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テスラはこの5年で自社のEVの平均価格を「半分」にまで下げていた!しかしこの数年でさらに「半分に」引き下げる可能性が濃厚に

2023/02/13

テスラ

| テスラはアメリカで最も安価なEVを提供することを目的としている |

そのため、生産効率の向上によって継続的にコストを引き下げてきた 

さて、テスラはその電気自動車の平均販売価格を「5年で半分」にしていますが、次世代EVプラットフォームにて「再び」それを実現するかもしれない、との報道。

テスラはもともと「ロードスター」にてEV業界へと参入し、その後にセダンのモデルS、さらにはクロスオーバーのモデルXを投入していますが、これらの価格はプレミアムセグメントに属しており、その対象顧客は「電気自動車に乗るために割増料金を支払うことをいとわない裕福なバイヤー」。

ただしその後には求めやすい価格のモデル3とモデルYを発売し、これらが大量に売れることで「テスラのEVの販売価格が半分に」なっているわけですね。

それでもまだテスラの車両は高額であることにはかわりはない

ただ、こういった「平均価格の低下」が見られる一方、テスラはモデル3そしてモデルYを継続的に値上げしていて、昨年末〜今年に値下げしたといえどもその価格はプレミアムセグメントに位置しており、メルセデス・ベンツ、アウディ、BMW等のプレミアムカーメーカーと競合するゾーンに位置します。

しかしながらテスラは「生産効率」をもっとも重視しており、そして「アメリカで最も安価なEVを提供する」ことを目的としているため、継続して生産コストの削減を行っており、こちらも販売価格同様に「数年で半分」となっていると報じられたのは記憶に新しいところ。

テスラ

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こういった事実があるため、テスラはたとえ値下げを行ったとしても「まだまだ自動車業界でもっとも高い利益率」を持つと言われているのですが、数年内に導入されるであろう新設計のプラットフォームによってさらにこのコストを下げることが可能になると予測されており、いっそうの販売価格の下落があると見られているわけですね。

テスラ・モデルY
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ちなみにこちらが車両販売価格と営業利益との関係性を示したもので、青い棒グラフが車両平均販売価格、そして赤い折れ線グラフが営業利益。

これを見ると、販売価格が下がっているのに営業利益が何倍にも伸びていることがわかりますね。

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テスラはEV製造の根幹により深く関わる

なお、この新型プラットフォームの詳細についてはアナウンスされておらず、しかしこれまでの様々な報道、イーロン・マスクCEOの発言を見るに、テスラの4680バッテリーセルをベースにした新型バッテリーパックを持ち、これを収めるためにギガキャストにて製造されたシャシーを持つと言われます。

テスラは3月1日にマスタープラン3を発表することをアナウンスしていますが、これまでにもテスラは年間2000万台への規模拡大をどのように実現するかについて語っており、その内容としてはリチウムやニッケルなどの鉱物を精製する工場建設、ギガファクトリー、バッテリー工場の増設など。

そしてマスタープラン3ではEV製造にかかわるサプライチェーン全体を通じ、テスラが深く関与する計画が公表されるものと思われます。

テスラ

よって、サプライチェーンと製造計画、および新しい車両プラットフォームにより、テスラは新しいカテゴリーの車両を生産できるようになると考えてよく、最終的には平均販売価格を大幅に引き下げるであろう「25,000ドルの」小型車投入の可能性がここで見えてくるのかもしれません。

こういったテスラの行動を見るに、テスラはEVの共同が激化することを予め見越していたとしか考えられず、ロードスターにて話題をさらい、そして実売モデルのモデルSとモデルYにて販売を拡大し、そしてそれらをターゲットにしてメルセデス・ベンツやポルシェ、さらには新興メーカーが同セグメントへ参入してくる頃にはモデル3 / モデルYといった全く異なるセグメントへと移行していて、そしてそこへ中国の自動車メーカーが大量になだれ込んでくる頃にはまた別の「25,000ドル」という他社がとうてい真似できないる領域へと移行しようとしているわけですね。

つまりライバルたちと競合しないように市場を変えつつ販売を伸ばしているのがテスラの戦略ということになりますが、まさにこれは「戦わずして勝つ」なのかもしれません。

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参照:Electrek

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