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フォードがマスタングGTDのアクティブエアロの動作と効果について解説。「我々は車両上の空気圧の中心がどこにあるかを完全に管理しています」

2023/09/16

フォードがマスタングGDTのアクティブエアロの動作と効果について解説。「我々は車両上の空気圧の中心がどこにあるかを完全に管理しています」

| フォードはこのマスタングGTDをもってニュルブルクリンクを7分以下で走ろうとしているが |

今のところ、ニュルを7分以下で走ったフロントエンジン車はメルセデスAMG GTブラックシリーズのみである

さて、フォードは先日「ニュルブルクリンクを7分以下で走る」ことを目標として開発したというマスタングGTDを発表していますが、今回はその目標達成のために必要なエアロダイナミクス・ソリューションについてのコンテンツを公開。

なお、このマスタングGTDののエアロパーツはポルシェ911GT3 RSのそれと考え方がよく似ており、今回フォードは、このシステムがどのように機能するかについて(そしてどう異なるのかについて)の解説を行っています。

フォード・マスタングGTDはこんなクルマ

ここでマスタングGTDについておさらいしておくと、発表の1日前に「ミドシップのマスタングが発表される」という情報が大々的に報じられ、しかし実際に発表されて見るとミドシップではなくフロントエンジンだったということで多くの人ががっかりしてしまったクルマ。

ただ、その内容はこれまでのマスタングから大きな進化を遂げており、「ミドシップになる」というガセネタさえなければ万雷の拍手とともに迎えられていたであろうスポーツカーではないかと考えています。

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搭載されるエンジンは(まだ最終スペックが公開されていないものの)800馬力を超えると見られるスーパーチャージャー付き5.2リッターV8、そしてそこへアダプティブ・サスペンションやアクティブ・エアロダイナミクスなど、公式競技では禁止されている禁断の技術を盛り込み「マスタング最速」を目指したハードコアモデルで、購入方法はフォードへと熱意を見せ、その熱意によってフォードが購入者を選ぶという「選別方式」。

車両価格は約30万ドル(日本円で約4364万円)に設定されており、パフォーマンスだけではなく、その価格も「ブッチギリの」マスタングということになりそうですね。

フォード・マスタングGTDのエアロパッケージはこう動作する

マスタングGTDのチーフ・プログラム・エンジニアであるグレッグ・グドール氏によれば「マスタングGTDのボディの表面、開口部、通気口はすべて機能しています(つまりダミーはない)。あるエアは冷却のために取り込まれ、また他のところから取り入れられた空気はエアロダイナミクスとダウンフォースのために向けられています。そのすべてが、マスタングGTDがどんなコンディションでも速く走れるように、あるいは舗装路に張り付くことができるようにするためのものです」。

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冒頭では(マスタングGTDのアクティブエアロが)ポルシェ911 GT3 RSとよく似た考え方を持つと述べましたが、ポルシェ911 GT3 RSではフロントとリアのバランスを30:70で一定に保つために前後両翼を可変調整するのに対し、マスタングGTDでは「DRSはメインウィングエレメントとフラップを閉じて統合されたエアフォイルを作り、リアに追加のダウンフォースを発生させる場合のみに使用される」。

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つまり前後アクティブエアロが連動するわけではないということですが、フロントでは、アンダーボディのキール形状が(取り入れたエアを)フロントフェンダー経由にてエアを排出するという役割果たし、これによってクルマをフロアに吸つけるための低圧エリアを作り出すことになるのだそう。

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さらにグレッグ・グドール氏は「フロントとリアのバランスが保たれるように、我々は車両上の空気圧の中心がどこにあるかをアクティブに管理しています。このようなことができるのは、規則で空気の流れを積極的に管理することが認められていないレースでは不可能なことで、しかし公式競技に参戦することを目的としていないマスタングGTDだからこそ可能となるのです」。

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これらの技術革新は、フォードが自社の特別施設で何時間もかけて集中的に行った風洞テストから生まれたもので、さらにこれらの空力効果を最大化するためにサスペンションを40ミリ下げることが可能だとも紹介されています(これはポルシェ911GT3 RSにはない機能である)。

なお、現時点でもマスタングGTDのエアロダイナミクス含む詳細についてはすべてが明かされたわけではないものの、「ニュル7分切り」を公言しているからにはまだまだ隠された機能が潜んでいると考えてよく、でないとこの価格を正当化することは難しいのかも。

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参考までに、現在のところ市販車でニュルブルクリンクを7分以下で走ることができるフロントエンジン車はメルセデスAMG GTブラックシリーズのみであり、そのほかはすべてミドシップもしくはリアエンジン(つまりポルシェ911)。

よって、マスタングGTDがニュルブルクリンクを7分以下で走るというのは相当に難しいと考えてよく、しかしこの自信のほどを見るに、実際に「7分以下で走った」という報を聞くことができる日はそう遠くないのかもしれませんね。

フォード・マスタングGTDを紹介する動画はこちら

https://youtu.be/8tupjZFOk78?si=32XoBMx8RPubcSnD

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参照:Ford Motor Company

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