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テスラの「映画館とレストラン併設のレトロな充電ステーション」建設計画が承認される。今後EV市場において重要視されるのは「充電体験」

2023/08/28

テスラの「映画館とレストラン併設のレトロな充電ステーション」建設計画が承認される。今後EV市場において重要視されるのは「充電体験」

| 充電にかかる時間をどうやって「利益に変えるか」は今後自動車メーカーや充電ネットワーク業者等の大きな課題であると言える |

この時間の活用方法によって様々な可能性が生まれてくる

さて、テスラが昨年に充電設備とレストラン、そして映画館を併設した「ダイナー&ドライブインムービー スーパーチャージャー」の建設申請を行ったことがわかっていますが、今回はその設備の建設許可がおりた、との報道。

具体的には32台のスーパーチャージャースタンド、映画上映するための2つのスクリーン、そしてルーフトップテラスを備えたレストランとドライブインムービーシアターとの複合施設という計画です。

テスラ
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現在「テスラ・ダイナー」の建設が進行中

この通称「テスラ・ダイナー」につき、最初はサンタモニカに建設される予定であったものの、その後ハリウッドへと変更され、現在ではまたサンタモニカ(7001 W. Santa Monica Boulevard)に建設されるという流れとなっています。

すでに建設予定地は確定しており、7月18日に認可がおりたことによってプロジェクトが急速に進行していることも伝えられていますが、設計を行うのはアリゾナ州チャンドラーに拠点を置くスタンテック・アーキテクチャ、建設請負業者はカリフォルニア州グレンデールのPCLコンストラクションサービスということも明らかに。

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なお、一般に電気自動車の充電には時間がかかり、その充電のための時間を潰すために多くの電気自動車には「(ゲームをはじめとする)エンターテイメント機能」が内蔵されているものの、現在テスラの「スーパーチャージャー」は急速にその数が増え、また充電時間も短くなっているために「待ち時間、充電時間」とも短縮傾向にあります。

そういった流れの中で「充電体験を向上させる」ための設備を(多大なコストをかけて)建設するというテスラの真意は現時点で把握しかねるというのが正直なところであり、しかしテスラの充電インフラ部門のシニアディレクター、レベッカ・ティヌッチによれば、顧客に「本当に素晴らしい充電体験」を提供するための戦略の一環だとされ、となるとテスラは今後も同様の設備を拡大してゆくのかもしれません(ライバルが増加する中、ディーラーを持たないテスラとしては、顧客とのコンタクトポイントとしてこうった施設を活用したいと考えているのかもしれない)。

ちなみに「充電時間」は顧客との接点を創出するという意味では非常に大きな意味を持ち、実際にメルセデス・ベンツも自社独自の充電体験をできるように考えられた施設を建設すると発表済み(日本でも同様の計画が発表されている)。

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さらにはサブウェイも販売工場施策の一環としてレストラン併設充電ステーションの建設を表明しています。

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そして日本でもレクサスが商業施設とのタイアップにて顧客体験の向上を目的としたサービスを導入しており、今後こういった「充電時間の有効活用とマネタイズ」、そして「充電を必要とする顧客の誘致」については自動車メーカー、商業施設、充電サービス会社など様々な業種入り乱れての戦国状態となり、一定数のEVが普及したのちは「EVオーナーの囲い込み」が重要な課題となるのかもしれません。

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参照:Teslarati, Ed Howard(X)

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