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テスラが中国の4倍以上となっている米国の納車期間を短縮するために中国から技術者200人をカリフォルニア工場へと送り込むようだ!まさに技術の「逆輸入」

2022/11/05

| ただし中国の上海工場では使用している生産設備も新しく、カリフォルニアの工場で使用しているものは古いとされている |

これで実際にカリフォルニア工場の生産効率が飛躍的に改善されるとちょっとびっくり

さて、テスラの上海工場は現在もっとも高い生産能力を誇るギガファクトリーとなっていますが、そのためか中国におけるテスラ・モデル3 / モデルYの納車待ちは最短で「7日」、最長で21日だと報じられています。

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一方でアメリカでのモデル3 / モデルYの納車待ちは最短で27日、最長だと172日となっていて、こういった数字を見ても上海工場の生産能力が非常に高いということがわかりますね。

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テスラは中国の技術を「逆輸入」

そこで今回報じられているのが「テスラの上海工場から多数のエンジニアと生産スタッフをカリフォルニア州フリーモントの工場に派遣する」というニュースで、これはつまり中国工場のスタッフがその技術を伝授し、フリーモント工場の生産増強と納期短縮のための支援を行うということを意味します。

報道によれば、今回派遣されるのは自動化および制御エンジニアだといい、約200人のテスラ社員が今月から少なくとも3カ月間、特定の任務を遂行するために上海からカリフォルニアに移動ことになるのだそう(その人数、期間を考慮すると相当なコストが発生することになるが、それでもテスラは”やるべき”だと判断したということになる)。

なお、テスラは最近、納車台数の50%増を目標に上海ギガファクトリーをリニューアルしていて、フリーモント工場の年間生産台数65万台に対し、上海の生産台数は約100万台にまで拡大しています。

このアップグレードには5週間を要したものの、9月には中国で過去最高の83,135台を納車することになり、これまで「最長21週間」だった納車待ちが上述のとおり7日〜21日に短縮されているわけですね。

ただ、この生産能力の違いは単に生産ラインの数や効率の問題だけではなく「工作機械の差」もあるものと考えられ、というのもフリーモント工場はテスラの最初の工場でもあるため設備が古い、と言われます。

反面上海では比較的新しい工作機械を導入しているとされ、もしかすると今回の大移動については「フリーモント工場に新しい工作機械を導入し、その使い方を教えに行く」のかもしれませんね。

テスラはコバルト生産会社の株式を購入しようとしていた?

そして直近にてもうひとつテスラに関する話題が報じられており、それは「(リチウムイオンバッテリーの生産に必要な)コバルトの最大生産業者であるグレンコア社の株式を購入する計画を持っていた」というもの。

現在はバッテリー生産のための希少希土類が不足しつつあり、そういった資源を抑えたものが勝者になるという話もチラホラ聞かれ、そのためちょっと前には「テスラがリチウム採掘業者を買収する」というデマが報じられたこともあるほどです。

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ただし今回のグレンコア社に関する件はデマではなく事実のようで、関係者によると、両社の協議は昨年から始まり、テスラはグレンコアの株式を10~20%購入する可能性について検討していたといい、今年3月にはグレンコア社CEO、ゲイリー・ナゲール氏がカリフォルニア州フリーモントにあるテスラの工場を訪問し、さらなる交渉が続けられた、とのこと。

なお、テスラは2年前にグレンコアとコバルトのオフテイク契約を結んでいますが、イーロン・マスクCEOは以前からバッテリーの全製造工程を自社によってコントロールしたいという意向を示しており、かつては「バッテリー製造コストが改善されない限り、実際に(リチウムの)採掘と精製に直接、大規模に参入しなければならないだろう」ともコメント。

しかしながらテスラとグレンコアとの交渉は、グレンコア社の大規模な石炭採掘事業とテスラの環境目標が衝突することをテスラが懸念したため終了したといい、テスラはやはり「クリーン」なイメージを保つことを重要視したのだと思われます。

ただし株式取得計画がなくなったからといって両者の関係が終了するわけではなく、グレンコアはテスラに対し、中国・上海とドイツ・ベルリンの工場でリチウムイオン電池を製造するため、年間最大6,000トンのコバルトを供給しており今後も関係性が継続するほか、グレンコア社はテスラのほか、SKイノベーション、サムスンSDI、BMW、ゼネラルモーターズともコバルトのオフテイク契約も結んでいる、とも報じられています。

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参照:BloombergFinancial Times

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