| 直列5気筒エンジンを作っているメーカーは意外と少ない |
直列5気筒エンジンのメリットとデメリットを解説する動画が公開に。
動画をアップしたのはいつも「ためになる」系動画を公開してくれるカースロットル。
直5エンジンというとアウディが有名で、先日アウディが「5気筒エンジンの歴史」というコンテンツを公開したばかりですね。
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ただし直列5気筒エンジンを採用するのはアウディだけではなく、過去に採用/現在も採用するメーカーはボルボ、トヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツ、ジープ、フィアットなど。
「意外と多い」という印象ですが、やはりそれなりのメリットが存在する、ということになりそうです。
直列5気筒エンジンの存在意義としては、「4気筒と6気筒とのいいとこどり」。
なぜ4気筒ではなく5気筒なのかということについてですが、エンジンは一般に「1気筒あたりの排気量」が技術的に制限されています。
そのシリンダー内での爆発が大きくなると振動など色々な問題が出るため、「1気筒あたり650cc程度」が上限だとされますが、そうなると4気筒では自ずと排気量にも「上限」が出ることに(ポルシェは過去に4気筒で3Lというエンジンを実際に採用しており、このあたりさすがポルシェ)。
よって馬力(イコール排気量とも言える)を上げるには気筒数を増やす必要があるのですが、直6だとエンジン全長が長くなり「横置き」ができない(過去にボルボが挑戦し製品化している)、よって縦置きしかなくなるものの「縦置き」だと左右ハンドル両方を製造するのに変更範囲が広くなってコストが上がる、等の問題も。
これを解決したのがV6ですが、今度は「コスト高」ほかのデメリットが生じることになるわけですね(直列だと1本で済むところ左右にシリンダーが並ぶため、極端な話だと”2列分”のパーツが必要)。 関連投稿
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そこで登場するのが「5気筒」ということになりますが、これはある程度の排気量にまで対応でき、しかも4気筒+アルファのサイズで済むというメリットがあって、そのため様々なレイアウトに対応できるうえ、製品としての競争力も車に持たせることができるようになります。
ただ、この直列5気筒も良いところだけではなく、4気筒に比べるとクランクシャフトが長いので「ねじれ」という問題があり、これを解決するためにバランサーシャフトを採用するなどしてねじれを制御している模様(バランサーシャフトの名称はよく聞きますが、具体的な働きは初めて知った)。
なお、現代では「ターボ」や「ハイブリッド」などによって低排気量(=少ないシリンダー)エンジンのデメリットを補完することができるために「馬力を上げる=排気量を上げるためにシリンダー数を増やす」という図式が常識としては崩れ去っており、マルチシリンダーのメリットが薄れつつあるのも確か。
その意味ではテクノロジーが様々な問題を解決するということになり、そしてテクノロジーがこれまでの概念を崩している、とも考えられます。
なおアウディの一部車種に採用される直列5気筒エンジンはR8やランボルギーニ・ウラカンのV10を「半分に割った」設計となっており、「ベイビーV10」とも呼べるサウンドを放つ、とも言われていますね。
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