| なんだかんだでF1マシンのラップタイムはどんどん速くなっていた |
公平性を期すために速いマシンの速度を抑えるといったイメージも持っていたが
さて、ユーチューバー、Drive61が「F1黎明期から現代までで、どれほどラップタイムが速くなったか」という動画を公開。
この動画ではF1におけるテクノロジーの進歩とラップタイムとの関係性について触れており、さらには各年の相対的なペース差を理解するために、これまでの全シーズンの全レースの最速ラップタイムを分解して得たデータをグラフ化したうえ、データの有用性を高めるために、大きなルール変更やコースレイアウトの変更なども考慮するというこだわりようです。
最初のブレイクスルーは「ミッドエンジン化」
まず、ラップタイムが大きく向上したのはF1マシンがミドシップへと移行した1950年代で(4分32秒)、その次はエンジニアがハンドリングを最大限に引き出すためのソリューションを創造し始めた1960年代後半(4分22秒)、さらには本格的なエアロダイナミクスが登場した1970年代前半。
加えて1970年代後半、1980年代半ば、1990年代前半、2000年代前半のレギュレーション変更により、それぞれ8秒、5秒、5秒、4秒のラップタイムの向上が見られています。
とくにトラクションコントロール、ABS、アクティブサスの導入もかなり大きかったようですね。
ただ、すべてのレギュレーション変更がクルマを速くするわけではなく、安全性を高めるための変更もあれば、レースを公平にするための変更もあり、1976年にニキ・ラウダに起きた事故、1994年にアイルトン・セナの事故に起因する安全性の向上により、ラップタイムはそれぞれ2秒、3秒遅くなった例も。
そのほかレースをより身近にするために行われた変更も数多くありますが、いずれもラップタイムは2〜4秒程度向上しています。
なお、2014年にV6ハイブリッドパワーユニットが導入された後は今年までラップタイムがどんどん速くなっており、しかし今年はスピードよりも競争力のあるレースに焦点が当てられるように。
ぼくの印象としては、近年におけるF1のレギュレーションは「各チームのバランスを取るため」ものが多いように思われ、F1本来の「トップカテゴリならではの最先端技術開発競争」がちょっと違う方向へと動いているようにも思えたのですが、こうやって見るとF1のタイムは実際に速くなっていて、さらに安全性や環境性能も高くなっているので、結果的には「これで良かった」のかもしれません。
参考までに、Driver61は2020年のF2、F3、F4の最速ラップタイムをグラフに追加しており、現在のF4マシンは1970年代初期のF1カーのスピードに匹敵し、現代のF3マシンは1980年代初期のF1カーと同じくらいのスピードがあり、現在のF2マシンは1990年代初期のF1マシンに匹敵するタイムを誇っており、フォーミュラカーが全体的に速くなっていることがわかります。
F1におけるレギュレーション変更、新デバイスの導入や禁止によるタイムの変動をまとめた動画はこちら
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参照:Driver61