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マスタング60年の歴史上、最も高価な「マスタングGTD」へと購入希望が殺到、北米だけで7,500人に達する。今後ほか地域でも受付が開始され、当選確率はとんでもなく高そうだ

マスタング60年の歴史上、最も高価な「マスタングGTD」へと購入希望が殺到、北米だけで7,500人に達する。今後ほか地域でも受付が開始され、当選確率はとんでもなく高そうだ
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| 現時点でのマスタングGTDの予定生産台数は600~1,400台にとどまっている |

なお、フォードGTの場合は生産期間を延長し、生産台数を拡大することで需要に応えている

さて、昨年夏に大きな驚きとともに登場したフォード・マスタングGTD。

これは325,000ドル(現在の為替レートにて約5100万円)というプライスタグを掲げる”マスタング60年の歴史において最も高価なモデル”ではありますが、その価格の高さはなんら障壁とみなされなかったようで、米国とカナダ向けに募集を開始したてからの37日間に7,500件を超える応募(購入希望)があったことが明らかに。

さらにフォードは、ル・マン24時間レースの開催にあわせた6月のヨーロッパデビューとともに欧州での購入受付を開始することに加え、今年の第4四半期のある時点でニュルブルクリンクへの(マスタングGTDを用いた)公式チャレンジが行われることについても言及しています。

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フォード・マスタングGTDはニュルブルクリンクをどれくらいのタイムで走ることができるのか?

そこで気になるのが「マスタングGTDがどのくらいのタイムを記録できるのか」。

もちろん現時点ではそれを知る由もありませんが、フォードは「7分を切りたい」というコメントを発しており、これはかなり意欲的な数字です。

我々はセブリング インターナショナル レースウェイやバージニア インターナショナル レースウェイでの周回を含め、北米でマスタング GTDを広範囲にテストしてきました。これらすべてが、 ニュルブルクリンクを7分以内で周回できるという自信につながっています。 ヨーロッパの公道とニュルブルクリンクでの専用テストセッションへの移行は、今年後半のチャレンジに向けた次のステップとなるでしょう。

マスタング GTD チーフ プログラム エンジニア グレッグ グドール
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参考までに、「ニュルブルクリンク7分以下」で周回できるクルマは現在(市販車で)15台しかなく、厳密に言えば、この15台のうちいくつかは、ニュルブルクリンクのタイム計測方法が変更される前の20.6kmコース(短い)でのタイム計測となっているので、現在の公式レイアウトである20.8kmを走ったと仮定すると(だいたい4秒くらい加算される)”7分以下”で走行できるクルマはここから3-4台ほど削られてしまいます。

そうなると、仮にマスタングGTDが7分を何秒か割り込むことができれば「市販車におけるニュルブルクリンクのラップタイムTOP10」に入ることも視野に入り、メルセデスAMGやポルシェ、ランボルギーニと並ぶパフォーマンスを持つことが証明できるわけですが、もちろんこれはフォード初の偉業です(フォードGTは公式にニュルブルリンクには挑戦していない)。

なお、このマスタングGTDは「レーシングカーにインスパイアされた」800馬力の公道走行可能なスーパーカーですが、マスタングGTD ブランドマネージャーのジム・オーウェンス氏によれば「マスタングの心臓部をもって、ヨーロッパのベストなスーパーカーを倒すという意志を備えた公道レースカー」としてこのマスタングGTDを企画したと語っており、どこまでフォードの持つモータースポーツでの経験が欧州の強豪に通用するのかは期待がかかるところですね(参考までに、TOP10内でマスタングGTDと同じフロントエンジンレイアウトを持つのはメルセデスAMG GTブラックシリーズの1台のみである)。

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フォード・マスタングGTDの購入を申請したのはこんな人々

5000万円を超えるクルマに(北米だけで)7,500人もの応募があったことは大きな驚きではありますが、ここで気になるのが「いったいどんな人が申し込んだのか」。

これについてはフォードがそのデータを公開しており、20%がなんらかの形でモータースポーツに関わっている人で、4人に1人がマスタングオーナー、そして5人に1人がポルシェ911GT3 RSなどのハードコアなスポーツカーを所有するオーナーなのだそう。

マスタングオーナーが25%しかいないというのはちょっと驚きではあるものの、これはおそらく「既存のマスタングとマスタングGTDとでは、価格帯があまりにかけ離れているため」だと考えられます。

なお、このマスタングGTDは(今のところ)2025年と2026年に年間300~700台程度の生産を予定しており、つまりあわせて600~1,400台しか供給されないということになりますが、現在まだ北米分の購入受付は終了しておらず、この7,500人からもっと増える可能性が考えられ、さらにここへ欧州や南米、中東からの申込みがプラスされるため、当選倍率はとんでもなく高いということになりそうですね。

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参照:Ford

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