「嘲笑の対象」とされたテスラ・サイバートラック。世界で最も嫌われているクルマだと言われながらも”10万ドル以上の”価格帯ではメルセデス・ベンツ、ポルシェ含めもっとも売れている車に

｜　やはりテスラのブランド力は絶大、株を売らなければ良かったな　｜

もっとも嫌われているということは、もっとも関心を持たれているという裏返しでもある

さて、テスラ・サイバートラックは現在「ネット上でもっとも嫌われているクルマ」だと言って過言ではないかもしれませんが、これは同時に「もっとも支持を得ているクルマ」を意味するもよう（長年、プリンスが”好きなアーティスト”と”嫌いなアーティスト”の両方を独占していたのとよく似ているのかもしれない）。

というのも、2024年7月の販売実績を見ると、米国で販売される6桁（つまり10万ドル＝現在の為替レートでは約1470万円くらい）のクルマの中ではピュアエレクトリック、ハイブリッド、ガソリンなどすべて含めて「もっとも売れているから」で、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、その他のブランドのモデルでもこれに勝るものなかったのだと報じられています。

テスラ・サイバートラックはすべてのトラックをも凌駕する

このデータは米消費者調査団体、ケリー・ブルーブックが公表したものですが、これによるとテスラがオーバーテイクしたのは乗用車だけではなく（すべてのパワートレーンを積む）トラックについても同様であり、つまりテスラ・サイバートラックは「10万ドルオーバーのクルマだと、あらゆるジャンル、あらゆるパワートレーン」の中で王座に就いたというわけですね。※サイバートラックの平均購入価格は111,018ドルである

なお、現在アメリカには様々なピックアップトラックの選択肢があり、そしてそれらはますます高価になっているといいますが（別の統計によると、富豪が好んで乗るのはフォード F-150などのピックアップトラックであるようだ）、そんな中でお金に余裕がある人々が選ぶのはサイバートラックということにことになり、そしてテスラがサイバートラックを販売開始した後、その平均販売価格が11％上昇したのだそう。

サイバートラックは当初「画期的な構造を採用し、利益率が非常に高い」と言われていたものの、実際に生産開始の段階まで来てみるとバッテリーパックそしてボディパネルに生じた問題に起因して非常に製造コストが高くなってしまい、したがって販売価格が当初の倍ほどにも上昇してしまっていますが、それでも「売れている」というのはやはり驚きであり、なんだかんだ言いながら「テスラ」ブランドは非常に強い、ということになりそうです（アップルと似たところがある）。

そしてどこかの時点でテスラが現在の「製造コストの問題」を解決でき、値下げを行っても十分な利益が出るようになれば、テスラの財政状況も大きく動くことになるのかもしれません。

あわせて読みたい、テスラ・サイバートラック関連投稿