時々欲しくなる中古車、いすゞ・ビークロス。
つい最近、近所の中古車ショップにビークロスの出物が入り、ちょっとビークロス熱が再燃中です。
サイモン・コックス氏のデザインによる珍車ですが、日本車においては「初代珍車」と言っても良いほどで、そのあまりに奇抜なデザインは「キング・オブ・珍車」と呼んでも良いだろうと考えています。
なおデザインのディレクションを行ったのは現在日産で役員を務める中村士郎氏で、氏は日産に移籍後、日本車メーカーにおいてはじめてデザイナーの存在を表に押し出すという偉業を成し遂げた人でもあります。
主にミュー(MU)、ビッグホーンのパーツを多用したと言われますが、ミューそのものも「ミステリアス・ユーティリティー」の略であり、当時のいすゞはかなりブッとんでいたとも考えられますね。
そのブッとびようは室内にも反映され、SUVであるにもかかわらずレカロシートやモモのステアリングを採用するなどかなり奇抜な仕様。
サイズは今となっては比較的コンパクトで、全長4130、幅1790、高さ1710ミリ。
ぼくは樹脂パーツを多用した車が大好きで、そのためにホンダ・エレメントも心に残る車となっていますが、それもこのビークロスの影響が強いと言っても良いでしょう。
カーオブザイヤー特別賞、グッドデザイン賞を受賞したにもかかわらずルックスが奇抜すぎてあまり売れず、1700台程度の登録でわずか2年(1997ー1999)の生涯を閉じることになりますが、その後北米向けに生産を開始し、北米では4000台を販売した、と言われます。
なお映画「ミッション・トゥ・マーズ」では宇宙飛行士がプライベートで乗っているという設定で、ビークロスをオープン化して水素か電気自動車化した車両(VX-02)が登場していますね。
エンジンは3.2L、トランスミッションは4ATのみとなり、駆動方式は4WD。
聞いたところによると、とんでもなく燃費が悪いとのことで、その燃費の悪さは所有を諦めざるを得ないほどという話も。
それでもルックスは非常に魅力的で、定期的に欲しくなる車でもあります。
現在カーセンサーでは登録がわずか10台で、価格は30万円くらいから148万円まで。
一時は結構高かったのですが最近は意外なほど相場が安くなっており、「買い時」かもしれません。
おそらく価格がこれから上がることはないと思われますが、下がることもなさそうで、であればまだ「選べる」状況にあるうちに購入するのが良いかも、とは思います。
なお珍車は新車販売時には(珍車だけに)あまり売れず、しかし販売終了後に一部の層が下支えして価格が高止まりするという現象が発生するのが常ですね(現在のホンダ・エレメントがその状況)。