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フォードCEO「もともとフォードGTは計画になかったクルマです。マスタングでル・マンに出る予定だったのですが、勝てないとわかったのでGTを作りました」

フォードCEO「もともとフォードGTは計画になかったクルマです。マスタングでル・マンに出る予定だったのですが、勝てないとわかったのでGTを作りました」

| それでも短期間でここまで素晴らしいクルマを作ることができたことに驚かされる |

結果的にフォードGTは「大成功を収めたクルマ」だと言っていい

さて、フォードGTは現代のスーパーカーの中では「もっとも値が上がる」モデルの一つであり、今回フォードCEO、ジム・ファーレイ氏が(これまで明かされなかった)誕生秘話をカーメディアに対して語ることに。

そのフォードGT誕生秘話につき、簡単に言うと「当時、フォードはマスタングでル・マンを戦い勝利を収めたかったものの、マスタングではル・マンに勝てないことがわかり、代わりにフォードGTを作ることになった」という衝撃の内容であり、まさかそんな経緯があったとは、という感じですね。

フォードGTが競売に登場、数日を残して価格が大きく1億円をオーバー。やっぱりフォードGTは近年「もっとも価格の上がるスーパーカー」に
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フォードはマスタングをもっと売りたかった

フォードは1966年に「フォードGT40」にてル・マン24時間に参戦し歴史的な1-2-3フィニッシュを飾っていますが、その50周年となる2016年の重要性についてはしっかりと認識しており、よってこの50周年を迎えるに際してマスタングで優勝を飾り、マスタングの販売にはずみをつけたかったのだそう。

同時期にフォードはマスタングを「グローバル化する」と決め、それまで左ハンドルしか生産していなかったマスタングに右ハンドルを追加するなど拡販に注力しており、フォードのレーシングカーを手掛けてきたカナダのマルチマチック社と共同にて「マスタングでル・マン24時間レースを走って優勝を目指す」プロジェクトがスタートさせていたといいます。

実際にフォードはル・マン24時間レースととアメリカのスポーツカー選手権を担当する規制当局であるIMSAに問い合わせ、マスタングを耐久レース仕様にするには何が必要かを検討し、同時にマルチマチック社はシミュレーションを開始したものの、両者の試算結果をあわせたところ、「マスタングのシルエットを保ったレーシングカーでル・マンに勝つのは不可能である」という結論に達してしまい、そこでフォードは方針を変更することに。

私たちはその時点で、マルチマチックとラリー・ホルトの技術的リーダーシップにより、完全に計画を変更することにしました。そして私たちはフォード GT を設計したのです。当初のアイデアは新しいGTを作ることではありませんでした。 私たちはマスタングでル・マンに勝ちたかったのです。

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実際のところ、このフォードGTは2016年のル・マン24時間レースに出場してみごとクラス優勝を収めていますが、まさかフォードGTが「やむを得ない事情から」誕生し、「そもそも計画になかった」というのは驚きの事実でもありますね。

そしてフォードGTは2017年から生産を始め、2023年にかけて1,350台のフォードGTを製造し、そのうち最後の67台は「究極のフォードGT」として生産されています。

これはサーキット走行専用車となり、(公道走行仕様の)660馬力から一気に800馬力へと出力が向上し、ハンドリングを改善するためのホイールベースの延長、マルチマチックのアダプティブ・スプール・バルブ・サスペンション装着、およびエアロダイナミクスの強化が図られた「コレクターズエディション」とも言える仕様を持つことが特徴です。

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ただしフォードはマスタングの「夢」を捨ててない

しかしながらフォードはマスタングをもっとアイコニックなモデルに育てたいという意志を捨ててはおらず、今年6月にはマスタングのレーシングカー、マスタングGT3の要素を落とし込んだ「マスタングGTD」を発表したばかり。※マスタングGTDもフォードGT同様、マルチマチックによって製造される

マスタングGT3は2024年のル・マン24時間レースに出場しクラス優勝を狙う傍ら、マスタングGTDはフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンらスーパーカーと並ぶパフォーマンスを発揮することを前提に設計されており、サーキット、そして公道においても「覇権を取る」準備を進めていると考えてよく、とくに「マスタングでル・マン優勝」という悲願達成には期待がかかります。

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参照:Top Gear

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