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アメリカでは「スープラと86とフェアレディZとロードスター」を足してさらに2倍した以上のコルベットが売れている。しかも平均販売価格は1600万円オーバー

コルベット

| このコルベットの人気には様々な要因が考えられ、しかし簡単には説明がつかない |

一般に不調とされるスポーツカーにおいても明暗がはっきり分かれている

さて、マツダ・ロードスターやGRスープラの販売が半分近く減少するなど「(北米市場での)スポーツカーの厳しい現状」をお伝えしましたが、スポーツカー(スポーティなクーペ含む)市場全体でも販売台数が14%減少するなど、マーケット自体がシュリンクしていることが鮮明になっています。

ただ、そんな中でも販売を伸ばしている車種もあり、大きく注目を集めているのがシボレー・コルベットです。

マツダ
北米にてマツダ・ロードスターの販売が急落、第1四半期では45.5%減。なおソフトトップは66%減ってスープラの販売台数を下回り、RFは23%販売減少

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コルベットはその価格帯を考慮すると驚くべき成長である

もちろんコルベットのほかにも「伸び率」が大きな車種はあるものの、コルベットがここで注目を集めている理由は「比較的高価格であること」「伸び率よりも”伸びた台数”に着目した場合、それが大きいこと」。

コルベットは2,024年第1四半期に8,576台を販売していますが、これはGRスープラの18倍といえば”どれだけ多いか”がわかるかもしれません。

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あるいは、GRスープラ、GR86、日産フェアレディZ、マツダ・ロードスターすべてを足した台数をさらに2倍した数字に匹敵すると言い換えることも可能です。

GRスープラ
北米にてGRスープラの販売が下がり続け前年比44%減に。一方フェアレディZは44%増加して「はじめて」スープラの販売を超える。いったいなぜこうなってしまったのか

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さらには「コルベットは1日あたり95台売れているものの、GRスープラは5台しか売れていない」というのもまた事実ですが、不思議なのは「なぜこうなってしまったのか」。

北米だとコルベットの開始価格は(日本では逆転しているものの)GRスープラの65,275ドルを大きく超えており、オプション込みの「平均販売価格」はなんと106,000ドルだとレポートされています。

これは注目に値する数字であり、シボレーはオプションを大量に用意することでコルベットの販売価格を引き上げており、あるいは様々な装備をオプション化することで開始価格を引き下げていると考えることも可能です。

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一般にオプションを用意するのは自動車メーカーにとっては「手間のかかる仕事」で、オプションを開発するのはもちろん、その受注を受け、それらを組み込んだ車両と「そうでない車両」を作り分けることに多大な労力がかかるわけですね。

これはテスラの生産方法を見るとよくわかり、テスラの車両はボディカラーやインテリアカラーの違いを除くと、物理的な仕様が「全て同じ」。

つまり全ての車両に最初から「最大のオプション」が組み込まれ、消費者が課金することでそのオプションをアンロックし使用することができるようになるという仕組みを持っていて、もっとも生産効率を追求する自動車メーカーのひとつであるテスラが「作り分け」を嫌っていることからも、物理的に仕様を変更することの「手間」を伺うことが可能です。

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しかしながらシボレーはこういった状況にあっても多彩なオプションを用意しており、これによって「ベース車を安価に提供できる」「消費者に対してカスタマイズの楽しみを与える」ことに成功しているとも考えてよく、これらによって販売台数を引き上げ、かつオプション装着率を向上させることで利益を最大化しているとも考えられます。

つまりは「手間のかかる」先行投資を行ったからこそリターンを得ることができたとも考えられますが、この手法はすべてのクルマで可能となるわけではなく、コルベットのように「一定のファンがいる」そして「そもそも生活必需品ではなく、自分の楽しみのために購入する、嗜好品に分類されるスポーツカー」だからこそ可能なのかもしれません。

もしろんそのほかにも様々な要因があるかとは思いますが、「ミドシップ化」とともに、シボレーはうまくコルベットを「大きな利益を得られる柱」に育て上げたとも考えることが可能です。

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2024年 第1四半期のスポーツカー販売はこうなっている

以下が北米市場の2024年 第1四半期におけるスポーツカー(+スポーティカー)販売状況ですが、コルベットはアメリカでは4番目に売れたスポーツカーとなり、ベスト5では唯一前年同期比で成績を好転させていることもわかります。

そしてこの台数は「クーペ、コンバーチブル、4 ドア グラン クーペを含むすべてのBMW 4シリーズ」よりも多く、2024年第1四半期における「王者」と言ってもよいかもしれません。

一方、あれだけカリスマ的人気を誇ると言われているGT-Rが「サッパリ」売れていないことにも驚かされますが(ただしこれはいつものことである)、これだけイメージと現実の販売とがかけ離れているクルマも少ないのではないかと思います。

車種販売台数前年同期比との差
フォード マスタング13,707台-6.8%
ダッジ チャレンジャー9,737台-14.0%
BMW 4シリーズ8,847台-26.3%
シボレー コルベット8.576台+8.5%
シボレー カマロ3,574台-54.1%
BMW 2 シリーズ3,538台+155.8%
GR862,041台+0.1%
BMW 8シリーズ1,464台-6.9%
マツダ ロードスター1,411台-45.5%
スバル BRZ985台22.2%
日産 フェアレディZ466台+44.0%
レクサスLC493台+13.9%
GRスープラ484台-44.4%
レクサス RC380台+7.9%
BMW Z4403台+1.3%
アウディ R8181台+86.6%
日産 GT-R77台-46.2%
インフィニティ Q6037台-90.1 %
アウディ TT31台-83.1%
合計56,448台-14.0%

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