| PHEVは充電してEVモードで走らないととてもモトが取れない |
PHEVを購入したオーナーにとっても「想定と現実とは事情が違った」のかも
さて、米グリーン・カー・レポートが発表した調査結果によると、プラグインハイブリッド車を購入した人のほとんどが「プラグインしていない(充電していない)」という衝撃の調査結果が発表に。
ちなみにハイブリッドといっても色々な種類があり、しかし大雑把に言うと「ケーブルを挿してバッテリーを充電し、その電力で走るハイブリッド(プラグインハイブリッド=PHEV)」と「ケーブル経由ではなく回生ブレーキなどで走行中に充電しながら走るハイブリッド」とがあり、新型プリウスやRAV4にも「ハイブリッド」と「プラグインハイブリッド」とが用意されています。
プラグインハイブリッドは「価格設定が高価」
なお、プラグインハイブリッドは一般にバッテリー容量が大きく、そのために価格が高価になりがちで、たとえばRAV4だとハイブリッドG(E-Four)で430万4000円、しかしRAV4 Zプラグインハイブリッドだと563万3000円といったぐあいに一気に価格が上がってしまいます。
ただ、RAV4 Z プラグインハイブリッドだとEVモードで95km走行でき、つまりバッテリーを満充電しておけば、ガソリンを使用せずに95km走ることができるので、そのぶん(ガソリン車や普通のハイブリッドに比較して)ランニングコストを安く上げることが可能です。
もちろんプラグインハイブリッド車のオーナーは「意味もなく」通常のハイブリッドではなく高額なプラグインハイブリッド車を選んでいるわけではないと思われ、そして割高なコストを吸収すべく、バッテリーを充電してEVモードで可能な限り走行しようと考えての購入なのだと考えられるのですが、今回の調査によればプラグインハイブリッド車(PHEV)のオーナーは車両が許容するEVモード走行距離よりも25〜65%少ない距離でしかEV走行を行っておらず、逆に42〜67%も多くのガソリンを消費しているのだそう(データはカリフォルニア自動車修理局によって収集されたもの)。
PHEVを充電するのが面倒だった?
プラグインハイブリッドは(充電しなくても)普通のハイブリッド、そしてガソリン車として走行が可能ではあるものの、上記データからは「充電せずにガソリン車もしくは通常のハイブリッドとして走行している」ことがわかり、これはまさに「宝の持ち腐れ」。
せっかく高いお金を出してPHEVを購入したのにEVモードをあまり使用しないのであれば、バッテリーが重いぶん燃費が悪化してしまうだけのクルマとなり、文字通り無意味になってしまうのですが、プラグインハイブリッドを購入した人自身も「こんなはずじゃなかった」と考えているのかも。
そして「こんなはずじゃなかった」理由は人それぞれだと思われ、ある人は自宅に充電器がなく、公共の充電器でチャージするのが面倒だったりするのかもしれませんし、またある人はEVモード時のパワーが物足りないのかもしれません。
ただ、いずれにせよ(自動車メーカー、オーナーともに)想定したのと異なるPHEVの使い方がなされているのは事実であり、これはちょっと興味深い統計だと言えそうです。
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