| さらには特殊な消化方法が必要となり、消化にかかる手間と時間もガソリン車とは大きく異る |
EVの普及とともに様々な問題が出てくることになりそうだ
さて、EVには発火の可能性が常につきまとい、統計上だと「ガソリン車の2倍の確率で燃える」とも言われていますが、ガソリン車とはまったく異なる問題も含んでおり、それは「駐車中でも燃える」「燃えだしたら鎮火が難しい」ということ。
ガソリン車であれば、およそエンジンが始動している間や走行中でしか燃える理由がなく、そして火を消してしまえば再発火することはほぼないわけですが、EVの場合は走行中に加え、充電中や駐車中にも燃える可能性があり(むしろそのほうが多いかも)、そして鎮火したように見えても熱暴走が収まっていなければ再び燃え出す可能性が非常に高いわけですね。
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その事故は「3週間放置していた」テスラで起きた
そして今回報じられているのが「3週間ほど、廃車置場に放置されていたテスラが突如燃えた」という事例。
このテスラは事故(火災ではない)によって廃車扱いとなり、ジャンクヤードに置かれていたものの、3週間ほどたって突如燃えだしたと報じられています。
現地消防隊は通報によって現場に駆けつけ、(おそらくはEV消火の訓練を受けていたため)ピットを作り、その中にテスラと水を入れて消化したそうですが、EVの再発火を抑えるにはこの方法しかなく(温度を下げねばならない)、従来のガソリン車とはまったく異なる手法が要求されるもよう。
なお、EVが一台燃え出すと、その熱によって横にあるEVが次々燃え出す可能性もあり、こういったジャンクヤードにEVを並べて放置しておくのは非常に危険なのかもしれません。
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さらに言えば、EV(事故車)をそのまま置いておくこと自体がリスクを意味しており、放置前にはバッテリーを取り外すなどの対応が望ましいとは思いますが、現実問題として、多くのEVでは車体とバッテリーとを密閉する形で取り付けており、簡単に取り外すことは不可能です。
そうなれば、こういったジャンクヤード運営業者に対しても「これまで不要だった」コストや設備も必要になり、これもまた「急速にEV化を進めた際の弊害」として問題化しそう。
そしてこれを解決するには、メーカー側が(バッテリーのリサイクル含め)なんらかの対応を行うことが望まれるものの、メーカーがそこまでやってくれるかどうかは期待できず(日産など一部自動車メーカーはリサイクル事業を本格化させると公表済み)、となるとそのコストのツケは回り回って保険会社、そしてユーザーが支払うことになるのかもしれません。
国は無責任にEVの販売を促進すべきではない
これ以外にもEVには充電インフラなど様々な問題が顕在化しており、誰が何を負担するのかが不明なまま普及に向けて走り出しているといった状況も。
印象としては、政府は無責任に「EVを作って売れ」と直接もしくは(法令によって)間接的に自動車メーカーに指示するものの、そのために環境づくり、発生しうる問題の対処については二の次というか無関心なように思われ、本気でEVを売るのであれば、やはり国と自動車メーカーが真剣に話し合って足並みを揃え、充電、そして廃車の際のバッテリーのリサイクル、もしもの事故の際の対策などをしっかり行うべきだと考えています。
ぼくはEVに対してはポジティブですが、EVに対する国や政府の支援についてはネガティブな印象を持っていて、いくつかの自動車メーカーが言うように、EV普及における最大の障壁はそこにあるのかもしれません。
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参照:KCRA News