次世代Gクラスの開発に取り組んでおり、それが確実に『Gクラス』であり続けるようにする」と明言。
時代に合わせて技術をアップデートさせつつも、伝統のアイデンティティと走りの「魂」を失わせないことが開発の最優先事項とされています。
同時に首脳陣は、4気筒ハイブリッドパワートレインを投入した「AMG C63」に対する顧客の反応を謙虚に受け止め、伝統的な大排気量ファン(V8 / V12愛好層)のニーズへ再び耳を傾ける方針を示したことについても言及されており、メルセデス・ベンツは確実に「学び続けている」というわけですね(以前のメルセデス・ベンツはここまで動きが軽くはなく、そういった鈍重さがいまの危機感を招いてしまった)。
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パワートレイン戦略
今回の発表で明らかになった次世代GクラスおよびメルセデスAMGの最新パワートレイン戦略は以下の通りとなっていて・・・。
- 「Gクラスらしさ」の死守:次世代Gクラスの具体的な登場時期は明かされていないものの、スクエアな意匠や卓越した悪路走破性、耐久性といった根幹の価値を継承した開発が進められている
- V8エンジンの力強い復権(CLE63への搭載):4気筒化されたC63の技術的完成度を評価しつつも、ケレニウスCEOは「古き良きV8ファンという非常に層の厚いコミュニティを見誤っていた」と認める。これを受けてヴェックバッハCEOは、来年登場する「CLE63」でV8パワートレインへ回帰することを明言
- V12エンジンに対する期待の示唆:さらに大排気量を愛するV12ファンの今後について問われたケレニウスCEOは、「今後の動向に注目していてほしい(Watch this space)」とコメントし、超ラグジュアリーセグメントでのV12維持や復活に向けた含みを持たせる(マイバッハ以外でもV12の採用があるかもしれない)
- 「EV版V8」としてのアキシャルフラックスモーター:電動化専用プラットフォーム「AMG.EA」に採用される小型・大出力の「アキシャルフラックスモーター」について、ヴェックバッハCEOは「EV分野におけるAMGのV8エンジンに相当する存在」と表現。直接冷却式バッテリーと組み合わせることで、電気自動車であっても妥協のない連続高出力を提供する

| 項目 | メルセデス・ベンツ & AMG 次世代パワートレイン戦略要約 |
| 次世代Gクラス | 開発着手(アイデンティティと悪路走破性を完全継承) |
| V8エンジンの継続・復活 | 顧客ニーズへの回帰(新型CLE63等でV8パワートレインを採用、すでにV8を採用するモデルではその継続) |
| V12エンジンの強化 | 存続・展開を示唆(「Watch this space」とコメント) |
| EV向け高性能モーターの採用 | アキシャルフラックスモーター(AMG.EA基盤の「EV版V8」) |
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競合比較・市場での位置付け
ラグジュアリースポーツおよび本格オフローダー市場において、世界的な電動化の流れと「大排気量内燃機関(ICE)の価値」のバランスをどう取るかが各メーカーの大きな課題となっていて・・・。
- 顧客の声に応える柔軟なマルチパワートレイン:一時期の急激な全車電動化・ダウンサイジング一辺倒から脱却し、ポルシェやBMW同様に「ファンが真に求めるV8ガソリンエンジン」をしっかりとラインナップに残す姿勢を打ち出すことに
- ブランドロイヤリティの保護:過度なデジタル化や小型排気量化によって既存の熱狂的ファン(GクラスやAMGのロイヤルカスタマー)を離脱させるリスクを回避し、伝統の「音・感触・所有感」を担保することで、ポルシェやベントレー、ランドローバーといった競合他社に対するブランド競争力を高める

補足情報
今回の経営陣の発言からは、メルセデスが学んだ「技術の先進性と市場の感情との摩擦」という重要な気付きが浮き彫りになっていて・・・。
- 「スペック上の速さ」と「エモーション」の違い:4気筒ハイブリッドのC63は680馬力という強烈なスペックを誇ったものの、V8特有の重厚なサウンドやフィールを求める熱狂的な顧客層(ザ・トライブ)全員を納得させることができなかったという現実も。自動車の魅力には、単純な数値性能だけでなく「情緒的価値(エモーション)」が不可欠であるという教訓が今後の製品開発へ活かされている
- 伝統技術と革新EV技術の二本柱:V8/V12内燃機関の魅力を守り続ける一方、AMG.EAプラットフォームやアキシャルフラックスモーターといったF1由来の先端EV技術を自社開発することで「ガソリン車好きもEV好きも魅了する」強固な二本立て構造が完成しつつある

つまるところ、「いかにハイパフォーマンスカーといえど、最新・最高の性能が必ずしも消費者に受け入れられるわけではない」ということが明らかになり、しかしその一方で「未来へと向かうために電動化も遅らせるわけにはゆかない」という事実も存在し、この矛盾する二面を「両立」させる方向へと動いているのが直近のメルセデス・ベンツということになりそうですね。
結論
メルセデス・ベンツの首脳陣が明かした次世代Gクラスの開発とV8/V12エンジンへの深いリスペクト。
「安全性、品質、走り、耐久性」というメルセデス伝統の価値を守りながらも顧客の声に真摯に耳を傾ける姿勢は、これからの時代においてもGクラスやAMGモデルが世界の頂点に君臨し続けることを強く予感させてくれるものであり、V8エンジンに「フラットプレーンクランクを用いたときのような」驚きを再度与えてくれることを期待したいと思います。
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参照:CARBUZZ











