| 果たしてこの価格で売れるのかどうかは疑問だが |
さて、生産が開始され、好調に納車の進む新型コルベット。
トヨタGRスープラ同様、大きな話題となったモデルだけに、避けることができないのが「転売」という宿命。
ただし新型コルベットは限定モデルではなく、注文して待っておけば手に入るカタログモデルでもあり、「プレミア価格でも手に入れたいという人がそこまでいるのか」と疑問になるものの、アメリカの中古車売買差サイトを見ていると、ワンサとC8コルベットの転売がなされているようです。
転売価格は車両本体価格の「倍」
なお、C8コルベットの基本価格は59,995円。
これに様々なオプションを装着することになり、平均の購入金額は約8,000ドル(860万円くらい)と言われます。
新型コルベット受注内訳。最上位グレードに74%が集中、ベースグレードは”たったの一人”。ノーオプションでの購入はゼロ、平均だと280万円、最高だと460万円のOP装着
ただし中古車販売サイトを見ると、もっとも安いものだと9,800ドル(これは良心的)、もっとも高いものだと159,880ドル(これはボッタクリ)。※いずれも走行距離は数十キロという個体
まさに平均購入金額の「倍」で販売される個体も珍しくないといった状況ですが、一番多いのは115,000ドル(1230万円)~125,000ドル(1340万円)で、平均購入金額のおおよそ400~500万円プラス、というところですね。
実際にこれだけの上乗せ金額を支払って購入する人がどれくらいいるのかは不明ですが、コルベットの初年度生産分である4万台はすでに売り切れていると言われるので、今から注文しても次に手に入るのはおおよそ1年後。
そこまで待てないという人はこのプレミアムを支払ってでも転売組からコルベットを購入するのかもしれません。
シボレー「新型コルベットはまだ1台も作ってないのに初年度分の4万台が完売した」。なおポルシェ911の年間販売は36,500台
コルベットの主要顧客はベビーブーマー
なお、コルベットはもともとベビーブーマー世代に人気のあったクルマで、しかしそれ以降新しいオーナー層を取り込めなかったため、その客層が時間とともに高齢化したとも言われています。
そしてかつてのベビーブーマー層も70歳前後となっているので、こういった人々であれば「けっこうお金を持て余していて」時間をお金で買うというケースも多そうですね。
そして、もうひとつ転売が成立しやすいと思われるのが「来年度生産分からの値上げ」。
コルベットは1台売るごとに220万円の赤字
C8コルベットはこれまでのFRからミッドシップへとドラスティックな変身を遂げていますが、シボレーはこのモデルチェンジに100%の自信を持てなかったようで、意図的に”かなり安い価格設定”を行っています。
C8コルベットは完全新設計なのでコストが高く、当初は「新型コルベットは、C7コルベットの1.5倍くらいの価格になる」と言われていたわけですね。
加えて、シボレーは「失敗に備えて」C7コルベットも当面併売すると報じられた時期もあり(まだ新車のC7コルベットが大量に残っているので、併売といえば併売ですが・・・)、とにかく新型コルベットのフルモデルチェンジを恐れていた様子が伺えます。
ただ、シボレーはこの「併売」案を切り捨て、なんとしてもC8コルベットを成功させる道を選んだようで(そのほうが健全)、そのために行ったのが上述の「安価な値付け」。
実にC7コルベットのわずか5,000ドルプラスにとどまる価格設定とし、しかしこれが現在の爆発的なコルベット需要に結びついたとも考えられます。
ただ、この値付けは実際のところ赤字であるとも報じられ、1台ごとにシボレーは220万円も損しているとも。
いかにオプションを選んでもらったとしても「220万円」を取り戻すのは容易ではなく、そこで囁かれているのは、「2021年モデルからの大幅値上げ」。
さすがに1年で220万円を取り戻すほどの値上げは行わないと思われますが、100万円程度の値上げを行う可能性は十分にあり、「値上げとなると中古相場も大きく上がる」と考えた人が、”今のうちに”と考えて割り切り、プレミア価格でコルベットを購入するのかもしれません。
新型コルベット(C8)は一台売るごとに220万円も損していた!シボレーはこれを取り戻すために二年目以降に大幅値上げを行うと報じられる
VIA:Auto Trader