| フォードは「GT」の受注や販売において経験した内容をマスタングGTDにも反映させている |
とにかく「いかに自身がマスタングGTDのオーナーに的確」であるかどうかを示さねばならない
さて、フォードが「史上もっともパフォーマンスの高いマスタング」、マスタングGTDの受注受付を開始していますが、これが様々な意味で話題となっています。
まずひとつはその価格につき、当初「30万ドルから」とアナウンスされていたものの、実際に北米での受注が開始されてみると「325,000ドル」からとなっていて、つまりは10%ほど価格が上がってしまったということ。
北米での受注開始時には「2024年末か2025年初めに北米仕様モデルの生産を開始する予定」であること、そして今年6月にはメキシコ、ヨーロッパ、中東向けの受注が開始されることについても言及されています。
マスタングGTDの購入に際してはフォードに自分がふさわしいことを証明する必要がある
そしてもうひとつ話題となっているのは、このマスタングGTDの注文申請を行うには「自分がいかにマスタングGTDにふさわしい人物であるか」を証明せねばならないこと。
この申請(アプリケーション)では、まずアカウントを作成する必要があり、それが完了したのちに住所と連絡先などの詳細を入力し、その次に追加にて詳細を提供するよう求められ、ここでは「フォード マスタングのオーナーであるか、モータースポーツ コミュニティ内で活動しているか、カーコレクターであるか、インフルエンサーであるか、同様の性能のクルマを所有しているか」などの質問に応える必要が生じます。
参考までにですが、トヨタGRスーパースポーツの購入意思表明においてはこれと似たような内容を入力する必要があり、ぼくはいったんアプリケーションを送信したもののなんら連絡はありません。
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さらにフォードは応募者に対し、自分がマスタングGTDの優れたオーナーになれる理由を説明できる”長さ60秒以内の動画”の提出を求めていますが、これらの内容はフォードGT発売時の状況と非常によく似ていて、しかしマスタングGTDのほうが「露骨」になっているようにも思えます(フォードGTの際は、インフルエンサー、コレクターといった要素よりも、熱意が重視されていたように思う。ただし結果的に重要視されたのはインフルエンサー含む著名人であった)。
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つまり、明らかにフォードは、マスタングGTDの割り当てを受け取った人々がマスタングGTDを運転し、それに関するコンテンツを制作し、他の人が楽しめるイベントに持ち込んでもらえるようにしたいと考えており、いわゆるUGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)を重視しているということになりそうです。
現時点でこのマスタングGTDの生産台数については公開されておらず(1,000〜2,000台だといわれる)、しかしこれも「申込数と内容に応じ、適宜増加させることができるよう」という対策だと思われ、このマスタングGTDの受注方式については、フォードGTでの教訓が生かされていると考えて良いのかもしれませんね(フォードGTでは、申込み開始から購入者決定の段階で様々な問題が生じ、結果的に生産台数が引き上げられている)。
なお、このマスタングGTDは、5.2 リッターのスーパーチャージャー付きV8エンジンを7,500rpm以上まで回転させることで800馬力以上を発生させ、先進的なセミアクティブサスペンションと包括的なエアロパッケージによってニュルブルクリンク北コースで7分を切るラップタイム目標としており、公式アタックにも期待がかかります。
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