| これぞジープならではの救出劇 |
さて、数日前に「カリフォルニアの山の稜線に放置されたジープ・ラングラーがある」として話題になりましたが、今回はそのラングラーが「地元のオフローダー乗りの有志によって」救出されたというニュース。
こういった話を聞くにつけ、アメリカ人の連帯感そして他人を助けようという気持ちの強さに驚かされます。
順を追って説明してゆくと、まずこのジープ・ラングラーはJUN CASTRO氏によってシェアされたFacebook上の投稿に端を発しています。
山の峰で放置されたジープ・ラングラーが発見される
このJUN CASTO氏は当該ジープ・ラングラーのオーナーではなく、そしてこのオーナーの所在は掴めていないので「なぜ」このジープ・ラングラーが放置されることになったのかはまったくの謎。
ただ、タイヤを回転させて脱出を試みようとした跡があることや、そもそもここはハイカーや自転車(MTB)用のトレイルコースであり車が通るようにはできていないこと、4輪を接地させるには稜線が尖りすぎていて4輪すべてが地面に届かずにトラクションを確保できないこと等から、この道に入り込んだはいいが、「ニッチもサッチもゆかなくなって」オーナーがクルマを放棄したのだろう、というのが大勢の意見です(おそらくその見立てに間違いはないと思う)。
ジープ・ラングラーの走破性をもってすると、なんとか山を降ることができそうに思えるものの、方向転換すらままならなかったのかもしれませんね。
にしても、このクルマから降りるのも相当に怖かっただろうなということも容易に想像可能(ぼくだったらバックドアから出る)。
地元のジープ乗りは遺棄されたラングラーを見捨てなかった
そしてこの報道に立ち上がったのが地元のジープ・ラングラー乗り。
彼らはこの峰に集結し、なんと36時間をかけてこのジープを救い出していますが、集結したのはハードにカスタムされたジープたち。
実生活においてこういったジープが活躍する場はないだろうと考えていましたが、実際にその時がやってきたようですね。
しかしながらこれらジープも該当のラングラーがスタックしたところまでは近づけず、まずは人力にてラングラーの姿勢を戻します。
それにしても、これを人力でやろうというのはまさにアメリカ人。
そして実際にやってしまうのもまたアメリカ人。
その後はカスタムされたラングラーのウインチに接続し、そろそろと引っ張って戻します。
なお、複数のラングラーをワイヤーで繋ぐという連携プレーも見せており、オフロード用の装備をフル活用しています(この人らは、救出活動含め、日常的にこういったことをしているのかもしれない)。
すごいなこの友情!
そしてついに救出成功。
Oh yeah! We made it! といった感じですね。
FCAが直接出向くべきだった
なお、この一連の救出劇をみて思ったのは、ジープブランドを所有するFCAが直接救出に行けば「いいプロモーション」になったんじゃないかということ。
FCAはカスタムパーツブランド「モパー」を持っており、多数のオプションパーツを発表していますが、当然ながらワイルドなオフロード向けパーツも。
それらを満載したジープを送り込み、このラングラーを救出すれば相当に費用対効果の高い宣伝になり、モパーのパーツもさらに売れたのかもしれません。
こちらはそのチャレンジを収めた動画。
男たちの友情には思わず目頭から熱いものがこみあげてくるといった感じで、もしかするとすでに映画化の話が持ち上がっているんじゃないか、と思えるほどです。
参照:Jalados 4x4