
Image:McLaren
| 2027年、マクラーレンがル・マンへ帰還 |
「ル・マン・ハイパーカーの販売」はひとつのビジネスとして成立
マクラーレン・オートモーティブとマクラーレン・レーシングは2025年6月14日、伝説の耐久レース「ル・マン24時間」を含むFIA世界耐久選手権(WEC)へ2027年に参戦することを正式発表。
これに伴い、極めて限定された顧客向けに本物のル・マン・ハイパーカーを販売する特別なプログラム「Project: Endurance(プロジェクト・エンデュランス)」の始動についてもアナウンスしています。
-
-
マクラーレンが「ル・マン参戦」を正式発表。詳細は今後の発表を待つ必要があるものの、フェラーリやポルシェとの戦いに注目が集まる
Image:McLaren | 現在、マクラーレンはモータースポーツにおいて「もっとも勢いがある」チームのひとつである | そして「1995年のル・マンでの栄光」を再現できるかにも要注目 さて、先日は ...
続きを見る
【プロジェクト・エンデュランス(Project: Endurance)】とは?
ハイライト
- WEC参戦車両と同仕様のLMDhル・マンハイパーカーを顧客向けに少数生産
- 参加顧客はマクラーレン開発陣とともにマシンを作り上げる体験が可能
- 2027年のル・マン現地体験を含む“トリプルクラウン”獲得の一翼を担う
- 世界の名門サーキットでの2年間のトラック走行プログラム付き
- 専属ピットクルー、エンジニア、プロドライバーの個別サポートあり
「マクラーレンの歴史を体感できる、究極の顧客体験」
フェラーリやアストンマーティン然り、「ル・マン・ハイパーカー」を顧客に販売するケースが増加していますが、マクラーレンもそれに続くということになり、しかし「まだ参戦前の車両を販売し、顧客と一緒に参戦用車両を作ってゆく」というプロセスは類を見ず、これはマクラーレンの顧客にとっても特別な体験となりそうですね。
マクラーレングループCEO ニック・コリンズ氏は、プロジェクト・エンデュランスについて次のようにコメントしています。
「ル・マン仕様のLMDhマシンを所有し、開発・テスト・レースの舞台裏まで体験できる──そんな唯一無二のオーナーシップ体験をお届けします。」
【スペック情報】LMDhル・マン・ハイパーカー
そしてマクラーレンのル・マン・ハイパーカーのスペックも同時に公開されており、注目すべきは開発パートナーにダラーラを選んだということで、これは今年のル・マン24時間レースの予選にてフロントロウを独占したキャデラック、それに続くBMWと同じ選択です(つまり相当に競争力のあるシャシーである)。
そしてもうひとつ注目すべきは「V8」ではなく「V6」を選択したこと。
LMDh規定では、指定された開発パートナーが提供するシャシーを使用する必要がありますが、エンジンについては選択の自由があり、ほとんどのチームは「V8」を選んでいます。
そしてV6を使用するチームとして知られるのは(LMDhシャシーではありませんが)フェラーリで、これに搭載されるのは296GTB / 296GTS、そしてハイパーカーF80と同様の「V6」。
- V6ツインターボ+ハイブリッド
- 開発パートナーは名門ダラーラ(Dallara)
- 後輪駆動(RWD)
-
-
フェラーリ最新ハイパーカー、F80に積まれるV6エンジン「F163CF」は296GTBに積まれるF163とどう違う?数々の改良によって「現在のフェラーリではもっとも高いパワー密度を誇る」エンジンに
| フェラーリはおそらく「F163」設計時に「今後のフェラーリの(パフォーメンス面での)フラッグシップのエンジンはすべてV6」と考えていたようである | 現在のF1(SF-24)、499P、F80はす ...
続きを見る
【Triple Crown(三冠)】とは?
そしてマクラーレンが目指す「トリプルクラウン」とは以下のレースでの優勝を指し、マクラーレンはモータースポーツ界で唯一、以下3つすべてを制覇した「トリプルクラウン」メーカーとしても知られ、この栄光を再現するのが「プロジェクト・エンデュランス」であり、この三冠を1シーズンで達成するという新たな野望を掲げているわけですね。
- F1モナコGP
- インディ500
- ル・マン24時間レース
-
-
【限定50台】マクラーレン750S Le Mans(ル・マン)登場。伝説のル・マン優勝車にオマージュを捧ぐ特別仕様
Image:McLaren ル・マン優勝30周年記念モデル「750S Le Mans」が登場 「750S ル・マン」はハイパーカー「W1」よりもずっと少ない限定台数に設定される マクラーレンは1995 ...
続きを見る
【顧客体験の全容】まさに「チームの一員」
開発参加型プログラム
そしてこのプロジェクトの「目玉」となるのが(このハイパーカーを購入した顧客が)マクラーレンレーシングのテスト・開発現場に同行し、ドライバー・エンジニア・開発スタッフと密接に交流できること。
2年間の専用サーキットプログラム
- 世界中の有名サーキットを巡回
- 「アライヴ・アンド・ドライブ」方式で楽に参加可能
- プロドライバーによるドライビングコーチング
- 専属ピットクルーとレースエンジニアによるフルサポート
【価格・台数・販売方法は未公表】
本プログラムは“極めて限られた”台数で展開され、詳細は今後数カ月で段階的に公開される予定だとアナウンスされていますが、購入希望者には、今後マクラーレン公式チャンネルを通じて案内があると見られています。
【まとめ】マクラーレンと“未来のル・マン”を共有できるオーナー体験
プロジェクト・エンデュランスは、単なる超高級車の販売ではありません。
これは、マクラーレンというモータースポーツの巨人の一部になるチャンスでもあり、顧客自身が2027年の「ル・マンの勝利」に関わることができる──その価値は価格では測れないものであると思われます。
合わせて読みたい、マクラーレン関連投稿
-
-
マクラーレンが60周年記念として「F1」「ル・マン」「インディ」3大レースでの勝利を1台に凝縮した650S「3759」を発表。塗装にかかるのは1200時間
| この特別な650Sの生産はわずか6台のみ、もちろんすべての個体が売約済み | それにしてもマクラーレンの塗装技術の高さには驚かされる さて、マクラーレンは先日「”インディ500” ”モナコGP” ...
続きを見る
-
-
【狙い目のデイリースーパーカー】新車のポルシェ911よりも中古のマクラーレンGT?2000万円を切る個体も登場、”中古GT”が今アツい理由
| 高年式中古でも比較的安価、はじめてのスーパーカーオーナーにも安心 | マクラーレンGTはライバルと比較しても“アリ”な選択肢 スーパーカーと聞いて、多くの人が「高嶺の花」「走る芸術」「非日常」とい ...
続きを見る
-
-
【超希少】世界に5台。マクラーレン P1 カーボンシリーズ、しかもほとんど未走行の車両がが約3.1億円で販売中
Image:F1rst Motors | 伝説のマクラーレンP1、その“究極の姿”が市場に登場 | スペックは通常のマクラーレンP1と変わらず、しかし“芸術作品”の域に 「ハイブリッド・ハイパーカー御 ...
続きを見る
参照:McLaren