>その他アメリカ車

デロリアンDMC-12のオーナーに朗報。「期待外れのエンジン」を電動パワートレーンに置き換えることで走行性能と信頼性を向上させるコンバージョンキットが登場

デロリアンDMC-12のオーナーに朗報。「期待外れのエンジン」を電動パワートレーンに置き換えることで走行性能と信頼性を向上させるコンバージョンキットが登場

Image:Electrogenic

| しかも車体には改造を施す必要はなく、いつでも元の状態へと戻すことが可能に |

このクルマにとって重要なのは「スタリング」であって「パワートレーン」はオリジナルのままである必要はない

さて、これまでにも日本発含めいくつかの「デロリアンDMC-12のエレクトロモッド」がネット上を賑わせてきましたが、今回は英国よりデロリアンDMC-12用の「電動コンバージョンキット」が登場することに。

これを発売したのはエレクトロジェニック(Electrogenic)なる会社で、その価格はスペックによって65,000ポンド(現在の為替レートにて約1320万円)~85,000ポンド(1720万円)に設定されており、かなり高額ではあるものの、デロリアンを愛する人々にとっては大きな問題ではないのかもしれません(ガソリンエンジンを維持しつつメンテナンスしてゆくことを考慮すると、思い切って電動パワートレーンに交換したほうがいいのかも)。

このデロリアン「ドロップインキット」はいつでも元の状態に戻すことが可能

デロリアンDMC-12は自動車史に残るアイコンであると同時にポップカルチャーの象徴ではあるものの、問題となるのはその信頼性。

さらにこのクルマを作った「デロリアン」はすでに倒産してしまっているので修理やメンテナンスには相応の苦労があり、ここがデロリアン愛好家の悩みの種なのかもしれません。

しかしながら、今回エレクトロジェニックが発売した「エレクトロモッド ドロップイン(プラグアンドプレイ)キット」はデロリアンDMC-12のパワートレーンをそっくり電動へと入れ替えるというもので、基本的に改造は不要、そしていつでも「もとに戻せる」といった特徴を持っています。

DeLorean-Electromod (2)
Electrogenic

このキットには42kWhサイズのバッテリーパック、急速充電システム、215馬力(160kW)を発生するエレクトリックモーターが含まれており、バッテリーはこんな感じでもともとエンジンが積まれる位置へと組み込まれます(”Electrogenic”のフォントまでもがデロリアンっぽい)。

なお、エレクトリックモーターは後輪を駆動し、このコンバージョンによって全体の重量は40kg増加するものの、0-100km/h加速はオリジナルの約10秒から5秒へと大きく短縮されるのだそう(デロリアンDMC-12に積まれるもともとのガソリンエンジンは130馬力しかない)。

DeLorean-Electromod (3)
Electrogenic

充電ポートはナンバープレートをスライドさせることで登場するというギミックを備えます(一回の満充電あたりの走行距離は約240km)。

DeLorean-Electromod (4)
Electrogenic

「次元転移装置(フラックスキャパシタ)」を装着するという遊び心も。

DeLorean-Electromod (5)
Electrogenic

「名車」にはいくつかの種類があるが

なお、「名車」とひとくちに言っても様々な種類があり、その比類なきパフォーマンスやドライバビリティによって名車の地位を獲得したもの、モータースポーツにおける功績によって不変の存在となったもの、あるいはそのコンセプトやスタイリングによって一つのシンボルとなったもの。

デロリアンDMC-12の場合は最後の例であり、つまりデロリアンDMC-12がデロリアンDMC-12である要件には「パフォーマンス」は含まれておらず、よってある意味だとデロリアンDMC-12はもっともエレクトロモッドに適した名車なのかもしれません。

DeLorean-Electromod (6)
Electrogenic

実際のところ、このエレクトロジェニックの創業者であるドラモンド氏は以下のように語ります。

我々がエレクトロジェニックを設立して以来、デロリアンDMC-12のEVコンバージョンの可能性につき、世界中から大きな関心が寄せられています。40年以上経った今でも驚かされるSF的なデザインと、期待外れのエンジンを備えたこのクルマは、まさに電動化への改造に最適な候補です。私たちは今、この「プラグアンドプレイ」エレクトロモッドパッケージを世界に公開できることを嬉しく思っています。独自の技術を使用して完全に社内で開発されたこのパッケージは、DMC-12に、その未来的な形状にふさわしいスポーツ性能をもたらします。

ジョン・デロリアンが40年以上前にDMC-12 を作ろうとしたとき、彼は持続可能で時の試練に耐えるスポーツカーを作ろうと決意していました。 したがって、EVへの改造は完全に理にかなっており、元のプロジェクトの精神に沿っているとも考えています。

実際のところ、このエレクトロモッドを行ったとしても「全く」その外観は変わらず、同氏が言うように、そして様々な意味で”持続可能な”クルマの誕生といったところかもしれず、そして何よりうれしいのは「故障を季にせず安心して乗れる」というところなのかもしれません。

合わせて読みたい、デロリアンDMC-12関連投稿

20年以上も納屋に眠っていたデロリアンが発見され専門家の手に渡る。生産は1981年、走行距離はわずか1,600km。さすがにステンレス製ボディはシミひとつない【動画】
20年以上も納屋に眠っていたデロリアンが発見され専門家の手に渡る。生産は1981年、走行距離はわずか1,600km。さすがにステンレス製ボディはシミひとつない【動画】

| こういった「納屋で発見されたクルマ(バーンファインド)」はいつもボクたちをワクワクさせる | 内装のダメージは大きいが、外装に関しては「かなり」きれいな部類でもある さて、アメリカはウイスコンシン ...

続きを見る

デロリアンにホンダ製エンジンをスワップした「ホンデロリアン」誕生。4気筒化によって重量バランスが改善しパフォーマンスも向上することに【動画】
デロリアンにホンダ製エンジンをスワップした「ホンデロリアン」誕生。4気筒化によって重量バランスが改善しパフォーマンスも向上することに【動画】

| ホンダの「K24」エンジンは名機としての誉れが高い | これまでにもフェラーリやポルシェなど数々のスポーツカーに移植されている さて、デロリアンDMC-12はその奇抜なルックスの割に動力性能が「今 ...

続きを見る

廃車のデロリアンDMC-12を購入し、3Dプリンタを使用して「ワイドボディ」へとコンバートしたカスタムカーがついに完成。なんともサイバーパンクな雰囲気に【動画】
廃車のデロリアンDMC-12を購入し、3Dプリンタを使用して「ワイドボディ」へとコンバートしたカスタムカーがついに完成。なんともサイバーパンクな雰囲気に【動画】

| 意外とデロリアンDMC-12をカスタムする例は「珍しい」 | なおエンジンスワップにて出力は700馬力へ さて、2020年に廃車となった格安デロリアンDNC-12を購入し、レストアがてらカスタムを ...

続きを見る

参照:Electrogenic

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->その他アメリカ車
-, , ,