| この状況で日産はよくフェアレディZを終了させずにモデルチェンジしようと考えたな |
さて、アメリカにおける2021年第1四半期、つまり1月から3月のスポーツカー市場において興味深い現象が発生している模様。
それはダッジ・チャレンジャーの「好調」であり、登場から13年を数えるにもかかわらず、なんと昨年同期比の12,138台から販売台数が大きく増えて15,096台に。
同じく「アメリカンマッスル」というくくりでのライバルであるフォード・マスタングは17,274台を売ってベストセラーとなっており、ダッジ・チャレンジャーはこれに続く2番手、そして3番手は7,889台を売ったシボレー・カマロ、4番手は6,611台を販売したシボレー・コルベット。
なぜダッジ・チャレンジャーは売れ続けるのか
ここで謎として残るのが「なぜダッジ・チャレンジャーは高齢にもかかわらず売れ続けるのか」。
その理由は米国自動車市場におけるミステリーでもありますが、おそらくはその「タイムレスなデザインが年齢を感じさせないのでは」と言われています。
現行チャレンジャーは「レトロルック」を身にまとって登場しており、往年のファンにアピールするとともに、「時間が経過しても古く感じさせない」という副次的効果を生んだのかもしれません。
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加えて、合法に公道を走行できるトンデモ限定車、デーモンの存在も大きく、これがチャレンジャーのイメージを大きく向上させたとも考えられます(イメージという点だと、映画「ワイルド・スピード」への出演も大きい)。
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フォード・マスタングは「最も売れたフォードの乗用車に」
そしてフォード・マスタングに目を移すと、なんとマスタングは「フォードで最も売れた乗用車」なのだそう(チャレンジャーは「ダッジで3番めに売れた乗用車)。
ちなみにアメリカだとSUVやトラックは「乗用車扱いではない」ためにこういった結果となるわけですが、フォードはすでにセダンやコンパクトカーから(北米市場にて)撤退していることも関係しているものと思われます。
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なぜカマロは売れなくなった?
そしてもう一つの謎が「なぜカマロが売れないのか」。
カマロは2010年~2014年まで「アメリカンマッスルカー市場」にてチャレンジャー、マスタングを抑えてNo.1の座をキープしていたものの、2015年のモデルチェンジでアグレッシブなデザインとなってしまい、そこから販売が大きく下がることに。
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モデルチェンジと同時に販売が激減したカマロ。それでもデザイナーは「後悔などない」。ちなみにそのデザイナーは今年に退任済み
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モデルチェンジしたカマロが「モデルチェンジしていない」チャレンジャーに販売でまったく及ばなくなったことを考えると、やはりデザインが販売に及ぼした影響は大きく、とくに高齢と言われるカマロの客層がそれについてこれなかった(そして新しい客層を呼び込むことができなかった)ということになりそうですね。
そう考えると、もはやクルマは性能うんぬんよりも「見た目」で選ばれるという傾向が定着したと考えてよく、自動車メーカーは認識を改める必要があるのかもしれません(EV時代になると、さらにその傾向が強くなるものと思われる)。
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ただしフェアレディZとGT-Rはもっとひどかった
ただ、いかに販売が落ちたといえど7,889台というのもまだ悪くはないのかもしれません。
というのも、同時期に売れた日産R35 GT-Rは50台、フェアレディZに至ってはなんと28台しか売れていないから。
正直、よくこれで販売終了にならないなという感じですが、アメリカの自動車メーカーであれば(フォードがセダンやコンパクトカーから撤退したことでわかるとおり)光の速さで「販売終了」となっているレベルですね。
参考までに、トヨタGRスープラは同時期に1,725台を販売しており、アメリカンマッスルに遠く及ばないものの、フェアレディZやR35 GT-Rに比較すると大きく健闘しているということがわかります。